マイクロソフト クリムゾンスカイ
Text by トライゼット 西川善司 15th Oct.2000
空飛ぶインディジョーンズ? トゥームレイダー空中版?
マイクロソフトが放つ軽快アクションゲーム「クリムゾンスカイ」。プレイヤーが扮するは,女好きで二枚めの「空賊」ネイサン・ザッカリー。ならず者を従えて,大空を舞台にトレジャーハンティングや賞金稼ぎを営む毎日。時代背景は,我々の時空とはちょっとズレた歴史を歩む1930年代。キャラクター設定やストーリーから受ける印象は,まさしく「空飛ぶインディ・ジョーンズ」といった感じ。
画面の見た目がフライトコンバットものに見えるので「この手のは苦手!」と敬遠してしまうゲーマーもいそうだが,私はあえて声を大にして言いたい。「クリムゾンスカイは,普段フライト物をやっていないゲーマーにこそお勧めしたい」と。
大体においてフライトには,「難しい」「マニアック」という印象があるが,クリムゾンスカイをプレイするにあたっては,ミリタリーとか航空力学とかそういう系統の知識は不要だ。ものすごい暴言になってしまいそうだが「プレイ感覚はトゥームレイダーを空中でやっている気分」なのだ。
操縦はフライトものにしてはとてもシンプル(まぁジョイスティックは必須かもしれないが)。トリガー1で機銃,トリガー2でロケット弾(ミサイル),スロットルで速度調整。余裕があれば,ラダー(方向舵)や視点切り換えをマッピングするとプレイしやすくなるかもしれないが,基本操作はこれだけでOK。昔懐かしの「アフターバーナー」にちょっと毛の生えた程度の簡単操作でプレイできてしまうのだ。
まずはキャンペーンモードをネイサンになりきってプレイ
ゲームは,基本的に常に飛行機に乗った状態で進行する。出てきた敵を撃ち落としたり,目的地まで飛んだり,といった単純な行動だけでストーリーは進行していくが,それが実に映画的,ドラマチックなものだから,プレイヤーはヒロイズムのどつぼにはまり,身動きできなくなってしまうのだ。よく考えてみれば,トゥームレイダーだって行ったり来たりしてスイッチを押すだけのゲーム(暴言?)。見せ方やイベント,トラップなどの配置がうまいから楽しかったわけで,クリムゾンスカイはフライトものにあの面白さをフィーチャーした……という感じなのだ。
ちょっと序盤のストーリー展開を紹介しよう。
主人公ネイサンの率いる空賊は,ハワイ諸島のある小島に眠る秘宝の情報を入手し,これを探す冒険に出ることになる。最初のミッションでは,島にある3か所の遺跡を探査するのだが,その途中で英国軍の駐屯基地を発見。ネイサン達一行の姿を見るや攻撃を仕かけてくる。英国軍もその秘宝を狙っていたのだ。
ここで,壮大な映画音楽調の大アンサンブルをバックに空中戦が勃発。敵の女性エースパイロット,メデューサとの顔合わせ。同時に迫り来る飛行船型巨大空中戦艦。苦戦するも勝利を収めたネイサン達は,そのあと,この空域の索敵を決行。秘宝の島から少し離れた孤島に,巨大な英国軍の巨大基地を発見する。
ネイサンは,秘宝を手にするのに障害となりうる敵の拠点をまず初めに叩くことを決意。あわよくばその基地を乗っ取って自分達の補給地点にしてしまおうという,無謀とも思える作戦を立案する。ネイサン達の奇襲攻撃に対応が遅れた敵基地は壊滅,作戦は見事成功を収め,英国軍の敵爆撃機の乗っ取りにも成功する。
喜びに明け暮れるネイサン達だったが,基地が占拠されたことを知った英国軍は最新兵器「潜水空母」を導入してネイサン達を排除しようとしてくる。ネイサン達は秘宝を手に入れることはできるのか。英国軍との戦いの行方は? メデューサとの決着は……?
……とまあ,こんな感じで「これがフライト物のストーリー進行かよ」というくらいの熱さでゲームは進んでいくのだ。
クリムゾンスカイは,最近のゲームなのでもちろんネットワーク対戦にも対応しているが,絶対1人用のキャンペーン(シナリオ)モードを先にプレイしていただきたい。マルチプレイはおまけ,シングルプレイこそがこのゲームの真骨頂である……ということを,私は強調しておく。
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