EA CAMP 2003

Text by 奥谷海人

「NASCAR Thunder 2004」

 アメリカ特有のモータースポーツであるため,日本やヨーロッパでの知名度は低いNASCARレーシングは,競馬や競輪のような感覚で,いつ抜くか抜かれるかの駆け引きが分かれば,非常に興味深いスポーツでもある。
 アメリカでこの8月に発売される予定の「NASCAR Thunder 2004」は,ほかのEA Sportsタイトルとは異なり,PC専用のゲームエンジンを使って開発されている。少しここで紹介しておこう。

 NASCAR Thunder 2004には,23種類の実在するコースに加えて,Electronic Arts Tibron社で制作した,都市部などを模した架空のトラックが11種類用意されている。70人のドライバーと,車のボディテクスチャが175種含まれており,また初心者向けにドライブアシスタント機能もある。
 レーシングゲームなのにピットのクルーなどにモーションキャプチャーでアニメーションが施されるという凝りようで,さらにはこすられた部分のペイントが剥げ落ちるといったパーティクル効果を含めた,本格的なダメージモデルが素晴らしい。車が団子になって大破したときの描写も,非常にリアリスティックで一見の価値がある。
 今回同時に発表された「NFS:Underground」ほど脳内のアドレナリン分泌量が高いとはいえないが,一瞬の計算違いが勝負の明暗を分けてしまうのがNASCARの楽しみだろう。PC版では物理効果にも重点が置かれており,タイヤのグリップや磨耗のパターン,ハンドリングなども精巧にシミュレートされている。またPC専用のゲームモードとして"キャリアモード"が用意されていて,チームのマネージメントやスポンサーシップの獲得,車の制作や開発,チューニングといったチームマネージメントのすべての要素が,ゲーム時間で20年間にも渡って楽しめる。
 LANやインターネットでのマルチプレイをサポートし,ブロードバンドであれば16人までが対戦可能。GamSpyでチャットやトーナメントも楽しめるとのことだ。さらには,フライトシムのようなサードパーティやMODファンも意識したツールが用意されるなど,かなり拡張性の高い仕様になっている。

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