Back
Max Payne
Text by 朝倉 哲也
7th Aug.2001

 世界中の3Dアクションゲームファンの話題を独り占めしていた,Remedy Entertainmentの「Max Payne」(以下,Max)。最近のアクションゲームの中では実に前評判が高く,forGamer.net編集部内でも早くプレイしてみたいゲームの筆頭に上げられていたのだが,3年の開発期間を終え,ついに発売された(日本ではピーアンドエーより,2001年8月10日発売予定となっている)。

シンプルかつワイルドなゲーム展開

クリックすると拡大します クリックすると拡大します  ニューヨーク市警の刑事だったマックス・ペインは,Valkyrと呼ばれる麻薬の中毒者に殺された妻と子供のカタキを取るためDEA(アメリカ連邦麻薬取締局)に転属し,Valkyrを売りさばいているマフィアを追いつづける日々を送っていた。だが敵の策略により警官殺しの濡れ衣をかぶせられたマックスは,殺人鬼として警察から追われながらも,麻薬の元締めであるマフィアをじょじょに追い詰めていく。しかし思いもよらぬ真の巨大な敵の姿をマフィアの背後に見出したマックスは,絶望的な復讐へとただ一人ひた走るのであった……というハリウッドの刑事モノ映画にありそうなストーリー(映画,TVムービーとして銀幕にデビューすることになったようだ。ストーリーや配役などは不明)となっている。
 舞台となっているのは,ニューヨークの裏町や地下鉄,いかがわしいクラブなど雰囲気満点。途中行く先が分からなくなったり,手に入れなければならないアイテムが見つからなくて,あちこちを探し回るというようなことはほとんどなく,ゲームの展開は実にシンプルだ。このあたりを一本道の単調なストーリーと見るか,無駄を省いたスピーディなゲーム展開と見るかで本作のイメージは大きく変わってくるだろう。個人的には,話の展開もゲーム進行もズンズンと先へ進んでいけるので,大変気に入っている。

映画Matrixのようなアクション

 さて,本作を語るうえで忘れてはならない,Max最大のセールスポイントが"Bullet Time Mode"だろう。これはゲーム中の好きなところで,ゲーム内の時間をスローモーションに切り替えてしまう機能のことだ。
 Bullet Time ModeをONにすると,主人公マックスのものと思われる心臓の鼓動のような音がドックン……ドックン……ドックン……と聞こえて来ると同時に,突如として自分も含めたありとあらゆるものの動きが遅くなるのだ(飛んで来る銃弾を見ることができるほど)。この状態で横っ飛びしながら両手に構えたベレッタを撃ちまくったりすると,映画の"Matrix"かジョン・ウー(トム・クルーズ主演のハリウッド映画"Mission Impossible II"の監督で,二挺拳銃と横っ飛びしながらのガンアクションの演出が代名詞)のアクション映画かというくらい実にカッコいい。横っ飛びのほかにも,前方に飛び込みながら,あるいは後方に飛び退がりながら銃を撃つこともできる。ただし無制限にできるわけではないので,カッコいいからと多用していると,肝心なとき(敵の数が多いときなど)に使えないということになりがちだ。本作のウリであるこのBullet Time Modeでのアクションはなかなか難しく,多少の慣れが必要になるだろう。チュートリアルが用意されているので,そこでたっぷりと練習して自在に動けるようにしておくと,ゲームが進めやすくなるはずだ。

★ これがマックスの横っ飛び! ★
クリックすると拡大します クリックすると拡大します クリックすると拡大します
★ これがマックスの前方飛び込み撃ちだ! ★
クリックすると拡大します クリックすると拡大します クリックすると拡大します
★ ちなみに,これが横っ飛び避けだ! ★
クリックすると拡大します クリックすると拡大します クリックすると拡大します

 ところで発売前に話題になったゲームの"重さ"だが,意外と軽く動作するのは嬉しいかぎり。筆者のPC環境はWindows 98SE,Celeron/466MHz,メモリ256MB,GeForce256という,現在ではハイスペックとはいえないような環境ではあるが,1024×768ドット,16ビットカラー,グラフィックスオプションなどはすべてデフォルトという設定で,プレイにほとんど支障のない速度で動いている(敵の数が増えるとカクつくことがあるが,3人くらいまでなら問題なし)。このへんの感覚は個人差があるので一概に言い切れないところではあるが,最新の環境でなくとも楽しめることは事実だろう。

クリックすると拡大します クリックすると拡大します  なお,ピーアンドエーから発売されるMaxは日本語マニュアル付き英語版となっており,日本語へのローカライズがなされていない。そのため,ある程度の英語力がないと,せっかくのシリアスなストーリー展開を追い切れなくなってしまうことがある,この点を考慮してか,ピーアンドエーでは製品発売後に自社公式サイトにおいて,ゲームの背景説明や会話などのシーンを日本語に翻訳して公開する予定があるという。どの程度まで翻訳してくれるかは分からないのだが,スラングが飛び交い,学校で習うような英語では意味の分からないようなところもあるので,この試みには期待したい。

 映画のようなストーリー,スピーディなゲーム展開,"Bullet Time Mode"による斬新なアクション。英語版であるという点を考慮しても,アクションゲームファンにはお勧めといってよいだろう。開発元Remedy Entertainmentによれば,製品発売後にデモ版をリリースする予定となっているので(本稿執筆時点では未リリース),まずはデモ版で体験してみてほしい,きっと気に入るはずだ。

クリックすると拡大します クリックすると拡大します クリックすると拡大します クリックすると拡大します
クリックすると拡大します クリックすると拡大します クリックすると拡大します クリックすると拡大します

■発売元:ピーアンドエー
■価格: 8800円
■問い合わせ先:ピーアンドエー TEL 042-525-9501
■動作環境:
最低動作環境
Windows 9x/2000/ME,Pentium II/450MHz,メモリ96 MB,Direct3Dをサポートする16MB以上のメモリを搭載したビデオカード
標準動作環境
Windows 9x/2000/ME,Pentium III/700MHz,メモリ128 MB,Direct3Dをサポートする32MB以上のメモリを搭載したビデオカード
推奨動作環境
Windows 9x/2000/ME,Pentium III/1GHz,メモリ192 MB,Direct3Dをサポートする64MB以上のメモリを搭載したビデオカード
■ムービートレイラー:
Max Payne Movie(MOV:3.7MB) Max Payne E3 Movie(MPG:47.4MB)

Max Payne and the Max Payne logo are trademarks of Remedy Entertainment, Ltd. 3D Realms Entertainment and the 3D Realms logo are trademarks of Apogee Software, Ltd. Remedy and the Remedy logo are trademarks of Remedy Entertainment, Ltd. Godgames and the godgames logo are trademarks of Gathering of Developers, Inc. All other trademarks and trade names are properties of their respective owners. c 2001 Remedy Entertainment, Ltd. and 3D Realms Entertainment. All Rights Reserved.