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ハーフライフ:カウンターストライク−正式ライセンス版
Text by TAITAI
6th Apr.2001

世界で最も人気のあるFPSゲーム
クリックすると拡大します  米国の主要PC雑誌「PCGamer」などを含む40誌で,'99年度「Game of the year」を受賞し,海外で非常に高い評価を受けている「ハーフライフ」
 そのハーフライフにはいくつものMOD(ユーザーが作る拡張ゲームのこと)が登場してきたが,数あるMODの一つに過ぎなかった「カウンターストライク」(以下CS)は,長いテスト期間とユーザーの意見を取り入れながら次第に成熟し,ついにはFPS系プレイヤーの圧倒的支持を得るに至った
 そしてCSは,MODでありながらもそのあまりの人気の高さ(そして完成度の高さ)から,開発元であるValveのバックアップを受け,公式MDOとして認定されたのだ。完成度は文句なしのお墨付きといえるだろう。順調にプレイヤー数も増えていき,その高いゲーム性と数々の趣向により,いまや"No.1オンラインシューティング"の座を確固たるものにしているといっても過言ではない。
 さらにCSは国内でもプレイヤーが急増しており,それに押される形で国内のサーバー数が激増。英語圏の人とではなく,国内のプレイヤーと遊べる環境が既に整っているのだ。

 そんなこんなで,今現在,筆者が一番お勧めしたいオンラインゲーム,それがこの「カウンターストライク」なのである。ちなみにサイバーフロント「カウンターストライク」は,"ハーフライフ+MOD版カウンターストライク"という由緒正しい(?)構成になっていない。カウンターストライクのみが遊べるバージョンになっているのだ。本体部分であるハーフライフを押しのけて表に出てくるというのも,世界的人気のなせるワザ,か。
 もちろん特殊なパッケージングだからといって心配することなど何もない。ワールドワイドで販売しているものだし,ほかのCSプレイヤーとまったく同じように遊べる。オリジナルの「ハーフライフ」にさほど興味がないのなら,初心者用の特別なトレーニングミッションがついたこのパッケージ版(リテイル版と呼ぶ)を買うべきだろう。特殊な日本語化などもしていないので,頻繁に登場するパッチなども問題なくあたるのだし。

リアルさとゲーム性の絶妙なバランス
クリックすると拡大します クリックすると拡大します  さてさて,"とにかく凄いゲームなんだ"ということをざっと説明したところで,次はこの作品の概要を説明していきたい。
 CSは,チームベースの3Dアクションシューティングゲームだ。プレイヤーは「テロリスト」と「カウンターテロリスト」(対テロ特殊部隊)の二つのチームに分かれ,人質救助や目標物の爆破,要人の護衛など,さまざまな対戦をオンライン上で楽しむことができる。
 なおCSは,基本的にはリアル指向のゲームだ。プレイヤーが使用する銃器は実在する物だし,QuakeやUnrealのようなゲームとは違い,上手なプレイヤーに弾を当てられればほぼ即死である。この点,以前に発売された「Rogue Spear」などのミリタリー系ゲームに近い。しかし,このCSがそのようなゲームと全く異なるところは,それがリアル指向的な要素を含みながらも徹底した「ゲーム性重視」にあるところだろう。
 リアル指向から得られる,即死の恐怖感や息を潜めてチャンスを覗う緊張感,そして,それらを上手く残したまま追求された"遊びやすさ"との絶妙なバランスが,CS最大の特徴なのだ。

チームプレイが面白い!
クリックすると拡大します  ネットゲーム慣れしている読者は,今時「チームプレイ」という言葉を用いても,それほど魅力的な響きには聞こえないかもしれない。しかし,このCSの魅力を語るにあたり,あえてこの言葉を使わせてもらいたい。
このゲームは,チームプレイが面白いのだ。
 いや,チームプレイだから"こそ"面白いと書き換えてもいいだろう。
 CSは,死んでは生まれ,生まれは死んで,と時間内にただひたすら殺し合うようなシステムではなく,ラウンド毎に一回死んだら終わり,というラウンド制を採用している。ゲームを短い時間のサイクル(主に3〜5分)で区切り,両陣営が勝ったり負けたりを繰り返しながら,ゲームが進んでいくのである。
 一回死んでしまうと,プレイヤーは次のラウンドまでは参戦できない。それが死に対するイメージを強くし,淡々とした殺し殺される展開から,より手に汗握る展開へと昇華させてくれるのだ。
 早くに死んでしまったら面白くないじゃないか! 確かに,それは全くもって正しい。だが,死んでしまってもプレイヤーは幽霊としてその後のゲーム展開を観戦することができ,また死んでしまったプレイヤー同士でワイワイとチャットすることも可能だ。ほかのプレイヤー達の失敗や成功,カッコイイ動きや失笑モノの動きなどを観戦しながら盛り上がるチャットもまた楽しいものだ。

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 さらにCSには,プレイヤー同士の意思疎通を円滑に行えるように「RADIO」と呼ばれる通信コマンドが用意されている。これを使うことで,ゲーム側に用意されているWAV音声が再生され,味方にいろいろな情報を伝えることができるのだ。考えればすぐ分かることだが,高度なリアルタイムアクション操作が要求されるこの手のゲームでは,プレイ中に仲間とチャットで意思の疎通を図るなど,土台無理な話なのである。そういう意味では,「RADIO」コマンドはとても有り難いばかりでなく,必要不可欠のシステムといえるかもしれない。
 また,この「RADIO」コマンドを使いこなすことによって,ちょっとした「軍人さんごっこ」を堪能することができる。例えば,
A.「Enemy Spotted(敵を発見した)」
A.「Need Backup(援護してくれ)」
B.「Affirmative(了解)」

など,全部で20種類用意されたメッセージをこんな感じで組み合わせることで,味方と連絡を取り合えるのである。
 初めのうちは目の前の敵を殺すことだけに注意力がいってしまい,なかなか通信にまで気を配る余裕もないのだが,ゲームに慣れてくるとこの「RADIO」が実に面白い。気分はもう,特殊部隊の隊員なのだ。

 

"FPS初心者"にこそお勧めしたい傑作
クリックすると拡大します  FPS(First Person Shooter)というと,とにかくハードルが高い印象が付きまとってしまう。「初心者が入っても殺されるだけだしなぁ……」「3Dは酔うしなぁ……」など,不安要素が多いのは事実だろう。だが,そんな弱音を吐いているゲーマーの人にこそ,自分はこのCSをお勧めしたいのだ。  白状すると,自分もこのCS以外のFPSはあまりやり込んだことがなかった。第一に,これまでのFPS系ゲームではすぐに酔ってしまい,ゲームプレイどころではなかったのである。
 しかしCSは違った。それほど高速で動き回ることがないせいか,そんな筆者でも酔わずにゲームに没頭できた。なにより,初心者も楽しみやすい"遊びやすさ"がずば抜けている。これは,"敵としての人間"ではなく"味方としての人間"を感じることのできる,CSが持つ性質のおかげかもしれない。
 自分が例え下手糞でも,上手い味方のプレイヤーが奮戦し,チームを勝利に導いてくれたことも多かった。そう,CSではプレイしながら「味方をお手本にしていく」ことで,必要な知識と技量をそれほど労することなく獲得していけるのだ。これは,他プレイヤーを観察することが難しいほかのゲームとは明らかに違う点ではないだろうか。
 独特の「お買い物システム」などの楽しみもあるし,その他の細かい点もユニークで素晴らしいアイデアに満ちている。

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 PCゲーマーの気になる動作環境についても少し触れておこう。元々のハーフライフが若干古いゲームだということもあり,ただただ「非常に軽い」の一言である。
 参考までに例を挙げると,我が家のセカンドPC(PentiumII/300MHz,Voodoo Banshee,メモリ128MB)でも,OpenGLで動作させれば,激しい銃撃戦時は厳しいものの,まず問題なく遊べるレベルである。スペックが気になっている人でも安心だろう。
 ただ,通信回線はできればISDN以上がよい。アクションゲームだけあって,モデムではちょっとばかり厳しいのだ。

 最後に繰り返しになるが,この手のジャンルを敬遠してきたゲーマーの人にこそ,この機会にぜひトライしてもらいたい。これは,一度は経験してみないと損。買いだ。
 なお,初心者はまずkonto氏の「カウンターストライクスクール」なる超有名Webサイトに,一通り目を通しておいたほうがいいだろう。最初は理解できないことも多いだろうが,そんなものはプレイして慣れていくうちに学べばよいのだ。
 ちなみに,CS1.1のパッチ関連ファイルはforGamer.netにもすべてUpしてあるので,海外接続がどうにも重い人は,ぜひどうぞ。詳細は「こちら」

 

■発売元:サイバーフロント
■価格:5800円
■問い合わせ先:サイバーフロント TEL 052-779-6549
■動作環境:Windows95/98/NT4.0,Pentium 133MHz(PentiumII/333MHz以上推奨),メモリ24MB以上(64MB以上推奨),空きHDD容量:400MB以上
■英語版デモ(48.2MB:ただしHalf-Lifeのデモ版):http://www.sierra.com/demos/preview/0,1690,2117,00.html

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