アメリカンコンクエスト 攻略


 さて,連載第2回めからは,いよいよ本編であるランダムマップ(デスマッチ)モードについての攻略を始めたい。今回は,その中の"内政"という要素について。
 というのも,ひたすら戦闘だけを行うバトルフィールドモードとは異なり,資源の収集や軍隊の育成といった内政的な要素を内包している点が,ランダムマップモードの大きな特徴なのだ。アメリカンコンクエスト(以下,アメコン)のゲームとしての"軸"が戦闘部分にあるのは確かだが,その戦闘(軍隊)を支える内政をおろそかにはできない。この記事を読んで,内政の基本とコツを理解してもらえればと思う。




 アメコンにおける資源の種類は,食料・木・石・金・鉄・石炭の6種類。資源の重要度が各勢力によってそれぞれ異なる点(金や石炭が重要な西欧勢力,食料と木の消費比率が高いネイティブ勢力など)が本作の面白いところ。また,交易所(市場)を持っている勢力と持っていない勢力などがあり,資源管理については,それぞれの勢力の"コツ"を掴むことが重要だ。

一つの畑に町の住民を割り当てすぎると詰まってしまい,効率が悪くなる。その場合は新しい製粉所を建設しよう スー族にとって狩りは必須。常に視界を広く取って,どこに獲物がいるか確認しておくようにしたい
 大量に必要で,なおかつ最重要の資源。ユニットの生産/育成,そしてアップグレードで使用するほか,マップ上に存在する"味方ユニットの維持"にも消費する。要するに,軍隊(ユニット)が存在するだけで,食料はどんどんと減っていってしまうわけだ。
 食料が尽きる(0になる)と"餓死"が起き,ゆっくりとではあるが次々にユニットが死んでいく。さらに餓死は,その発生から一定時間士気を下げる要因にもなるなど,食料は,とにかく"尽きてはならない""集め続けなければならない"資源だといえる。
 そんな重要な食料だが,集める方法は全部で3通り。その一つが,畑で穀物を栽培する"農耕" である。これはスーを除くすべての勢力が行うことができ,陸地さえあればどこでも実行可能。もっとも一般的な収集方法だといえよう。
 二つめは狩猟で,マップ上にいる動物を倒すと,そこから肉を採ることができる。狩猟ができるのは,イロコイ・ヒューロン・デラウェア・ハイダの四つの勢力の町の住民(つまり弓矢を持つ住民)と,スーの弓の射手,そしてイギリス・アメリカ・フランス・オランダの狩人だ。農耕よりも狩猟のほうが効率が良いが,動物一匹から肉を採取できる回数には制限がある。
 そして三つめの方法が,魚釣り。すべてのネイティブ勢力は釣りをすることができ,水のある場所ならどこでも行える。アップグレードを済ませた後であれば,これは非常に効率的な採集方法なのだが,残念なことにアップグレード自体のコストが高い。農耕ができないスーは絶対に釣りをすべきだあろうが,ほかの勢力にとっては釣りはさほど重要とはいえないだろう。とはいえ,釣り用カヌーは戦闘に使うこともでき,また戦闘用カヌーに比べてコストも安く,海戦が起きた場合には非常に有用。海戦が勃発した場合には,絶対に釣り用カヌーを作るようにしたい。

 主に建物を建てるのに必要とするが,ほかでは弓の射手が射撃するのにも消費する(基本的には,弓一発あたり木2を消費する。例外あり)。鉱山のアップグレードの4段階め以降にも大量に必要とするので注意。木は,マップ上に存在する樹木すべてから収集することができ,採集は無限に行える。

 石は建物を建てるときに使用する。木と違って取れる場所が非常に限られており,急に収穫量を増やすことはできない。要するに,計画的に使っていかなくてはならない資源だといえるだろう。とくにゲームの序盤には大量に必要とされるため,鉱山のアップグレードはまず石を中心に行うこと。
 ちなみに,プエブロを除く北米系ネイティブにとって,石は全く必要ない資源である。

中立勢力から鉄と石炭を買うことができる。弾薬が尽きたときの最後の頼みの綱だ
 ユニットの育成・アップグレード・(一部の)建物の建設に幅広く使われる資源で,鉱山で採掘するほか,交易所を保有していると自動で増えていく。
 使用する分野がかなり広いため,常に足りない傾向があるのがポイントだ。とくに注意すべきなのは,ヨーロッパ系勢力の要塞の建設に使う金(1軒め4000,2軒め20000)。要塞は国力に直結する非常に重要な建物なので,建てたいタイミングに必要量の金があるかどうか,常に注意しておきたい。
 また金は,特定のユニットの維持にも消費される。維持費がかかるユニットは,ヨーロッパ系勢力のごく一部……具体的にいうと,火打石銃兵,士官,竜騎兵とアメリカの国民兵になる。このうち,イギリスとアメリカ以外の火打石銃兵は,金が0になると反乱を起こすので注意が必要。イギリスやアメリカでも,金が無くなると自動的に陣形が解除され,新たに組むことができなくなる(陣形自体に維持費が掛かっているわけではないが)。
 そのほかにも,金はマップ上に存在する中立勢力との交渉にも使用する。彼らに対して金を支払えば味方につけることができ,援軍を要請したり傭兵を雇ったりできる。また金1000を支払うことで,鉄あるいは石炭1000と交換してもらうことも可能だ。これは,鉄と石炭がなくなった場合の最後の手段として非常に重宝する。

鉱山の5段階めのアップグレードには大量の鉄が必要だが,これをやるかやらないかで後々差がつく
 主にユニットの生産と弾薬に使用。普通に使っている限り足りなくなることはほとんどなく,比較的管理が甘くなる資源だろう。とはいえ,鉱山の5段階めのアップグレードには大量に必要(7000程度)となるので,長期戦が予想される場合は,これを見越して鉄はかなりの余裕を持って集めておくべきだ。
 鉄は,インカの吹矢の戦士が射撃するのにも使われる(一発あたり鉄2)。

石/金/鉄の鉱床はスタート地点近辺にあるが,石炭の鉱床は遠く離れたところにある。石炭鉱山は重要な"戦略地点"なのだ
 主に弾薬,カノン砲関係で大量に必要とされる,ヨーロッパ系勢力にとっては生命線となる資源。また本拠地の近くに必ず一つはある石/金/鉄の鉱山とは違って,石炭の鉱山は,本拠地から離れた場所にある点が大きな特徴だ。要するに,本拠から遠い=強固な防衛が困難となり,即ち壮絶な奪い合いが起きやすくなる資源なのである。石炭鉱山をめぐる攻防というのが,ランダムマップにおける戦略のキーポイントだといえる。




軍事と内政バランスの舵取りは難しいが,ともかく追加の住居を建設するのが重要だ
 さて,本作における"軍事ユニットの生産"は,町の住民を軍事施設に入れ,それを育成して軍事ユニットに変換する……というシステムによって成り立っている。言うまでもなく,町の住民は内政に使うユニット。その内政ユニットの一部を軍事ユニットにしなければならないので,自然,内政と軍事のバランス取りが難しくなるわけだ。
 軍事ユニットをどんどん育成すれば大量の軍隊を揃えることができるが,その分内政はおろそかになるし(内政ユニットが増えるだけではなく,維持費も必要だ),かといって町の住民のほとんどを内政に従事させると,資源は大量に集まるが戦闘に支障をきたす。どんなバランスで内政と軍事を整えていくか? そこが本作の難しさであり,またゲームとしての醍醐味だといえるだろう。
 ただほかの同ジャンルのゲームがそうであるように,本作にも軍事/内政のバランスについては,ある程度の目安があり,それを指標とすることができる。なかでもとくに目安として使えるのが,住居の建設のタイミングだろう。
 住居というのは,町の住民を生産する場所。本作では,町の住民の"終始連続生産"が基本なので,住居の数が即ち国力(経済力)だといえる。つまり,住居をなるべく早く追加し建設していくことこそ,国力増加の要になっていくわけである。

 アメコンは,ゲーム的に見ると防御側が有利となるバランス設計なので,最小限の防衛をすること自体は,実はそれほど難しくない。緊急の場合でも,町の住民が建物にこもればある程度は守れるからだ。軍事的な劣勢が,即敗北になるワケでもないのである。
 その一方で,国力の差については,取り返しがつかない(挽回しようがない)ことが多く,そういう意味でも,内政は最優先に考えるべき事柄だといえる。内政=町の住民の人数……要するに,まず欠かせないのが住居の建設となる。
 住居のグレードには,IとIIとIIIがあるが,双方のコストを比較し,どちらを優先して建てるべきか考えるようにしたい。例えば使用する勢力がスペインの場合なら,

 ・まず住居Iを4軒めまで建て
 ・次に住居IIのアップグレードボタンを押し
 ・住居IIを3軒めまで連続して建設
 ・その後,住居Iの5軒めを建てる

……という順番が望ましい。ゲーム序盤は,このような手順ををスムーズに行えるギリギリの資源採取量を目指し,余った住民を残らず軍事ユニットに育成していくのがベストとなる。



 それでは,これまでの知識を踏まえながら,実際のゲームの展開を追っていきたい。ここでは,イギリスを使用した場合を例にして,内政の流れを見ていってみよう。ピースタイム30分中の行動のため,戦闘は一切行っていないが,ここでは内政部分に限定して「何を,どの順番でやればいいのか?」をおおまかに掴んでもらいたい。
ゲームのスタートオプションは以下の通り。

  地形の種類:陸地
  地面の種類:平地
  気候帯:亜寒帯
  初期資源:普通
  鉱物:普通
  ピースタイム:30分

(1)砦,製粉所,住居Iの1個め,住居IIの2個め,倉庫,かじ屋の順番で建物を建設。すべて完成したら砦に町の住民を一人入れながら,2個の住居Iそれぞれで町の住民を10人ずつ予約する。

(2)町の住民3人を木の伐採に向かわせ,残りはすべて畑で食料を採らせる。そして,木が150以上溜まったら,かじ屋の「農耕用具の製造」をアップグレード。そして食料が850集まり次第,今度は「穀物加工法の改良」のアップグレードを行う。

(3)次に食料が500以上になったら,2個の住居Iで町の住民を無限生産(Ctrl+クリック)を設定。そして生産された町の住民で,建設可能な鉱山を全部建設する。

(4)砦のアップグレード「兵器の製造」を行って,旗手を数人育成。旗手でマップの視界を確保し,鉱床を見つけ次第,順次鉱山を建設していく。「鉱物=普通」のスタートオプションでは,鉱山は自陣に全種類2個ずつ建設できるはずだ。

(5)石と金の鉱山をアップグレード。木450/石720が溜まったら住居Iの3個めを,木1350/石2160が溜まったら住居Iの4個めを建設。その後,木6000/食料10600が溜まるのを待ち,製粉所の「穀物貯蔵法」のアップグレードを行う。

(解説)
ここまでの行動は,どんなルールでもほとんど共通。鉱山を素早く建設し,石と金に関してはなるべく早くアップグレード,採掘量を増やしておくことがポイントとなる。ピースタイムルールを設定しているならば軍事ユニットの育成は必要ないが,戦闘状態に入っているのであれば,最低限の軍事ユニットは育成しておくこと。火縄銃兵を数十人育成してそれぞれの建物に入れ,槍兵を数十人育成して,生産拠点(畑,林,鉱山)の各地に護衛として数名ずつ派遣する。つまり,屋内の防衛は火縄銃兵,屋外の防衛は槍兵にさせるというわけだ。

製粉所は,なるべく周囲に木や他の建物がない開けた土地に建てるべし 旗手は非常に視界が広く,偵察用として非常に重宝するのだ 中立部落は,士官か司祭を派遣することで味方にすることができる

(6)必要資源が溜まるのを待って,要塞(木4000/金4000/石5500)を建設。そして次に町の公会堂(木2100/石5200)を建設する。

(7)町の公会堂で行うアップグレードは次の順で行う。

 ・「地質学者を招く」(3段階め以上の鉱山のアップグレードが可能になる)
 ・「建設労働者への資格付与」(住居IIの建設が可能になる)
 ・「製材所の建設」「大工の給料アップ」(木の収穫量を増やす)
 ・ 食料関係のアップグレードを行う

そして,ここから先は木が大量に必要となるので,木の伐採にあてる町の住民を増やしていく。

要塞は最強の防御施設だが,その一方で敵のカノン砲の格好の標的にもなる。建設場所をよく考えよう 序盤は,火縄銃兵を中心に育成。さまざまな用途に柔軟に使えるユニットだ 狩猟小屋。イギリスとアメリカのみが建設できる。狩人を生産できる建物だが,防御施設として頼りになるのだ

(8)住居IIを4個めまで建設。次に石,金,鉄,石炭の順で鉱山をアップグレード(3段階め)する。ただ石と金だけは4段階めのアップグレードを行い,その後に住居IIの5個目を建設。

(9)ここで要塞のアップグレード「騎兵と大砲製造所の建設」(木2000/金3500/石12000)を行うのだが,この研究にかかる石12000が非常にネック。これを研究するまでは石の保有量にとくに注意する。

(10)防舎IとIIを数個ずつ建設。IよりIIのほうが強力で,IIは大砲を撃つこともできる。どこにいくつ建設するかはマップや相手次第。敵の侵攻ルートをよく考えて建設しよう。

住居Iと住居IIに機能的な差はない。ただしコスト体系が別で,住居IIのほうが木を多く消費する代わりに石が少なくて済む 畑は最低でも3か所くらい必要だ。騎兵の育成には大量の食料を必要とするので,余裕を持って集めておこう 騎兵小屋設営には12000もの石が必要。だが,騎兵がいるといないとでは戦い方がまったく違ってくる。ぜひ建設したい

(解説)
ここまで相手に遅れを取らないように進化したいが,すでに戦闘状態に入っている場合には,無理をせず防御重視で敵を撃退していこう。建物に数名ずつのユニットがこもっていれば本拠地の防衛はできるが,注意したいのは本拠地から離れた位置にある鉱山の防衛だ。とくに石炭の鉱山は本拠地周辺にはないため,全部押さえられてしまうと苦しい展開を余儀なくされてしまう。

竜騎兵は銃も強力だが,"士気"の効果を生かすには接近戦が要となる。攻撃力/防御力のアップグレードは必須だ 防舎IIがあれば,ほとんどの敵は近づくことすら難しい。石炭の鉱山には最低でも一個建設しておきたい

 さて,この後の行動についてだが,それは相手の勢力やプレイヤー自身の好みによって変わっていく。例えば相手がネイティブ勢力の場合なら,火縄銃兵と竜騎兵17cを育成していくのがいいだろうし,相手がヨーロッパ系ならば火打石銃兵が効果的なため,火打石銃兵の育成時間の短縮や,要塞2個めの建設を急ぎたい。
 カノン砲の製造タイミングなどなど,まだまだ悩みどころ多いかもしれないが,いずれにせよ,後は精進あるのみ!……というほかない。各自練習して"コツ"を自分の物にしてほしいところだ。

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