キティホーク 日本語版
Text by デイビー日高
8th Aug. 2003
「キティホーク 日本語版」は,三人称視点型のアクションアドベンチャーだ。プレイヤーは,愛機のヘリを撃墜された女性パイロットのキティ・ホーク少尉となり,たった一人で敵軍施設内に進入していく。
舞台となるのは,研究施設やミサイル基地などが建ち並ぶ,敵軍が支配する孤島。キティ少尉は,味方が安全に孤島へ近づけるようにするため,ヘリの同乗者だった特殊部隊兵の代わりに,ミサイル基地などの破壊活動を行うのだ。
ここでは,そんなスニーク・アクションを題材にした本作の魅力に迫っていく。
ゲームスタイルは,とにかく見つかったらダメ!
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戦闘シーン。ロケットランチャーをぶっ放したところだ。中央の緑の円が,武器を構
えると現れるターゲットレンジ。戦闘はダメージが大きいので,極力避けたい |
本作では,いかに敵兵に見つからずに目的を達成するかがポイントだ。なにしろ敵弾1発1発の威力が強烈で,敵の攻撃にさらされると,大ダメージを負ってしまう。よって,見つからないように移動するのが大前提となる(隠密性行動や3人称視点の雰囲気などは,「スプリンターセル」に通じるものがあるが,本作はよりシンプルなゲームスタイルになっている)。
そこで重要になってくるのが,EPU(エンハンズド・ポジショニング・ユニット)と呼ばれる特殊装置だ。敵兵には視界と,物音を聞き取る可聴範囲があり,EPUはそれを表示してくれる。敵兵の通常時の視界は細めの緑の扇形(警戒時は黄緑の半円)で,可聴範囲は円だ(そのへんは「コマンドス」シリーズと似ているが,本作はそこまでのパズル的な要素はない)。
一方,自分は移動時の足音が赤い円で表示される。走ったときの円の直径が最大で,歩くと中サイズ,しゃがんで移動すると最小となる(静止時はもちろん表示されない)。この赤い円が,敵の緑の円と重なってしまうと,視界内に入っていなくても発見されてしまう。なので,敵が近くに来たときは,物陰に隠れると同時に,いっさい音を立てないようにする必要がある。敵が遠くに去るまでひたすら待つことが重要なのだ。
もちろん,消音機能のない武器を発砲すれば,かなり遠くからでも聞きつけられてしまうことはいうまでもない。
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| EPUのショット。左は通常時の敵兵のもの。視野を示す扇形があまり広くなく,色も緑色。右は警戒時のもの。視界はほぼ半円に広がり,黄緑色に。ちなみに,右のショットの上部にある水色の扇形は,カメラの視界を示す |
EPU上の自分の立てる物音の響く範囲の比較。中央の三角がキティ少尉を表す。左上は,静止状態。音を立てたときの範囲を示す円は表示されても,赤くはなっていない。右上がしゃがんだ状態で移動しているところ。立てる物音は最小。左下が立って移動しているところ。右が走っているところ。以上の比較から分かるように,移動はまずほとんどがしゃがんだ状態となる。走るのは,警備カメラの死角を突く場合などほんの一部 |
またこのEPUは,衛星回線を利用しているからなのか,時折画面がノイズだらけになってしまうところがポイント。誰にも見つからないような場所なら問題ないが,敵兵のすぐ近くで重要アイテムの奪取や装置の操作などをしているときや,警備兵だらけの中で潜伏しているときなどは,とてもたまらない。まさに固唾をのむ状況となる。
一刻も早く逃げたいのに,動いたら音を聞きつけられてしまうかもしれない状況となると,動揺して指先が震えて,いつも以上に操作が難しくなってしまうほどである。
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| 主人公のキティ・ホーク少尉。ヘリのパイロットなのに,特殊部隊兵並みのスキルが必要な任務を遂行するハメになる。任務を成し遂げない限り,友軍が孤島へ接近することは不可能なので,救助してもらうためにもやるしかないのだ |
敵の通信施設で,ミサイル基地の破壊を上官に言い渡されたところ。ところどころ,このようなムービーシーンが挿入される |
男性プレイヤー向けのサービスカット。さすがは西洋人,迫力あります |
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| 武器はさまざまな場所に落ちている(敵の死体からは入手できないので,探す必要がある)。画面は,ヘッケラー&コックの33KA。33シリーズの一つで,銃身を短くしたカービンタイプ |
ムービーシーン中のロケットランチャーのアップ。5発装弾でき,連射性能の高いスグレもの。終盤はこれに頼ることになるので,普段からロケット弾はゲットしておこう。なお,至近距離に炸裂させると,当然自爆するので注意 |
敵の施設内は,ところどころカキがかかっている。画面に写っているような,解錠するためのコード・カードなどが必要になる。敵の目を盗んであちこちの部屋などを調べていこう |
中ボス戦に備え,いい武器を入手しておこう
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| 敵の研究施設内を移動中。暗唱コードを入手し,レーザーバリアを解除してとある部屋に隠れたところ。すぐ目の前の廊下を警備兵や科学者らが何度も往き来するので緊張感はかなりのもの。ちなみに,なんでおハダの露出度が高いのかは,プレイしてのお楽しみ |
先ほど説明したとおり,本作は,通常時は戦闘を極力避ける必要があるのだが,ところどころに中ボス戦ともいうべき,強敵との強制的な戦闘ステージがある。森林地帯でのスナイパーとの1対1の戦闘,ミサイルランチャー前のヘリポートでの,謎の改造兵との死闘などがそれだ。
そうした場面では,当然より殺傷力の高い武器を持っているほうが有利なので,いい武器を手に入れておくことも重要になる。
どんな武器が手に入るかというと,大別してハンドガンのサブウェポンと,カービンライフルやサブマシンガンなどのメインウェポン,それに手榴弾の3種類だ。
ハンドガンはヘッケラー&コックのUSPやMARK23(サイレンサ付き)など。ライフルはご存じM-16のほか,同じくカービン系のヘッケラー&コックの33KA(望遠機能付き),サブマシンガンはヘッケラー&コックのUMP45などだ。さらに,最強のメインウェポンとしてロケットランチャーがある(サブもメインもどれか1種類ずつしか所持できない)。
威力としては,ハンドガン<サブマシンガン<カービンライフル<ロケットランチャーとなる。ロケットランチャーは敵兵を一発で倒せる(爆風で数人まとめても可能)が,そのほかはライフルですら頭部に命中させても数発必要だったりするので,この点からも戦闘は避けるべきだといえるだろう。
通常の現代戦かと思いきやおぞましい改造兵も……
先ほど中ボス戦の例を紹介したときに,"謎の改造兵"なるアヤしげな単語があったかと思うが,これは大いにストーリーに関係する存在だ。
この孤島にある軍事施設では捕虜を利用した人体実験を行っており,そのためゲーム中盤には身体の臓器をメカに置き換えられた兵士や,バイオテクノロジーを利用した改造兵が出てくる。どんな兵士達が出てくるかは,見てのお楽しみだ。ちょっと怖かったりするので,この暑い季節にはピッタリかもしれない。
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プレイしていて大変感心したのが,動作が軽いこと。
確かに3Dグラフィックスの描き込みのレベルは,最新のFPSなどに比べると,お世辞にも良いとはいえない。だが,その分とても軽くなっており,プレイ時の操作感はもちろん,ローディングの時間まで猛烈に短いのだ。イライラを感じないこの速度を,ぜひ実体験してもらいたい。
そして本作の攻略上の最大のポイントは,隠れて堪え忍ぶこと! まず安全な物陰に潜み,EPUで敵兵の数とその移動ルートを見切り,行動していくのだ。
あせるとすぐに発見されてしまうので,辛抱強くいこう。FPSでオラオラ〜と突撃して殺戮しまくるのが大好きな筆者だけど,この"バレたらヤバイ!"という緊張感もかなりハマってしまった。たまには生ツバごっくんものの緊張感に身を浸してみるのもいいものだなーという感想である。
それに,スニークアクションとしてはそれほどシビアではないので,猛烈な操作テクニックを必要としないところもいい。筆者のようなおおざっぱなオラオラ系の人間でも,慣れてくれば隠れながら移動できるようになる。攻撃せずに任務を達成するという,同じアクションでもFPSとは違う楽しさを堪能させてくれる1本だ。
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| 上の画像と同じ地点で,別の角度を向いたところ。廊下の警備兵や科学者に加え,部屋の中にも科学者がいる状態だ。もうバレないかヒヤヒヤものである |
おぞましい改造が施された兵士の顔のアップ。味方の兵士たちの雑談を盗み聞きしていると,この改造実験にはイヤな思いをしているのが分かる
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ステージによって特色があり,ここは敵の特殊部隊が追跡して来るというストーリー(画面はムービーシーン)。彼らは視界が広くタフで攻撃力が高いので,つかまったら絶対に助からない。なので,ジャングルの中をひたすら先へ逃げる必要がある |

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■発売元:メディアクエスト
■価格:8980円
■問い合わせ先:メディアクエストユーザーサポート TEL 03-5805-3629
■動作環境:Windows 98/Me/2000/XP,PentiumIII/700MHz以上(PentiumIII/800MHz以上推奨),メモリ 64MB以上(128MB以上推奨),空きHDD容量 400MB以上,メモリ32MB以上搭載したビデオカード(メモリ64MB以上推奨),DirectX 8.1以降
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■ムービー(3分12秒:31.0MB)
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