Back
(株)テーマパーク
Text by UHAUHA
19th Jun.2001

更に進化した遊園地経営シム代表作

クリックすると拡大します  エレクトロニック・アーツ・スクウェアが放つテーマパークシリーズの最新作が「(株)テーマパーク」だ。2000年に発売されたテーマパークワールドの続編に位置し,アトラクションなどのアイテムが一新されるとともに,天候の変化や客層(大人,お年寄り)などが追加されている。
 また前作以上にシミュレーション要素を強く前面にだし,それの充実を図っているのが(株)テーマパークの特徴だ。雨の日には傘が売れ行きがよくなったり,雪の日にアイスクリームの売れ行きが悪くなったりするのはあたりまえ。お年寄りがジェットコースターなどに興味を示さないなど細かい部分もシミュレートされ,一段と現実味を帯びた遊園地経営シムに仕上げられているのだ。  プレイヤーは,(株)テーマパークの一社員で,社長が引退した時に会社運営を任せられる人物として大抜擢された。プレイヤーはパークを大きくすること,重役会がプレイヤーの腕前を確かめるべく課してくる数々のプロジェクトを達成させることの2つを目標にゲームを進めていく。ゲームの最終目標は,出世を重ねて持ち株を増やしていき,(株)テーマパークの社長の座に就くことである。最終目標を達成するまでには非常に困難な障害がいくつも待ち受けているが,うまく切り抜けてパークを作り上げていかなければならないのだ。

パーク経営の要はバランスだ

クリックすると拡大します  (株)テーマパークには「発明ゾーン」「南極ゾーン」「アラビアンゾーン」の3つのエリアが用意されている。最初は発明ゾーンから経営をスタートし,社長が設定した目標を達成していくにつれ,新しい土地を使ってパークを広くしたり,出世して次のエリアが経営できるようになる。ゲームが進んで複数エリアを経営できるようになると,パーク間を行き来することになり,非常に忙しくなる。
 パークの経営は,アトラクションやショップ,施設などを設置してテーマパークとしての形態を整え,客を受け入れる準備をすることから始まる。楽しんでもらえるテーマパークを作ることを最優先事項として,アトラクションやショップをバランスよく設置し客足を稼ぐ必要があるのだ。ドキドキ度の高いアトラクションばかりでは客も飽きてしまうし,トイレが少なければ客の顔が苦痛に歪んでしまう。実際のテーマパークのように,バランスのよい構成にしていくのが,客足を途絶えさせない秘訣だ。  また(株)テーマパークでは,天候だけでなく季節によってもアトラクションの人気度が変わり,さらに年齢層によっても好みが異なるようになった。冒頭でも述べたが,大人や老人も客として登場するようになっているので,幅広い層に受け入れられるようにするという新要素も加わっているのである。
 もう一つ,パークで働くスタッフ(整備士,清掃員,庭師,警備員,芸人,研究員)も忘れてはならない。彼らなしにはパークの運営が成り立たない。トレーニングして新たな土地を開拓するために必要な資格を持たせたり,仕事効率をアップさせたりと,スタッフの育成も重要な要素となっているのだ。

メールで送れる絵葉書機能

クリックすると拡大します  箱庭シム系をプレイしていると,自分の作ったモノを実際に歩いたり楽しんだりしてみたいものだが,(株)テーマパークには「ビデオカメラ」というモードが用意されている。これは自分の作ったパーク内を自由に歩いたり,アトラクションに実際に乗ったりすることができる機能だ。それに加えて,ビデオカメラモードをさらに有効に使えるような機能も用意されている。
 ビデオカメラモードを使って客の視点で歩いていると,ゴミが沢山落ちていたとか,飲食店のすぐ隣にトイレがあったら気分が悪いなとか,いろいろなことに気がつくはず。ここで気が付いたポイントをすぐパークに反映させてもいいが,ここはぜひ「絵葉書」という機能を使って,パークの景色を撮影してみよう。自分のパークのみどころを保存できるだけでなく,e-mailを使って絵葉書を友人に送信できる(公式サイトで登録が必要)のだ。残念なことに絵葉書を受け取った人がパークに遊びに来られるという機能はないが,これがもし搭載されていたら非常に楽しくなったのでは……と思ったのは筆者だけだろうか。

ちょっぴり難しいけど,初心者にも十分お勧め

クリックすると拡大します  (株)テーマパークのプレイ中は常に忙しい。ビデオカメラモードで自分の世界に浸っていたり,絵葉書機能で撮影しまくっている場合ではないほどだ。メッセージセンターには客や運営陣,アドバイザーからメッセージがひっきりなしに届き,目標以外の仕事も同時にこなしていかなければならない。それも最終目標の達成には必要不可欠。難しいというイメージを与えてしまったかも知れないが,オプションでゲーム進行速度を落とすことができるので,ゲームに慣れるまではアドバイザーからのアドバイスを参考にじっくりと進めていくこともできる。

 すでにシリーズ化した感のあるテーマパークシリーズだが,(株)テーマパークでは新しい要素の追加でさらに現実的になり,さまざまな要素が複雑に絡み合っている。しかしテーマパークを作っていくという楽しさや,ちまちまと動き回る客をチェックする楽しさは健在で,非常バランスの取れたゲームに仕上げられている(流石と言ったところか)。独特の世界観やちょこまかと動く客,派手に動くアトラクションをぼーっと眺めているだけでも楽しい気分にさせてくれる,そんな魅力溢れる(株)テーマパークをぜひプレイしてみてほしい。実在するテーマパークに似せて作るもよし,入場無料のテーマパークを作るもよし,自分だけのテーマパークを作り上げ,社長の椅子に座れるかはプレイヤー次第だ。

クリックすると拡大します クリックすると拡大します クリックすると拡大します クリックすると拡大します

■発売元:エレクトロニック・アーツ・スクウェア
■価格: 7980円
■問い合わせ先:エレクトロニック・アーツ・スクウェア
  TEL 03-5436-6499
■動作環境:Windows 9x,PentiumII/300MHz以上 , メモリ64MB以上推奨 ,空きHDD容量400MB以上 , DirectX 7.0以上

(C) 2000 Electronic Arts Inc.