シャドウベイン

Text by Chun

 本日2003年3月25日,最初の発表から実に3年近い沈黙を続けてきたMMORPG「Shadowbane」がついに海外で発売となった。一方日本でも,昨日(3月24日)からオープンβテストが開始されている「こちら」参照)。
 これに先立ち,海外では2月下旬から大規模な最終βテストが開始されており,また同時に,これまでβテストユーザーに課せられてきた情報開示守秘義務(NDA)が解除されたのだ。
 そこでforGamerでは,海外で行われていたβテストから判明する限りのShadowbane情報を紹介していこうと思う。

Shadowbaneってどんなゲーム?

 Shadowbaneをひと言で説明すると,PvP(対人戦闘)をメインに据えたMMORPGだ
 ゲームは,"Tyrranth Minor"という島から始まる。この島には三つのパブリックギルドが存在しており,最初にこの中から一つを選んで加盟することで,ゲームのスタート地点となる"マーケット"が決まる。で,このTyrranth Minor島から出ると,なんとパブリックギルドのある街を除くすべてがPvP可能エリアとなるのだ
 そのため,モンスターとの戦闘中でもPvPの危険が伴う。突然背後からほかのプレイヤーキャラクターに攻撃されるというのは日常茶飯事で,まさに弱肉強食の世界といえるだろう。

 Shadowbaneのもう一つの大きな特徴が,プレイヤーが"街"を持てるということ。"Tree of Life"という木の周りにいろいろな店を建てていくことで,徐々に街が形成されていくのだ。
 そして最終的には,ほかのギルドと"街をかけての大戦争"が行われるようになる。もちろん一匹狼でプレイするスタンスを貫くこともできるが,ギルドに所属して大規模なPvPを行うことこそShadowbaneの醍醐味だろう。

Shadowbaneの街について

 キャラクターがある程度のレベルになると,パブリックギルドを利用できなくなる。その後に利用することになるのが,ギルドタウン(プレイヤータウン)だ。
 本作では,プレイヤー達が協力することで世界各地にある廃墟と化した街をギルドタウンとして再興し,本拠地として使用できる。もちろん,ほかのギルドが作った街を利用することも可能だ。ただし街にもいろいろとあり,同じギルドタウンでも入れる街と入れない街が存在する。とくに戦争中心の街などは,ギルドメンバーのみが使用可能なように設定され,ほかのプレイヤーが利用できないこともある。
 もちろん,全プレイヤーに対して好意的なギルドタウンを運営する人もいるだろう。例えば店を多めに配置して取り引きが自由に行える街を作り,そこをゲーム内の経済の中心地とすることもできるのだ。

User NPC Vendor(商人)について

 街を構成する店は,プレイヤーがNPCの"Vendor"を置くことで運営できる。
 ところで,「ウルティマ オンライン」や「エバークエスト」など,海外のMMORPGでよくみられる"Trade Skill"が,Shadowbaneには存在しない。つまり,店にNPC Vendorを置くという行為が,Trade Skillの代わりとなるのである。

 このNPC Vendorは,店番はもちろん,商品となるアイテムの作成も担当する。彼らはアイテムを作り続けることでレベルが上がり,高レベルになるほど高品質な商品が作れるようになるのだ。
 店の建物も,お金を投資することで徐々にレベルが上がっていく。建物のレベルが上がると配置できるVendor数の上限が増え,建物の強度も高まって破壊されにくくなるのである。
 ちなみに,パブリックタウンのお店では,ある程度のレベルまでのアイテムしか取り扱っていない。それ以上高レベルな武器や防具などのアイテムを購入するには,ギルドタウンで高レベルの店を使うというわけだ。もちろんモンスターが高レベルのアイテムを落とすこともあるが,(少なくともβテスト時には)落とす確率が非常に低く,ギルドタウンで購入するほうがはるかに簡単。これも,経済の中心がプレイヤー達にある証拠といえるだろう。

 発売目前ということもあり,Shadowbaneはここ最近もさまざまな調整が行われている。もちろん発売後も,継続して調整されていくはずだ。
 ただ,PvPの基本となるであろうギルドシステムや,ギルドタウンシステムなどは現時点ですでに完成の域に達している。最近では多くのMMORPGが日本国内でもサービスされているが,PvPがごく普通に行われるMMORPGは希少である。対人戦闘に関しては好き嫌いが分かれるが,本作はそれ以外の要素もかなり興味深く,日本語ローカライズ版も後発とはいえ登場する。のんびりプレイするのもよし,ガンガンレベルを上げてPvPで暴れまわるもよし,Vendorを育てて経済の中心として生活するのもよしと,楽しみ方はいろいろあるだろう。
 序盤から中盤,中盤から後半とプレイスタイルが変わっていくことで飽きを感じさせない作りは,なかなか興味深い。発売を首を長くして待っていた人も,今回初めて存在を知った人も,オープンβも始まることだし,一度試してみてはどうだろうか。

*本記事の内容は製品版では変更される可能性もあります。ご了承ください。

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