STARCHASE
Text by Seal Si-ru
19th Dec.2000
ネットワークゲームというと,RTS(リアルタイムストラテジー)とRPG,FPS(Quake系)が全盛な現在。そこに,ゲームの王道ともいえるアクションジャンルのゲームがリリースされた。韓国のCodiNETで開発されてシステムプロがサービスを行っている「STARCHACE」は,メックウォーリアやアーマードコアのような巨大ロボットを操る(いや,画面では小さいけど),対戦型シューティングアクションゲームなのだ。
ネットワーク専用で,200人が同じサーバーで同時にプレイできるのがウリ。2Dで表現された画面は一昔前のコンシューマーゲームを彷彿とさせるが,現在のネットワークゲーム事情からみると,思いっきり"大穴"といえるジャンルといえる。しかも,現在オープンβテスト中につき,ソフトもサービス課金も無料なのだ! これはぜひ一度はやってみるしか。
癖はあるがシンプルな操作性
操作はいたってシンプル。キーボードで機体の移動をし,マウスでターゲットの指定をするだけだ。右クリックで装備している武器を使用,左クリックは素早い移動をするためのブースターとなっている。
PCゲームにありがちな,煩雑な機能をすべてキーボードでやらせるということもなく,機体の操作以外で使用するキーは数個しかない。操作を簡単にすることで,対戦格闘ゲームのように「やりこめばやりこむほど強くなれる」のが,STARCHACEの魅力なのだ。
オリジナルの機体を作成する"カスタマイズ"がウリ
自機は,頭部,胴体,腕部,脚部,ブースターの5種類の部位に分かれていて,それぞれショップでパーツを購入することによってカスタマイズすることができる。知っている人なら「アーマードコアのような感じ」といえば分かってもらえるだろうか。
アーマードコアもそうだが,STARCHACEには"最強"という組み合わせは存在しない。攻撃力重視型,防御力重視型,機動力重視型など無数の装備パターンが存在するが,そのどれもが,プレイヤーの戦い方によって最強となり得るのだ。つまり,アイテムによって強化するよりも,プレイヤーの腕に重点が置かれているゲームなのである。ちなみに武器は,ライフル,バズーカ,ビーム兵器,ミサイルなど,定番のものがズラリと揃っている。
アイテムを購入するには,Corenという通貨を使う。9種類用意されているマップにある鉱山から鉱石を採掘し,それを持ちかえって換金するとシステムだ。
マップは,プレイヤー同士の戦いを禁じたものや鉱石を大量に得られるものなど,多岐に渡っている。序盤は安全なマップでちまちまと小銭を稼いで装備を整えていき,ある程度の装備が整ったら,大きく稼げるマップへと移動する。もちろん,大きく稼げるマップには,稼ぎにきたプレイヤーを倒そうとしている輩もいるので,細心の注意を払わなければならない。
レベルアップで強くなれ!
対戦型シューティングゲームと銘打っているが,黙々とプレイヤーと対戦するだけでなく,敵対するエイリアンも存在する。「Coyote」と名づけられたエイリアンは8種類が登場し,プレイヤー同士の対戦中に華を添える役割となったり(邪魔ともいう),経験ポイント(ハンティングスコア)を稼ぐために倒すこともできる。
自機には,エイリアンを倒すことで得られるハンティングスコアと,プレイヤー同士の決闘で得られるウォリアースコア,さらにハンティングスコアとウォリアースコアが元になって算出されるキルマークの3種類の経験ポイントが用意されている。ある一定のキルマークを貯めることでレベルアップして,防御力,攻撃力にボーナスが付加されるといった仕組みだ。
では破壊された場合どうなるのか? エイリアンやプレイヤーとの戦いに敗れてしまうと,実は結構ハードな仕打ちが待っている。それは「その時点で装備していたアイテムすべてを失ってしまう」というもの。もちろん,所持金や鉱石も例外ではない。拠点となるマザーシップに個々に銀行が用意されているので,こまめに貯金しておかないと途方にくれてしまうかもしれない。
"周りはすべて敵"という厳しい状況のゲームだが,それをサポートする機能もしっかりと用意されている。まずは,操作に慣れるためのトレーニングミッション。2種類用意されているが,このミッションをクリアすれば張れて一人前のパイロットなわけだ。しかしSTARCHACEのミッションは難度がかなり高いので,クリアするまでには10数回をやり直すハメになるかもしれない。
また,チームを組んで強いプレイヤーや強力なCoyoteを倒すこともできる。チーム設定をしたプレイヤー同士の攻撃は当たらなくなるので,特に序盤の目的が定まらないときには重宝する機能だ。しかし,なんだかんだいっても基本は「ネットワーク対戦シューティング」なのだ。他人は全部敵。破壊されただのPKだのとむやみに騒がないようにすべし。そういうハードなゲームなのだ。
シンプルな画面構成のせいか,動作環境が低く設定されているのも嬉しいポイント。コンシューマのような軽いノリでプレイできるので,"ロボット"や"アクション"という言葉にピンとくる人には,ぜひプレイしてもらいたい1本だ。ちなみにサービス提供元のシステムプロではソースコードさえも持っているとの話なので,今後日本独自の仕様にチューンされていくかもしれない。そういう意味でも楽しみな一品だ。