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メサイヤ
Text by UHAUHA
20th Oct.2000

クリックすると拡大します  科学と宗教が融合した世紀末的世界を舞台に,おむつを付けた神の使い「ボブ」が繰り広げる3Dアクションゲーム「メサイヤ」。ボブに与えられた使命は,「人々を暴力と恐怖によって支配する悪の組織『武装警察COPS』の恐怖から人々を解放すること」だ。


異様に弱い主人公
 メサイヤがほかの3Dアクションと違うのは,ボブ自身が攻撃する能力を持っていないこと。攻撃を受けるとアッサリ死んでしまう軟弱な体なのだ。このゲームは,ただの「Quakeモドキ」などと思わないほうがいい。似て異なるゲームなのだ。撃って撃って撃ちまくっても,なんら状況はよくならない。
 ではどうやってゲームを進めるのか? 彼には「憑依(ひょうい)」という力があるのだ。簡単にいえば,生き物に乗り移って身体を支配する能力だ。支配して,その生き物の能力をフルに使えるということ。
 しかし,そこらで適当な人間に憑依するだけでは話は進まない。その状況に応じて憑依する人間を選ぶ必要があるのだ。これがメサイアの大きな特徴。科学者でしか越せない場面,警備員でしか越せない場面……その都度憑依を繰り返して,状況に合わせた身体を手に入れることが重要だ。

クリックすると拡大します クリックすると拡大します  もちろん簡単に憑依できるほど甘くはない。憑依対象の本人に見つかることは言わずもがなだが,憑依する瞬間を目撃されるのもNG。例え成功したとしても不審者となってしまい,仲間からも攻撃を受けることになるのだ。いかにうまく,見つからずに憑依できるかがポイントといえるだろう。
 ちなみに憑依した人間の武器は自由に使えるので,そこで初めて展開がQuake系アクションゲームとなってくる。普通の銃からマシンガン,火炎放射器などを調達しながら進んで行こう。不用意に武器を構えると仲間からも攻撃を受けることになるので,慎重に行動すべし。


かなり異質なこの感覚
クリックすると拡大します クリックすると拡大します  撃ってればなんとかなる3Dアクションとは違い,メサイヤは"憑依"という行動自体がゲームを進めるうえでの大きなキーとなる。憑依するキャラクターを殺してしまうことはむろん,間違えるだけでも先に進めないことがある。一つひとつの行動は,極めて慎重に。戦いながら進むのか,戦いを避けて進むのか,それはすべてプレイヤー次第なのだ。
 ステージ構成自体もパズル的要素を多く含んでいて,難易度が非常に高い。簡単に先に進ませてはくれないのは当然のこと。もし途中で詰まってしまったら,自分の置かれている状況をよく把握して何をすればよいのか考えてみよう。必ず道は開けるように作られている。単に難しいだけではプレイヤーの気持ちは離れてしまうが,メサイヤは,難しさゆえの面白さを引き出す絶妙なゲームバランスをもっているのだ。アクション,タイミング,そしてパズル的思考――この三つが重なり合った名作(迷作?)といえよう。
 とはいえ,「難易度が高いが面白い」なんていわれても,言葉ではなかなか伝わらないもの。実は難しすぎてイラつくことも多いのだが,答えに気付くと「おぉ,なるほど」と思って,すっかり苦しみを忘れて次が見たくなってしまう。
 ぜひデモ版をプレイして,自分の目で判断してほしい。最近のアクションゲームはヌルいと思っている人にこそお勧め。見かけとは違い,撃ちっぱなしアクションゲームとは違う世界が開けているのだから。
■発売元:ズー
■価格: 8800円
■問い合わせ先:ズー
  TEL 0268-38-1561
■動作環境:Windows 95/98,MMX Pentium/233MHz以上(PentiumII/300MHz以上推奨),メモリ64MB以上
■英語版デモ(70MB):http://www.zoo.co.jp/games/messiah/f_du.html
Messiah © 1999 Shiny Entertainment, Inc. All rights reserved. Messiah is a trademark of Interplay Productions. Interplay, the Interplay logo, and "By Gamers. For Gamers." are trademarks of Interplay Productions. All rights reserved.