MechCommander 2

●Preview#7:MechCommander 2

Text by 奥谷海人

15年以上の歴史を誇る,Battle Techの世界観
クリックすると拡大します  Battle Techの世界観を利用した「MechCommander 2」は,'98年に発売された前作と同じく"メック"と呼ばれる巨大ロボットを率いてのコンバットを楽しむ,リアルタイム制の戦略シミュレーションゲーム(いわゆるRTS)である。光速移動を発見した人類によって開拓された,直径一千光年という広大な宇宙"インナースフェア"を舞台にしており,その中でも"カオス・マーチ"(混沌の行進)と名付けられた政治的に不安定な状態が続く僻地での戦闘がテーマとなっている。
 プレイヤーは,メック部隊を率いる雇用兵軍団のリーダーとしてこの戦線に参加することになる。MedCatやRavenなど前作でお馴染みの11機種に加え,本作では新しく15機種のメックが追加されることになる。その中にはAnubisやBlood Aspなど,前作では無敵を誇ったAtlasとタイマンを張れるほどの大型メックも登場し,以前に増して壮絶な戦闘が繰り広げられることになるだろう。  キャンペーンはMechWarrior同様で,分岐型のミッションを選択していくことで,プレイヤーの好みによって違ったストーリーの展開を楽しめる方式になっている。MechCommander 2では,ステイナー家,ダヴィオン家,リャオ家という三つの家督による抗争が描かれているのだが,プレイヤーの選択によっては一つのキャンペーンでも友好関係を結ぶ家督が随時変化していくことになるのだ。

3Dの地形を活かした戦略性重視のゲームプレイ
クリックすると拡大します  開発者によると「ゲームの戦局は,前作以上にプレイヤーの戦略によって影響されるようなゲームシステムにしたい」とのことで,MechCommander 2にはさまざまな工夫が盛り込まれている。
 例えば,ゲーム開始時時点からプレイヤーがマップを一望できるようになっており,どのようなコースでユニットを展開させていくかのプランをあらかじめ立てやすくなっているのもその一つだ。面白いのは,実際にセンサーに反応しなければ敵基地の内側などの仔細がわからないようになっていることで,味方のユニットを近づけたりセンサー衛星を撃ち上げたりしなければ,初期マップに点在するメックが敵なのか味方なのかも判別できないのだ。逆に,敵のセンサーを回避するために丘を回り込んだり,双方のユニットの特性を見極めて攻撃手段を決定する必要もあるなど,コマンダーとしてのプレイヤーの役割を最大限に引き出せるようになっており,3Dマップや新機能の特性を利用した戦略を立てる楽しみがある。
 前作でも評判だった"ユニット数制限"は引き継がれており,ゲーム中に建物を建築して新しいユニットを生産することはない。プレイヤーは,限られたユニットをどれだけ有効に使っていくかに気を遣わなければならず,前作のように作戦に失敗してデータロードを繰り返す,ということになりかねないというマイナス点はある。それでも,ミッションごとに基地を作り直すという既存のRTSにありがちなゲームプレイではなく,緊張感の漂うゲームが展開するのは間違いないだろう。もちろん,ゲーム開始時点でメックの1台1台を改良することが可能だし,戦闘で生き延びていくにつれてメックのパイロットたちの技能が向上するなど,RPG的な要素も残されている。

予備軍召集システムとリソースポイント
クリックすると拡大します クリックすると拡大します  前作では,修理用トラックを部隊に加えて戦場を連れ回す必要があった。修理用トラックが狙われれば戦力維持に大きなダメージとなったのだが,今作では,それに加えて予備部隊を随時召集するという方式を採用している。
 例えば,耐久力のなくなってきたメックは後方に移動させ,そこで修理用トラックを待つことができる。これらの予備部隊には修理用トラックや探索用高速タンクのほか,ダメージを受け過ぎて作動不能になったメックを回収するリカバリーチームや,地雷を設置するマインレイヤーなども含まれている。さらには,敵基地に潜入して対空ミサイル機などを除去したうえで味方の爆撃用戦闘機を召集して一気に戦局を優位に持ち込むことだって可能だ。ただし,これらの作戦はプレイヤーに与えられたリソースポイントを消費することとなるため,ゲーム中に使い過ぎると,後々のプレイが厳しくなるだろう。

 3Dゲームエンジンの性能は素晴らしく,地形のテクスチャーなども細かくて美しい。メックが通過した後の砂丘には足跡が残るし,水辺を渡るときに波紋が見られるなど,随所で細かい演出がなされている。"ライン・オブ・サイト"と呼ばれる,ユニットの視野だけが表示される方式を取り入れ,壁やビル,山などの地形を巧みに利用したゲームプレイになっているのは前述の通りだ。マルチプレイヤーモードでは,最大8人までのプレイヤーがデスマッチやチーム対戦を楽しむことができる。
 発売は,米国では7月中旬を予定しており,日本ではメディアクエストから"2001年夏"を目処にリリースされることになりそうだ。

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