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トムクランシー監修のFPSシリーズの中では異色作ともいうべきスニーキングアクション「スプリンターセル」。その続編ともいうべき最新作が,「スプリンターセル パンドラトゥモロー」だ。プレイヤーは前作同様,特殊工作員Sam Fisherに扮し,数々の特殊任務を単独で遂行していく。本作はほかの同氏監修のFPSとはかなり異なり,敵を倒していくというよりは,いかに敵に気づかれずにミッションを遂行するかがゲームのポイントだ。
ゲームシステムは三人称視点のアクションゲーム。コンシューマゲームでの操作を前提としているためか,操作性や画面のデザインなど,かなりシンプルに設計されている。操作方法は従来のFPSやアクションゲームと同じでキーボードとマウスで行うが,ゲーム中の操作量はかなり少なくて済む。必要最低限の行動をとるだけなら,アクションゲームというよりはパズルゲームに近いものがあるといえるだろう。
ゲーム画面も,Fisherのライフ,装備している武器など,常に表示されているものは最低限であり,余計なことを考えずにミッションを遂行できるというシンプルなデザインだ。また,ゲーム進行上の重要な場所では画面上部左右にインフォメーションウィンドウが表示され,メッセージにしたがって行動すれば,ミッション自体の内容がそれほど理解できなくとも,ゲームをスムーズに進行できる親切な作りになっている。
しかし敵が間近に存在する場合はまったく別で,例えばちょっとした判断をミスしただけで敵に感づかれ,そのままゲームオーバーという場面が多々ある。敵以外にも,熱感知のトラップが設置されていたり,ミッションとは無関係の人物に気づかれてもゲームオーバーになるなど,かなり気を引き締めて遊ぶことが必要とされる。
難度が高いといってもゲームのロードとセーブは自由に行えるので,こまめにセーブをして何度もチャレンジすれば,アクションが苦手な人でもクリアできるし,この手のスニーキングアクションが好きな人にはかなり遊び応えのある作品といえる。
デモ版では,ノーマルとハードの2種類の難易度から,二つのステージを遊ぶことが可能だ。ステージ1は走行中の高速列車が舞台となっており,内部に潜入したのち,乗客や,乗務員などさまざまな人に気づかれずに,壁をつたって先の車両へと移動し,重要人物との会話,盗聴をこなして最後に脱出するというもの。ゲーム中,うるさいくらいのチュートリアルメッセージが表示されるわけだが,英語が分からないという人でも,メッセージ中にでてくる()(カッコ)で括られたキーを頼りにしていけばクリアできるだろう。
ステージ2は密林地帯で,こちらは,いかに敵に気づかれずに目的地まで進むかというもの。ステージ1に比べるとかなり緊張感に欠けるものの,スナイパーライフルや,グレネードなどの武器を使用でき,それなりに楽しいステージではある。もちろん使いどころを間違えると,多数の敵に気づかれてゲームオーバーとなるのでご注意を。製品版を買う前に,ぜひこのデモ版で感触をつかんでみてはどうだろうか。(Seirou)
■マルチプレイデモ 2004.3.26 追記
シングルデモがリリースされたときからその存在が明らかだったマルチプレイデモが,ようやく登場した。マルチ版デモでは,プレイヤーはスパイ側/警備兵側のいずれかのチームに属し,スパイ側は与えられたミッションを達成することを目指し,警備側はそれをあらゆる手段で阻止することになる。また操作方法がシングルデモと若干異なり,デフォルト設定ではFPS向けに操作しやすいシンプルなキー設定になっている。
武器や装備も,スパイ側と警備側とで異なる。スパイ側は相手を痺れさせる"Sticky Shocker"がメインウェポンで,サブウェポンにはフラッシュグレネードやスパイカメラから放出される催眠ガスなど,相手をかく乱するものがメインで用意されている。またメインウェポンから発射される電撃はいくつかのトラップを一時的に故障させることができるので,うまく使って敵地に設置されたセンサーなどを無効化し,目的を達成するための助けとしたい。
警備側は,相手を殺すためのM-160ライフルやグレネード,壁に仕掛ける対人地雷など,殺傷力のあるさまざまな武器を使用可能だ。カーテンの陰に隠れてトラップをしかけたり,窓からの侵入者が着地するあたりに対人地雷を仕掛けたりすることもできる。また警備兵は,視界上の変化を機械的に見逃さないモーションキャプチャーや電気系統の変化を色で示すエレクトロトラッキングといった,シングルゲームでは登場しなかったスコープを使うことがもきる。
本デモ版では,Mount Hospitalのステージのみ遊ぶことが可能。ミッションの制限時間や各人のライフ(Respawnできる回数)ハンデキャップなどが設定でき,インターネットかLANを利用したマルチプレイが4人まで楽しめる。インターネットプレイの場合は発売元であるユービーアイ公式サイトのIDが必要なので,デモを起動してアカウントを取得するか,公式サイト「こちら」の上部"Sign Up!"からIDを取得し,遊んでみてほしい。(Seirou)
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