Kingpin：Life of Crime
背徳と裏切りの渦巻く街を舞台にした，裏のサクセスストーリー，それが「Kingpin：Life of Crime」（以下Kingpin）だ。アメリカのとあるスラム街，プレイヤーはそこに巣食う暴力組織の一員だが，自らが組織のトップになるべく行動を開始する。行く手を阻むものには容赦のない死を与え，やがて裏の世界を牛耳るKingpin（＝スラングで親分，ボスのこと）を倒し，自らが新たなKingpinとなることで，この裏のサクセスストーリーは完結する。 "金"は天下の周り物？ 
ほかのFPS（一人称アクション/シューティング）にはないKingpinの特徴として，"金"の存在がある。武器を手に入れるには，倒した敵から奪うこともできるのだが，武器密売を行っている店があり，そこで金さえ払えばあらゆる武器・弾薬を手に入れられるのだ。そこでまずお金は必要というわけ。また，酒場や街角などにたむろしているNPC（＝ノンプレイヤーキャラクター。PC操作のキャラクターのこと）と交渉して金を払うことで，自分のボディガードとして雇うことができる。雇ったキャラクターはPCが操作するが，ある場所に残しておいてそこを守らせることや，自分の後ろに待機させて積極的に攻撃させるなどの指令を与えることができるので，意外と頼りになる存在だ。もちろんダメージを受けすぎると死んでしまうので，あまり無謀に突撃させるのも考えものだが。 ちなみに"金"は，倒した敵から奪うことでしか手に入らない。死体のポケットを探るという冒涜的な行為でのみ手に入れられるので，死人に金は必要なし，と割り切って積極的に漁っていこう。 この暗さが，また…… 
システムとしては，グラフィックス描画にQuake IIエンジンを使用。暗めの色を使うことで，画面全体にダークで薄汚れた感じをうまく出すことに成功している。BGMには，アメリカのHIPHOPグループ"サイプレスヒル"を起用し，独特のグルーブ感を醸し出している。また，これは最大の注意点だが，KingpinはOpenGL専用ゲームなので，対応ビデオカードが搭載されていないと動作しないので注意が必要。自分のPCスペックの詳細が分からない場合は，ピーアンドエーに問い合わせるのが一番確実だろう。もちろんシングルプレイだけではなく，インターネット/LANでのマルチプレイにも対応している。BAGMANと呼ばれる，お金を取り合うチーム戦はぜひプレイしてみてもらいたい。殺しあうだけのデスマッチとは一味もふた味も違ったマルチプレイが楽しめるだろう。 やれSFだ，やれファンタジーだ，という時流のFPSとは一味も二味も違うゲームが，このKingpin。暴力描写がちょっとキツいが，違った雰囲気のゲームを楽しみたいときには最適だといえるだろう。
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