プチコプター with Compact Flight Controller for USBText by UHAUHA プロポ型ジョイスティックで家の中を飛び回れ!!「GIN-YOKU -銀翼-」「エクストリーム エアレーシング」など,フライトシミュレータでも定評のあるアクアシステムが放つ「プチコプター」。卓上ラジコンヘリを使い,さまざまな課題に挑戦する本作は,どちらかといえば「エアフィックス ドッグファイター」のようなシミュレータ+アクションゲームに仕上がっている。実はプチコプターは2001年5月に発売されていて,ソフトやプロポ型ジョイスティックが同梱されたパックを店頭で見かけたことのある人も多いと思う。ゆえに「何を今更……」と思われてしまうかもしれないが,先日新型ラジコンプロポ型ジョイスティック"Compact Flight Controller for USB"(以下,CFC)が発売になり,プチコプターとCFCの同梱パックも発売になった。というわけで,このレビューでは室内を卓上小型ラジコンヘリで飛び回るという,一風変わったアイデア満載のプチコプターと,新型CFCの使用感など紹介していこう。 熱くなれるミニゲームと家探索モード
プチコプターには,"チャレンジモード"と"アドベンチャーモード"の二つのゲームモードが用意されている。 アドベンチャーモードでは,好きなヘリコプターを使い,一軒家のいろいろな部屋の中にある「☆」をすべて(合計100個)集めるのが目的だ。☆は部屋の中に浮いているだけではなく,椅子とテーブルの隙間,壁際,コップとコップの間など,かなり意地の悪いところにも配置されている。また,隠されているものも多数あり,ステレオの電源を入れる,パソコンの電源を入れる,エアコンを作動させる(風に注意!!)など,アクションボタンを使うことで出現する☆もある。 どちらのゲームモードも,進行状況によりおまけゲームやヘリコプターが追加されるので,気合を入れて挑戦したいところだ。 画面から伝わる見事な浮遊感,操作も本物同様だプチコプターの要でもあるラジコンヘリの挙動に関しては,画面上から伝わってくる浮遊感が素晴らしく,あたかも本当にラジコンヘリを操作しているような錯覚に陥る。決して大袈裟にいっているのではなく"マジ"だ(笑)。さすがフライトシミュレータで定評のあるアクアシステム。実際にラジコンヘリを飛ばす者から見ると気になる部分もあるが,挙動などについては十分リアルといってもいい。申し分ないデキだといえるだろう。 操作は本物同様にエレベータ(機体を前後に傾ける),ラダー(機体を左右に向ける),スロットル(上昇/下降),エルロン(機体を左右に傾ける)を操作して行う。実物のラジコンヘリの経験者でないと想像できない部分でもあるが,ヘリコプター特有のメインローターが回転すると,機体が反対方向に回ろうとする"反動トルク"の再現など,しっかり再現されている。挙動はオプションでEASY,REAL,RCと3種類に変更できるが,EASYでは反動トルクは殆ど(まったく?)なく,比較的簡単にコントロールできるのに対し,REALでは本物のヘリコプターを,RCではラジコンヘリの挙動に近くなり,更に反動トルクの影響も大きくなるので,エルロンやラダーなどを同時に操作して機体バランスを保つ必要がある。また,使用するヘリコプターによって挙動特性の違いも再現されているので,ヘリコプターを選択できるアドベンチャーモードでは,練習面などで自分にあったヘリコプターを見付けておくことも重要だ。 操作のコツとしては,スティックの扱いは,ゆっくり丁寧に行うこと。パニックになってしまったら,オートホバリング(姿勢安定)機能を使い,体勢を立て直すこと。オートホバリングは狭い隙間などに入っていくときにも役に立つぞ。活用すべし。 プロポ型ジョイスティックは必須だ
プチコプターはキーボードやジョイスティックでもプレイできるように作られているが,微妙な操作に加え,同時に複数の操作を行う必要があるため,一番操作しやすいのはやはりCFCだった。ラジコンプロポ用の高性能ボリュームを使った左右の4方向スティックで,右スティックではスロットル,エルロン,左スティックではエレベータとラダーを操作する。実際にラジコンヘリやラジコン飛行機で遊んだことがない人は,複雑な操作方法に少々戸惑うかもしれない。しかし少しプレイしてみれば,次第に考えなくても操作できるようになるはずだ。スティックのほかに上部に四つのボタンが付いているが,一番右側のボタンは4方向ハットスイッチも兼ねていて,視点切替などに便利だ。すべての軸にスライダートリムを装備し中心軸のズレの微調整なども可能で,正にPCに接続できる本物のプロポである。なおUSB接続になった新型CFCでは,スティックの反応を「リニア」「非線型」と切り替えることができる。持った感じはちょっと大きくて。慣れるまでは手が痛くなったが(笑),プチコプターをプレイするには,ぜひCFCでプレイしていただきたいところだ。 やればやるほど追加ゲームがほしくなるゲーム性小型卓上ヘリコプターとはいえ,ラジコンヘリというものを画面上で再現し,特有の浮遊感,操作感が見事に再現されている。シミュレーション性を重視しがちなジャンル(?)だが,あえてゲーム性も重視したことで,誰にでも手軽にプレイでき,さらに操作するラジコンプロポデバイスまで用意してくれたのは非常に嬉しいところ。不満な点があるとすれば,2種類あるゲームモードに,もうちょっとバラエティを持たせてほしかったところか。どうしても何度もプレイしていると単調な展開になってしまうので,チャレンジモードではミニゲームを,アドベンチャーモードでは別の家などをプレイしたくなってしまう。何度もプレイしたくなるゲームだけに,追加マップは強くお願いしたいところだ。 実際に本物のラジコンヘリをやっている人がプレイすると,挙動などに気になる部分があるかもしれないが,ゲームとして楽しみながらラジコンヘリというものをカジれる,そんなプチコプター。一人で楽しむもよし,大勢でワイワイと騒ぎながらやるもよし,ラジコンヘリに興味がある,ないを問わず,いろいろな人にプレイしてもらいたい1本だ。
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