限定された少数の兵士を指揮して数々のミッションに挑む3D RTS「ソルジャー オブ アナーキー 日本語版」のデモ版が登場。本作のジャンルはRTSだが,ユニット一つ一つを大切にする点,また高いスニークアクションを要求される点などは,同ジャンルの名作「コマンドス」シリーズを連想すると分かりやすいだろう。一人でじっくり時間をかけて遊ぶには最適な一本だ。
2004年に世界を滅亡寸前に追いやった未知の病「突発性ゲノム変質症候群」。シェルターに潜んで命をとりとめた一部の人間達は,その後10年間,薄暗く狭いシェルターで永い時を過ごすことになる。そして災いの根源を探るためにシェルターから出た彼らを待ち受けていたのは,この病が"ウィルス性"で,しかも"人為的に蔓延させられたもの"だという真実だった――,というのが本作のストーリーライン。登場するタンクや銃器などはすべて実在のものだが,雰囲気はSF,というか,メインメニューのBGM(ハードロック)からして,B級ホラーのノリともいえるだろう。
デモ版で遊べるゲームモードは,デモミッション(製品版の序盤1ミッション),チュートリアル,マルチプレイの三つ。 デモミッションでは,プレイヤーは6人の兵士を操作して,荒廃した地上を我が物顔でのし歩く"ビショップ団"の貿易を阻止する任務にあたる。 兵士はそれぞれ"爆破"のプロや"狙撃"のプロなどの個性をもっており,行使できるスキルもまちまち。そしてある行動を起こすのに必要なスキルをもたないキャラクターが,プロ並の仕事をこなそうとすると,失敗したり精度が悪くなったりするのだ(例えば,爆破のプロ以外の兵士が地雷を扱おうとした場合に,地雷が無条件に爆発してしまうなど)。 またマップに点在する武器・弾薬や敵から得られるアイテムは,随時それぞれの専門兵士に分配しなければならない。このアイテム管理がちょっとRPGっぽくて惹かれる人もいるだろう。
さて筆者がプレイしていて気になったのが,本作のちょっとナニなインタフェース。俯瞰のRTSで最も重要といえるカメラ変更が重かったり(マップの凹凸の影響でヘンな挙動を見せる),マウス操作に対応したユニット選択&移動の反応速度が,やたら遅かったりするのだ。自動経路選択もこの手のゲームにしてはちょっぴりおバカなので,プレイしていてイライラすることもあるだろう。
とはいえ,BGMのまったくない殺伐とした戦場は,"一兵士"としての臨場感をたっぷりと味わせてくれるし,壁一枚を挟んで敵と対峙するときの緊張感などはなかなかのもの。「今回は対戦車地雷でなんとか敵を征圧,次は試しに戦車ごと奪ってみるか」なんていう試行錯誤ができるのが一番面白い部分かもしれない。"自由度"という点では,ほかのRTS作品にはないポテンシャルを秘めたタイトルだ。
本作は,2003年9月12日にズーより発売される。メニューやメッセージはすべて日本語,また丁寧なチュートリアルも収録されているので,RTS初心者でもすぐにとっつけるハズだ。(Gueed)
*2003年8月20日にリリースされた体験版攻略ガイドは「こちら」から。
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