トリプルプレイ メジャーリーグ・ベースボール

Text by デイビー日高
13th Nov.2001

カメラ視点をローアングルに設定すると, キャッチャーからの視点に変化する

 イチローや新庄,佐々木など日本人選手の活躍で,いままで以上に盛り上がった今年のメジャーリーグ。ニュースやスポーツ新聞に情報が載らない日はないというくらい連日報道されていた。そんなアメリカのプロ野球"MBL"を題材にしたスポーツゲームが,エレクトロニック・アーツ・スクウェアから発売されている「トリプルプレイ メジャーリーグ・ベースボール」(以下,トリプルプレイ)である。もちろん本作は,メジャーリーグを取り仕切るMLBの承認済みだから,チームや選手はもちろん野球場まで,すべてが実名でゲームに登場する。メジャーリーグファンにはとても嬉しい1本といえるだろう。

マウスオンリーで操作可能な斬新なオペレーションシステム

 本作が従来の野球ゲームともっとも異なっている点は,操作性がシンプルな部分だ。ゲームパッドでプレイするのが一番ラクだが,キーボードでも数個のキーしか使用しないので,操作をすぐに覚えられるだろう。そればかりかマウスだけでのプレイも可能で,操作が複雑(になりがち)な野球ゲームを,ここまでのものにしたのは実に見事といえよう。マウス左右ボタンとドラッグを組み合わせて野球ゲームができてしまうので,右手だけでプレイができるのはいままでにない感覚だ
 ピッチングの操作は,球種の選択から始まる。画面上部に球種一覧が表示されるので,マウスでクリックして決定。次はホームベースの上(キャッチャーがミットを構えるあたり)に表示されるコース(マス目状のゾーン)から,投球したい場所を選択する。このときにマウスの左ボタンを押し続けると,ピッチングパワーが調節できる。この操作は,ゴルフゲームのスイング操作に似ているので,ゴルフゲームをプレイしたことがあればすぐに覚えられるだろう。
 マウスのボタンをタイミングよく放せれば速いボールを投げられるが,外してしまうとコントロールミスになってしまう。この操作が実に新鮮で心地よい。ちょっとした反射神経を要する部分があってこそ,スポーツゲームの醍醐味といえるだろう。初めは誰でも戸惑うだろうが,1イニングもプレイすれば完全にマスターできるはずだ。
 またバッターを操作するときも,ピッチングと同様に簡単だ。マウスの左クリックがミート打法で,右クリックがパワー打法に割り当てられている。ストライクゾーン上には上・中・下段とバント用のエリアが表示されているので,ピッチャーがボールを投げた後にタイミングよくこのエリアをクリックする……という感じだ。「ヒットが打てるか否かは,クリックするタイミングだけ」という簡単な仕組みになっているのが斬新で分かりやすい
 ほかにも,投球スピードの変更やゲームスピードの変更など,始めてプレイするときに便利な機能も豊富に用意されている。いままで野球ゲームをプレイしてみたかったが,操作が難解で躊躇していた……という人には,このトリプルプレイをお勧めしたい。優良なインタフェースに驚くこと間違いなしだ!

多彩なゲームモードを収録

イチローもボンズも,すべて実名/実写で登場。イチローとボンズがホームラン競争をしているシーンだ

 ゲームのモードは,"SINGLE GAME"(シングルゲーム),"SEASON"(シーズン),"PLAYOFFS"(プレイオフ),"BIG LEAGUE CHALLENGE"(ビッグリーグチャレンジ),"NETWORK"(ネットワークプレイ)の5種類が用意されている。
 シングルゲームは,リーグに関係なく好きな球団同士を戦わせるモードで,シーズンモードは一定試合数を通して戦い抜くリーグゲーム。シーズンモードでの試合数はプレイヤーが自由に設定できるので,時間がないときでも少ない試合数に設定してリーグを楽しめるのだ。
 なかでもメジャーリーグ本場のゲームタイトルならではのモードとして,ビッグリーグチャレンジが収録されているのが魅力的な部分。いわゆる"ホームラン競争"のことで,それぞれがバッターを1人選択してホームラン数を競い合うというイベントだ。特に"エクストリーム"という競技がユニークで,球場の外野席に用意されたさまざまなターゲットを狙って得点を競い合うものだ。ターゲットによって獲得できる得点が異なっているので,高得点のターゲットを正確に狙っていくバッティングテクニックが求められるのが面白いところだ。
 マルチプレイは,インターネットを介した対戦だけでなく,LAN接続やモデム接続での対戦もサポートされる。野球というジャンルなので,対戦人数は2人までだが,それでもコンピュータ戦では味わえない白熱した戦いを繰り広げられるだろう。なお,1台でのPC対戦もサポートされているので,友人宅で盛り上がれるのも嬉しいところ。

オリジナル選手の作成機能も搭載!

架空スタジアムでのホームラン競争。スタジアムというよりもアミューズメントパークのようだ

 日本では"シアトル マリナーズ"と"ニューヨーク メッツ"ばかりが取り上げられているが,アメリカのプロ野球チームは全30チームもあるのだ。トリプルプレイにはこれら30チームすべてとオールスターチーム二つ(アメリカン・リーグとナショナル・リーグからの選抜チーム)の計32チームが収録されているので,きっすいのメジャーリーグファンだけでなく,最近興味を持った人でも文句なしに勧められる。
 もちろんオリジナル選手の作成も可能で,自分の分身となる選手を作成して本場メジャーリーグでプレイさせられる。BMPかJPEG形式の画像ファイルを用意すれば,ゲーム中の選手の画像を変更させられるのもこのEAスポーツシリーズの特徴の一つ。デジカメで自分の顔を撮れば,イチローのチームメイトとして試合に出る……なんて遊び方もできるのである。

 本作トリプルプレイは,コアな野球ゲームファンだけでなく,操作が単純化されていることから初心者でも純粋に「野球」を楽しめる。メジャーリーガーたちが画面狭しと激しくそして魅力的なプレイを惜しげもなく披露するのだから,見ているだけでも楽しくなってくるというもの。また,プレイヤーが操作せずにひたすら観戦するモードを使えば,来年のリーグをシミュレートするという楽しみ方もアリだ。日本のプロ野球に比べて,メジャーリーガーの動きや観客のブーイングはとてもハデなため,プレイや観戦にもついつい力が入ってしまうだろう。
 メジャーリーグに興味があるひとは,この年末年始を使って,一足早く2002年のメジャー制覇を狙ってみてはいかがだろうか。メジャーリーグという魅力的な要素を除いたとしても"野球ゲーム"としての完成度は高いので,アクションゲームファンにもオススメだ。

実況中継はすべてが英語なので,メジャーリーグの雰囲気を十分に満喫できる テレビでお馴染みの"シアトル マリナーズ"のホームグラウンド"セーフコ球場"も実名で登場 マウス操作の場合では,バッティングも走塁もマウスクリックだけで行える
顔の画像を用意すれば,オリジナル選手を作成できる。目や鼻,口など,顔のパーツの位置を指定するだけだ 実名のチームでリーグをプレイできるので,遊んでいる内にメジャーリーグに詳しくなれるのだ! メジャーリーグの選手はみんなオーバーアクション! 三振をとったりホームランを打ったりすると,激しく喜ぶ

 

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■発売元:エレクトロニック・アーツ・スクウェア
■価格:5980円
■問い合わせ先:エレクトロニック・アーツ・スクウェア TEL 03-5436-6499
■動作環境:Windows 9x/Me,MMX Pentium/200MHz以上(PentiumII/450MHz以上推奨),メモリ64MB以上(128MB以上推奨),空きHDD容量561MB以上

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