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プロジェクト I.G.I日本語版

Text by Masahiro Ogata(mog@yellowgarage.com)
12th Mar. 2001

 forGamer.netでもさんざん紹介してきた,アイドス・インタラクティブの"ひっそり3Dアクション"「プロジェクト I.G.I日本語版」。系統としては,同じくアイドスのThief,メタルギア・ソリッドなどが近いだろうか。隠密行動をメインに据えたFPSだ。
 オープニングのムービーから渋く決めてくれるので,緊迫した雰囲気にスッと入り込むことができる。このあたり,洋モノ(?)はさすがだ。たった2分でも,舞台背景や自分の置かれている状況,ゲームの雰囲気をあますところなく掴むことが出来る。とかくキャラクターばかり立たせて世界観の希薄な●●(適当に思いつくものを入れて読んでください)とは一線を画していると思う。
 ちなみに,ほかにはどこにも落ちていない各種アクションムービーも同時にUpしておいた。ちょっとデカいかもしれないが,I.G.Iのキャラクターの動きを見るには最適。"リロードシリーズ"など結構面白いので,ぜひ見てみてほしい。
主人公ジョーンズは,さまざまな訓練を積んで修羅場をくぐり抜けてきたエキスパート。肉体を見せるシーンはないのであくまで想像だが,ムキムキのマッチョとは違い,鍛えられた柔らかい筋肉を持った俊敏な兵士――ちょっと若返ったトミー・リー・ジョーンズを思わせる。
ブリーフィングは,作戦本部のアイヤとの交信でおこなわれる。ここでかわいいメガネっ子なんかが出てこないところが硬派。アイヤはちょっとキツめの頭の冴えた女性。指示は的確な内容なので,日本語字幕を読んでいけば何をしたらいいのか分からないと言う事態には陥らない。たとえそうなったとしても,ゲーム中にちゃんと確認できるので安心。
作戦が始まると,足音,機械の作動音,自分をかすめていく銃弾,降りしきる雨……自然とその場に存在していると錯覚をおこし,圧倒的な緊迫感で包まれる。

身をかがめ,物陰に隠れ,次の目標に到達するためのルートを確認する。 振り返ると警備兵が! 「うわわわっ」 一瞬にしてパニック状態である。「落ち着け,落ち着いて装備を確認するためにまず安全な場所に移動するんだ」 自分に言いきかせる。

ゲームのジャンルでいえばFPSになるが,Quakeなどとは違い,"反射神経・命"というわけではない。周りの状況を的確に判断し,作戦を遂行していくタイプ。Quakeやると15分で酔ったのでFPSは嫌いになった私でも大丈夫なので,ぜひとも試してみてほしい。

それでは,序盤のミッションを六つ紹介。攻略ページではないので詳細,ネタバレは省きます。どんなことをやるのかを主眼に紹介し,興味を持ってくれたら嬉しいです。

■Trainyard
さまざまな特殊操作をこなすアクションキー(右Shift)
そのほかにも,
  ・扉を開ける
  ・コンピュータを操作
  ・爆弾の設置
  ・フェンスをよじ登る
  ・鍵のロックをはずす
など
はしごの登り下り ワイヤーを使って移動
これから待ち受けるさまざまな事態に対応するための小手調べ的な意味合いが強く,何ができることで,何をしたらいけないかを学習するためのステージ。作戦内容も「トラックの強奪」と単純。敵兵も少なく,判断のミスが即ミッション終了にはつながるわけではないので気楽に楽しむくらいがいい。

 
■SAM Base
対空ミサイルに爆薬をしかけて無力化するのがこのステージの作戦。敵兵は散らばっているので,敵がどこにいるのかをちゃんと把握するようにする。一人ずつ的確に狙っていかないと,取り囲まれて蜂の巣にされるのがオチ。

武器庫から使える武器を盗み出すと,
武器のバリエーションが増える。
実際に投げて,距離を把握したり,
威力を確認したりするのも大事だ。
MP5はサイレンサーが付いているので周りに悟られないように敵を倒すことができる。逆に,奪ったAK-47でけたたましい音をたてて敵をおびき寄せたりもできる。状況によって使い分けると,作戦遂行は楽になる。

三つの爆薬をセットしたらヘリポートへ向かい,救出を待つ。

 
■Military Airbase
ハシゴは一気に降りられる
登りは律儀に一段ずつ。降りるのは面倒だから,飛び降りることはできないかなぁ,と誰しも思うはず。本作はそういうこともきっちり作ってあるので,給水塔のように高所からの飛び降りは死を意味します。ではどうするか?
この面ではスナイパーライフル"Dragunov"が活躍。とはいっても,持っているのは敵のスナイパー。使うどころか狙われるハメになって,ピシュ,ピシュッと弾を撃ち込まれる。大ダメージを喰らう前に双眼鏡で探すべし。

 
■GOD
警報装置には気を付けろ
警報が鳴ったからといって即ミッション終了というわけではないが,敵は臨戦態勢でこちらに向かってくるし,数も増えるので出来るだけ気付かれずに潜入したい。壊すと鳴り出すタイプもあるので注意。
これまでは単独作戦だったが,ここでは別働隊との連係が必要になる。

廃墟の敵を掃除したら速やかに給水塔へ登る(また登るのか)。とにかく急ぐ。ぐずぐずしているとハリソンの隊が突入を開始してしまうからだ。給水塔に登ったら,Dragunovで援護射撃。これが快感。Backspaceキーでスコープを覗く。援護射撃を的確に実行しないとアルファチームに犠牲者が出て,強制的にミッション終了となってしまう。

■Radar Base
基地内は簡単な迷路状になっているので,頭の中でマップをイメージしておかないと迷走してしまうことも。扉を開けて狙撃を繰り返し,レーダードームに進入するためのカードを探す。

 
■Get Priboi
このあたりから難度が高くなる。基地潜入直後の建物内では,敵を見つけたら0.3秒程度で射殺しないと警報スイッチを入れられてしまう。敵も複数で迫ってくるので弾切れなどという事態は論外。しかしやることはこれまでの応用だから落ち着いて対処すればいい。
送電線に鉄塔,ここまで進んでくればピンと来るはず。 兵舎の壁は木。建物中に乱射して中にいる敵3名を黙らせる。 対戦車ミサイルを使うことになるとは……。一撃で粉砕。というより弾1発しかないんですけどね。 とりゃ! 作戦成功まであと一息。
ということで,この続きはご自分でお試し下さい。

 
■映画のワンシーンを思い起こさせる
"I.G.I"には,映画のワンシーンを思い起こさせる数多くの仕掛けがある。銃火器関係の詳しい解説は別にして,レンタルショップでも簡単に借りられるようなメジャーなものからピックアップしてみた。

ダイハード2(46分32秒) 007 The World Is Not Enough(66分56秒) 交渉人(81分20秒)
床下を打ち抜いて敵を射殺

グロックは"I.G.I"でも標準装備の銃として登場する。マクレーンが空港警備隊長に言うセリフ「グロック拳銃を持ってんだぞ,西ドイツ製でX線にも映らない。君の月給より高いぜ」(21分18秒)

ワイヤーにぶら下がって移動

あ,別にバットマンでもいいのか(笑)

防弾チョッキを着た時のケビン・スペイシーに見えなくもない。

ちょっと無理があるが,作品の緊迫感は通じるものがある。

番外編として 必殺仕事人 スナイパーライフルのDragunovは,トム・ベレンジャー主演の映画「山猫は眠らない」で敵役の使用する武器として登場,最近の作品では,「Avalon」の主人公アッシュが使っている。

Desert Eagleは,「MATRIX」の中でエージェント達がガンガン射ちまくっていた銃(108分13秒,121分50秒,122分48秒)。反動が大きく,威力ありそう。

後ろからナイフで首筋を狙えば,必殺仕事人「秀」のように音もなく敵を葬り去ることができる。


■発売元:アイドス・インタラクティブ
■価格:8800円(2001年3月23日発売)
■問い合わせ先:アイドス・インタラクティブ TEL 052-775-8380 ■動作環境:Windows 9x/Me,PentiumII/300MHz以上(PentiumIII,Athlon以上推奨),メモリ64MB以上(128MB以上推奨),空きHDD容量500MB以上
■日本語デモ版(40.15MB):http://file.4gamer.net/old/patch/ProjectIGIDEMO.exe
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