羅刹

●Preview#24:羅刹

Text by Murayama

「羅刹」のすべてが見えた!?

クリックすると拡大します 工画堂スタジオの新作として注目されている「羅刹」。これまでの各所の記事は,世界観やイメージビジュアルが先行しており,ゲームシステムなどは不明で謎に包まれていた。まあ,久々の続編ではないタイトルということで工画堂スタジオも素材出しに慎重になっていたようだが,それならばと直接開発現場を訪れて実際に話を聞くことに。
 しかもこの日はタイミングよく,工画堂スタジオのスタッフでも一部の人しか目にしていないという,動いている羅刹を見ながらの話となった。というわけで,日本のメディアで唯一動いている羅刹を見てきたforGamer.netが,知り得るすべての情報をお伝えしよう!

ダークな傭兵家業

 実際に目にした「羅刹」は,傭兵部隊をテーマにしたシミュレーションゲームであった。最初にプレイヤーは自分の分身として5人の頭(かしら)から一人を選択する。もちろん彼らには能力差があるため,選択した人物によってゲームの難易度は上下するとのことだ。初心者から硬派なシミュレーションファンまでが楽しめる心遣いだといえよう。
 ここで気付いた点だが,工画堂スタジオのタイトルとしては珍しく主人公に男性キャラが存在していたのである("シュバルツ"にもいるが)。それがジョイスという人物だが,いままでの工画堂スタジオにはなかったテイストのキャラである。細かい話になってしまうが,キャラクターデザインを見ていると装飾品に漢字があしらわれているといった遊び心もあり,なかなかの好感触だ。
 主人公を選択したら,お次は傭兵部隊の編成。個性豊かな傭兵を雇用して自分ならではの傭兵部隊を作る。主人公と同様に個性的な傭兵が多数登場するので,資金と相談しながら部隊編成を進めていく。中にはギターの速引きが得意といったファンキーな傭兵もいて,能力ではなく雰囲気で選んでみるのも面白そうだ。各傭兵には身体的な能力値があるが,これは経験値を貯めてのレベルアップや,薬物によるドーピングを行うことで上昇していく。それから,各傭兵は"ライセンス"と呼ばれるスキルを持っており,ライセンスを持つ傭兵は持たない者と比較して罠の設置が素早く行えるなどの特典が得られるようになっているのだ。ただし,ライセンスを取得するにはミッションを休んで講習を受け,試験に合格しなければらない(講習なしの一発試験もあるが,取得は難しいとのこと)。
 能力を上げるには戦場に出なければならず,戦場に出ているとライセンスは取得できないわけで,経験値の取得とスキルを取得をどのように行うか? が強力な傭兵を育成するうえでのポイントとなるだろう。

装備を選んで出撃。戦術シーンはRTSだ!

クリックすると拡大しますクリックすると拡大します 各傭兵は,戦場に出る前に装備を整える必要がある。傭兵は"生体装甲"と呼ばれるアーマーを身に着け,銃火器を持って戦場に赴く。なお,生体装甲とは有機的な生きているアーマーで,飛行タイプ,歩行タイプ,走行タイプなどさまざまなタイプが用意されており,種類に応じて搭載できる武器数などが異なるようだ。また,生体装甲は進化する点も大きな魅力。なお,ある条件を満たすと生体装甲は次の段階へ進化できるようになり,進化時には2種類のルートから任意のものを選んで進化させるようになっている。各生体装甲とも進化はツリー状になっており,選んだルートによっては何段階もの進化をする可能性もある。雰囲気としてはDiabloIIのスキルツリーのようなものだ。なかなか攻略心をそそる要素といえるだろう。

 戦術シーンではゲームは一変してリアルタイムストラテジーへと変貌。パワードールシリーズのように半リアルタイム制ではなく完全なリアルタイム。数多くのユニットがワラワラと動き回り,乱戦を繰り広げるというアレだ。戦場では各傭兵に指示を出して状況に応じて複数の武器を切り替えつつ,敵の掃討や建物の占拠などを行う。任務によってターゲットを破壊すれば完了! というものもあるが,そこは傭兵家業。金がすべてという世界を反映して,より多くの敵を倒したり倉庫を占拠しておけば,ミッション終了後にアイテムが手に入ったり,より多くのお金が入るというシチュエーションも用意されているようだ。
 それから,マップ上の敵施設を利用できる点も魅力。敵の軍事基地にゲートが設置されている場合,ゲートを破壊してもいいが,それを管理する施設を占領してゲートを開放することもできる。ちなみに後者の方法でゲートを開放した場合は,敵の増援をゲートで食い止められる利点もあるぞ。また,砲台を管理している施設を占領してしまえば,砲台を使って敵を迎撃できたり,マップ上の補給基地を占拠して弾薬の補給などもできる。なかなか奥が深い戦闘が楽しめそうな感じだ。ちなみにユニットのグループ化やショートカットキーなどもしっかりと用意されており,操作性も快適なものに仕上がりそうだ。

 スタッフ一同「これまでの工画堂スタジオのタイトルとは違うものを!」ということで快調に制作が進んでいるこの"羅刹"。今回の取材で目にしたバージョンからは,"ドーピング"や"カネ最優先"という傭兵家業らしいダークな雰囲気を存分に感じることができ,これまでのパワードールなどの健全な(?)イメージとはまったく異なるものを見ることができた。また戦術シーンなどは,海外モノを意識しながらも,建物などのグラフィックスはレタッチして手書きの暖かみを残しているといったように,どこか海外ものとは違う独特の雰囲気を醸し出していた。単なる模倣ではないあたりが好印象といえよう。
 発売についてはまだ確定していないようだが,プレイアブルなバージョンにかなり期待できる作品だ。

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