エイリアン vs. プレデター 2

Text by 朝倉 哲也
16th Jan.2002

 ようやく御屠蘇気分も抜けてきた2002年1月18日,カプコンよりFPS(一人称視点3Dアクションシューティング)ゲームの話題作「エイリアン vs. プレデター 2」(以後,AVP2)が発売される。タイトルからも分かる通り,本作は1999年に発売された「Aliens vs. Predator」の続編で,開発元も同じMonolith Productionsとなっている。前作はゲームの主人公として,ハリウッド製SFアクション映画「エイリアン」「プレデター」に登場する宇宙人達を登場させたことで,かなり話題になったものの,"ゲーム途中でセーブできない"(後にパッチで修正された)"海外製PCゲームの普及度の低さ"などが相まって,一般的な人気を得るところまでは行かず,一部の熱狂的なファンを獲得したのみに止まってしまったと記憶している。
 本作AVP2は,前作の主人公達はそのままに,基本的には前作の延長線上にあるゲーム。しかしグラフィックスエンジンにLithTech2.5を使うなどその技術内容は大変進歩しており,まさに2002年の初頭を飾るにふさわしい,一級のFPSゲームとなっての登場となった。

個性的なプレイスタイルと絡み合うストーリーライン

死ね!死ね!死ね!死ね!……思わずそう叫びたくなる

 AVP2での最大の特徴は,シングルプレイにおいてプレイヤーキャラクターとして使用できるのが"スペースマリーン"(宇宙海兵隊員) "プレデタ−" "エイリアン"の3種類があるということ。まったくタイプの異なる3種類のキャラクターが,映画「エイリアン」「プレデター」をバックボーンとする一つのストーリーにそれぞれの視点から関わっていくのだ
 屈強の海兵部隊の一員としてとある惑星に派遣されたプレイヤーが,その惑星上で展開する巨大企業の陰謀に巻き込まれてしまうというスペースマリーン編。その巨大企業に捕らえられた仲間を救出する過程で,自分も捕まってしまうプレデターの決死の脱出劇となるプレデター編。巨大企業が生物兵器として養殖(たぶん,こういう言い方が一番分かりやすいのではないだろうか)実験に励んでいる中から偶然逃げ出したエイリアンとなるエイリアン編。この三つのストーリーが相互に絡まりあって展開するのである。
 スペースマリーンでは,落ちている武器・弾薬・アーマーを拾っては撃ちまくって血路を開いていくという,本作内で最もFPSゲームらしい展開となり,重火器による撃ちまくりを思う存分堪能できる。
 プレデターでは,クローキングと呼ばれる姿を消す機能を使用して,そっと近づいていき一撃で相手を仕留めるという暗殺者のような役どころを堪能することができる
 ほかとちょっと変わっているのがエイリアン。プレイヤーはフェイスハガーとよばれるカブトガニのような格好をした幼生体として,寄生する人間を探すところから始まる。やがて寄生した人間の体内で成長したところで宿主の胸を破って体外に出て,あとはひたすら成長を繰り返しながら,立派なエイリアン(?)として思う存分人間を殺戮していくことになる。エイリアンだけに兵器が一切使えず爪や牙が武器となるので,接近戦しかできないというかなりのハンデを背負っているものの,壁といわず天井といわずどんなところでも移動することができるので,天上にぶら下がって獲物を待ったり,垂直の壁を伝って上方へ移動したりとニンジャのような真似が可能だ。

エイリアンの卵。あまり近づくとフェイスハガーが飛び出すぞ ミサイル直撃! さすがに親玉エイリアンだけあって,一撃では死なない 対人間用の視界では人間が光って見えるので,遠いところにいてもすぐ分かる

シングルプレイが面白い!

宇宙一のハンター,プレデターの雄姿

 以上のようにどれも特徴的なキャラクターがそろったシングルプレイにおいて,一番怖いストーリーラインを味わうことができるのがスペースマリーンだ。SFアクションゲームで「怖い」というのはおかしく感じるかもしれないが,いきなり天井の通風孔を破ってエイリアンが襲ってきたり,エイリアンに寄生された隊員の体内からエイリアンの幼生が飛び出してきたり,暗闇の中から無数のエイリアンが這い寄ってきたりと,何かが起こる前から映画のようにBGMがだんだんと盛り上がってくるので「あぁ,来るなぁ……きっと出るぞ,これは……うわぁ,来るぞ来るぞ」と分かるのだが,それでも怖いのである。とにかく恐怖感の盛り上げ方などの演出が実に素晴らしい。心臓の悪い人にはお勧めできないほど怖い&びっくりするのだ(これはセールストークではない。本当に飛び上がるほどびっくりするシーンが多々あるのだ。周りに他人がいる中でのプレイは,「ビクッ」となって恥ずかしいので止めておこう)。筆者はスペースマリーンをプレイして,「ああ,こんなに怖いんだったらスペースマリーンには絶対なりたくないなあ」と本気で考えた(なれるわけないのだが)。
 半面,プレデターでは撃ちまくるような武器は一切用意されていず,ひたすら隠密行動に徹した静かなプレイを楽しむことができる(相手の首を一撃で切り落とすと低い声で「フォッフォッフォッ」と笑ってくれるのでぜひ試してもらいたい)。また映画でも登場した視界の切り替えができるようになっていて,ごく普通の視界のほか,人間が光って見える対人間用の温度感知視界(本当は何と呼ぶのか分からないのだ),暗闇でも見通す暗視視界,そしてエイリアンが光って見える対エイリアン用の視界をそれぞれ使い分けることができ,切り替え時の「シュッ」という効果音も映画そのままのものが使用されているようで超カッコいい。
 エイリアンでプレイしていると,壁や天井を移動しているときに,自分がどこを向いてどこに向かっているのかが把握しづらい。オマケに3D酔いが厳しいのだが,これっら2点を克服できれば面白いプレイをすることができる。爪や牙の攻撃は大変強力で,ほぼ一撃で息の根を止めることが可能なので,人間が群がっている中に飛び込んでいき,手当たり次第に肉隗に変えていく様は宇宙一の殺戮生物の名を実感できるだろう

1本で4つおいしいFPSゲームの傑作

 AVP2は,「スペースマリーン」「プレデター」「エイリアン」の三者三様のシングルプレイを十分に堪能することができ,マルチプレイにおいても,それぞれのキャラクターの特色を生かした戦いを楽しむことができる。1本で4回おいしい出色のFPSゲームに仕上がっているのだ。惜しむらくは日本語化されていないために,シングルプレイでストーリーを追いかけるのにそれなりの英語力が必要となってしまうことだが(逆に,海外のパッチをすぐ当てられるというメリットもあるのだが),マルチプレイがメインとなりがちなFPSゲームでありながら充実したシングルプレイを楽しむことができるので,根っからのFPSゲームファン以外にも,ぜひともプレイしてもらいたい作品といえる。2002年のゲーム始めは「エイリアン vs. プレデター 2」で間違いなく決まりだろう。

 なお,予備知識として映画を見ておくと一層プレイが楽しくなる。もしまだ見ていないなら,「エイリアン」「エイリアン2」「プレデター」「プレデター2」の4本を見ておくことを"強く"お勧めしておく。

エイリアンの移動速度は非常に早い。あっというまに近づかれる エイリアンの姿がよく分かるショットだが,むろんプレイ中にはそんな暇はない…… プレデターで首をはねた瞬間。これぞプレデターであることの喜び(?)というものだ
残された武器は,もはやピストルだけ。万事休す! 映画「エイリアン 2」でおなじみのシーン。もちろんチェストバスターが飛び出してくるところも同じだ 背景に見えるのは,映画「エイリアン」でも登場した異星人の遺跡

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■発売元:カプコン
■価格: 8800円(日本語マニュアル付き)
■問い合わせ先:カプコン TEL 052-760-0335
■動作環境:Windows 98/ME/2000/XP,PenriumIII/450MHz以上(PentiumIII/600MHz以上推奨),メモリ128MB以上(256MB以上推奨),空きHDD容量750MB以上(1.3GB以上推奨)
■英語版デモ(シングル専用158MB,マルチ専用64MB):http://www.4gamer.net/patch/demo/data/avp2.html

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