= 開発者来日イベント&インタビュー=
「エンパイア・アース」 2/2
(第二部)

2001/11/07

文 TAITAI
写真 Gueed

クリックすると拡大します  ゲームの概要を説明したプレスカンファレンスの後,EEの開発元であるStainless Steel Studiosのリードデザイナー ジョン・アレンソン(Jon Alenson)氏,同社のデザイナー ライアン・ガイラー(Ryan Geiler)氏の両名に直接インタビューする機会を得ることができた。そこでさっそく,EEに搭載されたシステムがどういう経緯,あるいはどういう考えの基に設計されているのかなど開発に関する質問をいくつか投げかけてみた。


forGamer.net(以下4G):
EEは,いくつもの時代が用意されているところが一つのセールスポイントだと思われるのですが,ゲームのテンポに対してはどうお考えでしたか?

Stainless Steel Studios(以下SSS):
ゲームのテンポには,当然注意を払っていました。おおよそ,1ゲーム20〜30分程度で遊べるようにと我々は考えています。

4G:
なるほど。思ったより"早いプレイ"デザインされているんですよね。ただEEは,その時代の多さに加えて,かなり自由度の高いルールの設定が可能ですよね。現在,β版を遊んでいるプレイヤーの間では「どんなルールで遊ぶのが一番流行るのか」「大会などではどんなルールが一般的になるのか」などの議論が取り交わされているようです。これに関しては,開発者側からのなんらかの意見,あるいはルールの提示などはありますか?

SSS:
当たり前ですが,ゲームの遊び方に関しては個々のプレイヤーが自由に決めていってほしいと思いますし,我々もそのようにデザインしたつもりです。ただ我々は,ゲームテンポの問題や対戦に適したゲームの所要時間を考慮して,だいたい2〜4つの時代で勝負が決まるようなゲームデザインをしています。

クリックすると拡大します 4G:
つまり,すべての時代を1ゲームの中で遊ばせるつもりはないということでしょうか?

SSS:
ええ。実際,30分の中にすべての時代を詰め込むことも可能でした。しかし,我々はよりゲームを面白くするために,このような形がよりベストだと考えたのです。

4G:
最初の時代から最後の時代まで遊ぼうとするのは無謀ですかね?

SSS:
我々はそういう遊び方をしていませんね(笑)。それに,最初の時代からゲームをスタートさせたとしても,最後の時代まではいかずに,途中の時代でゲーム勝敗が決まってしまうと考えています。
 我々はゲームが「どの時代で終わるのか」よりも「どの時代で始めるのか」を重視してゲームをデザインしました。つまり,どの時代でゲームをスタートさせても,その後の2〜4個の時代で決着が付くようなバランスにしてあるんです。

クリックすると拡大します 4G:
β版では,建物が比較的壊れやすいとも感じましたが,それもアップテンポなゲーム展開を重視する結果ですか?

SSS:
その通りです。

4G:
今回,ゲームシステムの目玉の一つに「士気ルール」(※注1)がありますよね。これはやはりRush対策としてのルールなのでしょうか。それとも世界観的な側面から導入を予定していたのでしょうか?

SSS:
ルール的な面と世界観的な面,両方の理由からこのシステムを導入しました。士気ルールの導入やRush戦法に関しての対策も,開発の初期段階から考えていたことです。

4G:
そういえば,ゲームのバランスなどに関する修正は,今後パッチなどで細かくサポートしていくのでしょうか?

SSS:
当然,積極的に行なっていくつもりです。

4G:
気が早いとは思うのですが,拡張パックなどに関する予定などは現在あるんでしょうか?

SSS:
本当は「ノーコメント」と言いたいところなのですが……(笑)。「EEのユーザーをより楽しませる努力は,今後もしていくつもりです」とだけ言っておきます。

4G:
では期待して待つことにします。有難うございました。

クリックすると拡大します  さて,筆書としてはなかなか興味深い内容だったと思うのだが,いかがだっただろうか。今回のインタビューで驚いた点は,開発者側が「2〜4個の時代で遊ぶことを想定している」と語った点だろう。確かに,短時間で爽快に遊ぶのなら,その程度の間隔がベストかもしれない。なんにせよ,EEの絶妙なゲームバランスが,開発側の深い考察と努力によって裏打ちされていることを再確認した思い。11月22日の発売が待ち遠しい限りだ。(TAITAI)

※注1 : 陣地内に「House」などの施設を建てることで,自分のユニットの士気が上昇し,結果,それらのユニットの受けるダメージが10〜60%減少する。つまり,敵地に攻め込む側が,こと戦闘に関しては不利になるというルール。

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