マイクロソフト ズー タイクーン
コンプリートエディション

Text by UHAUHA
31st Oct. 2003

二つの拡張パックでさらに面白くなったズー タイクーンを楽しもう

シナリオゲームのクリア条件はゲーム中に確認できるので,常に把握しておこう

 経営シミュレーションは数多くあるが,比較的身近な"動物園"の経営を味わえるのが2002年3月に発売された「マイクロソフト ズー タイクーン」(以下,ズー タイクーン)だ。プレイヤーは動物園の檻の設置,動物の買い付け,入園料などの料金設定,施設の配置など,運営に関するすべてを取り仕切り,多くの来園者が「楽しい!!」「来て良かった」と思えるような"幸せ度"の高い動物園を作りあげるのが目的だ。
 このズー タイクーンの魅力はレビュー記事「こちら」で紹介したとおり。コテコテの経営シミュレーションというよりは,パズルのようにアイテム類を組み合わせて楽しみながら動物園を作っていこうという色が強く,子供から大人まで手軽に楽しむことができ,それでいて奥が深いという絶妙なゲームバランスに仕上げられているのだ。

 欧米では,ズー タイクーンに導入することで,水族館にまで手を広げられる"マリン マニア"(海洋動物)と,恐竜を飼育/展示してジュラシック・パークのような動物園を作れる"ダイナソー ディッグ"(恐竜)という非常に高い評価を得ている二つの拡張パックが発売されている。残念ながらこれまで日本では未発売だったのだが,ついにこの二つを楽める「マイクロソフト ズー タイクーン コンプリート エディション」(以下,コンプリート エディション)が発売となった。
 コンプリート エディションは,ズー タイクーン本体とマリン マニア,ダイナソー ディッグの拡張パックがセットになったもので,合計で動物は119種類,建物やアトラクションなどの施設は約500種類と,膨大な数のアイテムを扱える。
 ゲームモードは,あらかじめ決められた目標をクリアしていく"シナリオゲーム"には30種類が追加され合計45種類に,資金を自由に設定し気ままに動物園経営のできる"フリーゲーム"も合計45種類が用意され,ステージ数もかなりの数となっている。
 ズー タイクーンで不評だったメンテナンス員は,細かく仕事を指定することが可能となり,かなり"使える"ようになった。この変更だけでもズー タイクーンファンは「買い!!」となるところではないだろうか。ただ原稿執筆時点では,拡張パック単体での販売予定はないとのこと。つまり本体を持っているプレイヤーも,拡張パックをプレイしたければコンプリート エディションを購入しなければならなず,いくらキャッシュバック(期間限定だが)があるとはいえ,購入を考えてしまう人も多いかもしれない……。

 ともかく値段的にはお買い得感が強く,これを機に挑戦してみようと思っている人も少なからずいるだろう。今回のレビューでは拡張パックのマリン マニア,ダイナソー ディッグに絞っているため,基本となるズー タイクーンをご存じない人は,まずは「こちら」のレビューを熟読してから続きを読んでほしい。

フリーゲームでは資金を設定し,自由気ままに動物園を作成できる シナリオゲームは設定された課題をクリアすることが目標だ

海洋動物や恐竜の飼育はひと筋縄ではいかない?

 ゲームシステム自体は今までのズー タイクーンと変わらず,"建てる" "動物の買い付け" "施設の購入"などのコマンドを選んだときに,上段のプルダウンメニューにより"すべて" "ズー タイクーン" "マリン マニア" "ダイナソー ディッグ"と表示アイテムを切り替えられる。膨大な数のアイテムを使いやすいインタフェースでまとめているのが分かりやすくて良い

ズー タイクーン,マリン マニア,ダイナソー ディッグの切り替えはプルダウンメニューより行う

 マリン マニアでは,マッコウクジラなど大型のものから,獰猛なホオジロザメ,地上も生活の場とするセイウチ,そして人魚(!)などの海洋動物を展示する水槽を準備し,動物に合わせて水槽の深さを調整したり,水草や石を置いて住みやすい環境を作ったりする。中には海と陸の両方を好む動物もいるので,水陸混在の展示場を作ることも可能だ。
 餌の供給,水槽の掃除,病気の治療,調教(動物ショウ)は"海のスペシャリスト"が担当する。
 やはり一番楽しいのは,シャチ,イルカ,ラッコなどの動物ショウを演出できるところだ。動物達にどんな芸を披露させるのかショウプログラムを組むことができ,例えばシャチでショウを演出するなら,観客へのあいさつ→後ろ向きテールウォーク→水鉄砲→観客へのあいさつ→ジャンプ→ステージに上がる→観客へのあいさつといった感じだ。来園者が面白いと思えるショウプログラムを考えるのは当然だが,プレイヤーも眺めて楽しめるので,まずは自由に組んでみよう。

 ダイナソー ディッグでは,ティラノサウルス,ステゴサウルス,アパトサウルス,プレシオサウルス,サーベルタイガーなど,大小さまざまな恐竜,爬虫類,絶滅動物の展示が可能だ。
 展示場は鉄筋コンクリートの壁や電流の通った壁を使って作成する。恐竜は生まれたばかりは小さいものの,成長するとほかの動物よりもはるかに大きくなるため,成長した場合を考えて展示場の広さを作っておこう。なお恐竜の飼育には,卵の孵化,恐竜の飼育,清掃,病気の治療などを担当する"科学者",恐竜が脱走してしまった場合に出動する"恐竜回収チーム"が必要になる。

アロサウルスやティラノサウルスは電流フェンスにまで攻撃を加えてくる

 体の大きい恐竜や凶暴な恐竜は樹木や小屋を破壊してしまうことがあり,そのときに出る残骸はプレイヤーが一つずつ取り除く必要がある。残骸を残しておくと恐竜達の幸せ度に大きな影響を与えてしまうのだ。また展示場の壁の劣化などは見つけたらすぐに修復しないと,恐竜逃走の引き金となる可能性がある。メンテナンス員に任せきりではなく,プレイヤー自ら展示場を定期的にチェックする必要があるだろう。
 恐竜の飼育は,ほかの動物よりも飼育が難しいうえ,来園者が危険にさらされるようなアクシデント(恐竜が逃げ出したり)を極力排除していくことが必要だ。恐竜という未知の動物を扱うには,それなりに努力しなければならないのだ。

 マリン マニア,ダイナソー ディッグのアイテムを贅沢に使っていきたいところだが,水槽にしろ,鉄筋コンクリートの壁にしろ,ズー タイクーンで使用する檻よりも値段が高く,住みやすい環境を作るだけでもかなりの出費となる。また動物の価格も高く1頭2500〜5000ドルもするものも多い。そのため序盤の資金が少ないときに無理に導入すれば,すぐに破綻するだろう。
 それ以外にも,ズー タイクーンよりもスタッフの育成,病気の治療,アトラクションの開発,ショウアイテムの開発,遺伝子研究などの研究保護活動への出資が重要なので,資金繰りに頭を悩ますことになる。まずは人気の高い動物(ライオンなど)を展示し,ある程度の収入を得られるようになってから,マリン マニアとダイナソー ディッグのアイテムを使っていくのがいいだろう

飼育係などのアドバイスは必見。動物の情報を読んでアレンジするとさらに良くなるかも 動物ショウでは"芸"を組み合わせてプログラムを作成する ステージに上がって来園者に手を振る(?)シャチ 海洋動物の飼育には海のスペシャリストが必要だ

プレイヤーを選ばず,ノンビリと末永く付き合える経営シミュレータだ

 ズー タイクーンは,どちらかというと一気にプレイするタイプのゲームではなく,たまに「やってみるか」とプレイするスタイルが似合うゲームという印象だ。もともと非常に完成度の高かったゲームだが,マリン マニアとダイナソー ディッグを追加することで,「これでもか」といわんばかりに増えた動物,施設,アトラクションで作れる動物園の幅は無限に増えたといっても過言ではなく,多くのシナリオやステージも手伝って,より長く付き合えるゲームになっている
 動物園のみ,動物園と水族館,水族館と恐竜パーク(?)など,さまざまなタイプの動物園を作ってノンビリと楽しむのも悪くないだろう。

 経営シミュレータというと,さまざまなパラメータが複雑に絡み合ってややこしい,細かい収支の管理が面倒などの理由でハードルが高く敬遠されがちであるが,子供から大人,男女問わず気楽に楽しめるズー タイクーンならば,そんな心配は必要ない。
 マリン マニアとダイナソー ディッグは若干難度の高さを感じるが,それでもほかの経営シミュレーションに比べれば手軽にプレイできるレベルなので,ぜひとも多くの人に挑戦してもらいたい。まずは「こちら」にマリン マニアとダイナソー ディッグの楽しさをちょっぴり味わえる体験版があるので,少しでも興味を持ったらプレイしてみてほしい。きっと動物園を作りあげる面白さの虜になるはずだ。

かなり大きなマッコウクジラ。展示場が狭く,好みの水草を与えていない悪い例 動物園と水族館の混在タイプ。マリン マニア,ダイナソー ディッグのみで作るよりも経営は楽だ 来園者が増えてくると俄然楽しくなる。展示場の中にいるのは……
ショウを盛り上げる3頭のバンドウイルカ。後ろ向きテールウォークの2匹は夫婦,ボール遊びはその子供だ マリン マニアで追加された更衣室。ドルフィンスイミングなどを設置すると来場者が水遊びをする 区画で区切ったデザインになりがちだが,人が流れるようなデザインにするなどいろいろ試してみよう
研究活動と保護活動は動物園の運営に重要なもの。予算が許す限り出資しておきたい 今まで思い通りに行動してくれなかったメンテナンス員も個々に仕事を割り振れるようになった フェンスを突き破って来園者を襲うアロサウルス。恐竜回収チームがいれば,すぐに眠らせてくれる

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■発売元:マイクロソフト
■価格:オープンプライス
■問い合わせ先:マイクロソフト TEL 03-5454-2300
■動作環境:Windows 98/Me/2000/XP,PentiumII/300MHz以上(PentiumIII/500MHz以上),メモリ64MB以上(98/ME),メモリ128MB以上(2000/XP),セットアップ時に必要な空きHDD容量 1.2GB以上,実行時に必要な空き容量 100 MB以上,DirectX 8.0a以上
Screenshots集
ムービー(4分24秒:47.5MB)
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