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NBA ライブ 2001

Text by デイビー日高
30th May.2001

クリックすると拡大します クリックすると拡大します  ベースボールやフットボールと並んで,アメリカ4大スポーツのひとつ"バスケットボール"。エレクトロニック・アーツ・スクウェアの「NBA ライブ 2001」(以下,ライブ2001)は,そのバスケットボールを題材にしたスポーツゲームだ。開発元はスポーツゲームを作らせたら「世界一ィィィ!」のEA Sportsなので,完成度は文句ナシ。ちょっと平面的な印象を受ける前作"NBA ライブ 2000"と比較すると,ライブ2001ではテクスチャや陰影のつけ方が立体的となった。とくにNBAプレイヤー"ケビン ・ガーネット"をモデルに,モーションキャプチャで取り込まれたリアルな動きと,フル3Dアニメーションエンジンを駆使したなめらかな動作は,実際のTV中継と見紛うほどのレベルにまで達している。状況によって変化する選手の表情にも注目だ。
 もちろんアメリカプロバスケットボールリーグNBA公認で,登場する全29チームの選手や,スタジアムはすべて実名となっている。

ルールを知らなくてもバスケットを堪能できる

クリックすると拡大します  すべてのスポーツにはルールがあるので,それをキチンと把握しなければゲームとして成り立たない。仮にプレイできたとしても,ワケがわからないうちに反則を取られてしまって負けたりして,お世辞にも楽しんでいるとはいえないだろう。
 しかしライブ2001は"トラベリング"(ボールを持った状態で3歩以上歩く)の反則と"ボールをコート上から出さない"くらいの最低限のルールさえ知ってさえいれば,十分に楽しめてしまうのだ。選手の移動はカーソルキーで,パスはCtrlキー,シュートとジャンプはShiftキー(押しかたで使い分けられる)という,いたってシンプルな操作性が特徴といえるだろう。
 もちろんゲームパッドにも対応しているので,これらのキーを自分が使いやすいボタンに割り当てることで,コンシューマゲームのような感覚でコンビネーションパスのような複雑な操作も行なえる。ライブ2001では最大6個のキー(前述の2個に加えて,ピボット,ダイレクトシュートなど)を使用するので,ぜひ6ボタンゲームパッドを用意してプレイしてもらいたい。適当な操作だけでも,選手たちがド派手なプレイを見せてくれて実にキモチイイのだ。

 また,バスケットボールは1チーム5人で行われるので,プレイヤーが操作している選手以外はAI(コンピュータ)が管理している。AIというとなんか頼りなく思ってしまいがちだが,ライブ2001に関してはまったくそんなことはない。いろいろな場面を想定してAIスクリプトが作成されているのか,たとえプレイヤーが操作する選手がハチャメチャな動きをしても,そのほかの4人がしっかりとフォローしてくれるのだ。バスケットボールのフォーメーションをまったく知らない初心者でも,ボロカスの大差で負けるなんてことはめったにないほどなのである。

やはりキレイだ! 恐るべしEA Sports

クリックすると拡大します  サッカーやフットボールなど,ほかのEA Sportsシリーズに当てはまることだが,本作のグラフィックスも格別に美しい。冒頭でも述べたように,テクスチャや陰影のつけ方に工夫を凝らして,前作と比較してみても格段に向上しているのだ。用意されている解像度は,最大1280×1024ドット・16ビットカラーから,640×480ドット・16ビットカラーまで。最低解像度で表示させた場合でも,選手の顔が判別できるほど描き込まれているのは特筆に価するだろう。もちろんすべての選手がキッチリ描き分けられている(しかも結構似ている)ので,スーパースターを操れるといった点でNBAファンにはたまらない。
 また,ライブ2001の特徴は美麗なグラフィックスだけではない。カメラアングルを切り替えてプレイすることでTV中継のような景色が展開され,さらに深くゲームにのめり込めるようになっているのだ。"オーバーヘッド" "サイドライン" "ワイヤー" "フォロー" "クラシック" "プレス"の6種類のアングルが用意されていて,スポーツゲームの中では比較的多いほうだ。まぁ実際にはコートを斜め上から見下ろしたアングルのワイヤー(デフォルトのアングル)は,プレイしやすいので,しばらくはこのアングルを選択しておくのが無難。ある程度慣れてきたらほかのアングルを徐々に試していくのがいいだろう。
 ほかにオススメなアングルは,"オーバーヘッド"と"プレス","フォロー"の三つ。まずオーバーヘッドはその名のとおり,真上から見下ろすもの。実際のテレビ中継で,ゴールの瞬間などを捉えるときに使われるアングルで,選手の位置が把握しやすい。次にプレスはテレビ中継席(コートのセンター)から見ているようなアングルで,選手の視点の高さで試合の迫力を十分に感じ取れる。最後のフォローは選択している選手の後方から前を見た視点(FPSのGhost視点といった感じ)だ。「遊びやすさ」で考えるとワイヤーが最適だが,たまには違ったアングルで遊んでみるのもいいだろう。

六つのゲームモードを搭載

クリックすると拡大します  ライブ2001にはゲームモードが6種類用意されているのもウレシイところ。実際のNBAと同じ日程で試合を消化してチームを優勝に導いていく"シーズンモード"と,チームのマネージャーとなって複数シーズンを戦い抜く"フランチャイズモード"が,ライブ2001でメインとなるゲームモードだ。フランチャイズモードでは,選手のトレードだけでなく,プレイヤーが新規にオリジナル選手を作成することも可能だ。自分好みのNBAプレイヤーだけを集めたスペシャルチームを作ってみるのも楽しいだろう。
 ほかにもシーズンの優勝決定戦だけを楽しめる"プレイオフモード"や,アーケードゲームのように好きなチームを選択して,コンピューターやほかのプレイヤーと1台のPCを使って数試合を対戦する"エキシビジョンモード","ストリートバスケ"ライクな屋外のコートでの"1on1モード"など,ライブ2001を遊び尽くせるようなゲームモードも用意されている。
 もちろんLANやインターネットを介して他のプレーヤーと対戦できる"マルチプレイヤーモード"もある。腕を磨いてAIでは物足りなくなってきたら,マルチプレイで華麗な技を披露するのもなかなか楽しい遊び方だ。

 ライブ2001では,"マイケル ジョーダン"がレジェンドチームや1on1モードで登場するだけでなく,'50年代〜'90年代の往年の名プレイヤーたち約300名がスーパーテクニックを披露してくれる。豊富な選手データ(2000年9月時点)や充実したオプション項目によって,NBAファン必携の1本に仕上がっているだろう。公式Webサイトにはモーションキャプチャーやモンテル・ジョーダンのインタビューのムービーファイルが掲載されているので,これも合わせて観てほしい。気分転換にサクッと楽しむこともできるライブ2001は,スポーツゲーム好きはぜひ遊んでみてほしい秀作である。

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■発売元:エレクトロニック・アーツ・スクウェア
■価格: 7980円
■問い合わせ先:エレクトロニック・アーツ・スクウェア
 TEL 03-5436-6499
■動作環境:Windows 9x/Me,MMX Pentium/200MHz以上(PentiumII/450MHz以上推奨),メモリ32MB以上,空きHDD容量100MB以上(350MB以上推奨), DirectX 8.0以上
■デモ版(53MB):http://www.3dfiles.com/games/nbalive2001.shtml

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