RTS風なターン制ストラテジー,「Massive Assault」のプレイアブルデモがリリースされた。
本作は,宇宙へ進出した人類がよその惑星で繰り広げる世界大戦を描いたSFストラテジーだ。舞台となるのは大小6惑星,登場する勢力は,どちらかというと善玉扱いの"Free Nations Union"と,どちらかというと悪玉扱いの"Phantom League"だ。社会情勢や両勢力の政治的背景などは知らなくても遊べるので割愛するが,公式サイト「こちら」の"Overview"や"Story"に詳しく書かれているので,興味のある人は参考にしよう。
本作では,二足歩行ユニットや光学兵器で武装したタンクといった,さまざまなSF兵器が登場する。主な戦場となるのは陸上および海上で,陸空海あらゆるユニットを効果的に運用して戦うという,基本を押さえたウォーストラテジーとなっている。
グラフィックスはフル3Dで拡大縮小回転が可能。一見するとRTS風のゲーム画面だが,実はれっきとしたターン制ストラテジーである。例えば敵(CPU)ターンの進行スピードを上げると,複数のユニットが同時に動き出して一斉に攻撃を開始するなど,見た目には完全にRTSだ。
だが,いざプレイヤーターンになってみると,3Dで描かれたフィールドの移動位置は実際にはマス目状で管理されており,ユニットは1体ずつ順番に動かしていく。もしマウスさばきに自信があるのなら,一つのユニットの行動が終わらないうちに次のユニットに命令を下せば,同時に動かすことも可能だ。行動に失敗したと思ったらUNDOコマンドで簡単にやり直せるのも,ターン制ストラテジーならではの恩恵だろう。
つまりグラフィックスやアニメーションに関しては"ターン制ストラテジー"に付きまとう地味なイメージを払拭しつつ,実際のゲームプレイは落ち着いて遊べるというのが,本作のコンセプトではなかろうか。
デモ版はなかなか大盤振る舞いの内容で,チュートリアル5本のほかに,シナリオステージを3本,さらにワールドマップを1本収録している。デベロッパも,このデモの遊び甲斐にはかなり自信満々のご様子だ。
"トレーニング"は言うまでもなく基本ユニットの性能などを学ぶチュートリアルモードで,"シナリオ"は限定的な地域と条件での局地戦。難度的にはチュートリアルの延長といった感じで,すぐに戦闘を楽しめる。一番最後のシナリオはかなり骨が折れるだろう。ちなみにデモ版では"キャンペーン"と"ホットシート"(一台のPCで行う対戦プレイ),そしてネットワークに対応した"マルチプレイ"は収録していない。
恐らく目玉となるのは"ワールドウォー"だろう。これは惑星全体をフィールドとしたマップで,6種類ある惑星ごとに地形条件が異なるようだ。デモでは小さめの惑星を一つ収録している。ワールドウォーは"Free Nations Union"と"Phantom League",どちらの陣営でも遊べる。初期配置ユニットなどは存在せず,ユニット生産から始めなければならないため,とりあえず先にシナリオモードまで全部クリアしておくことをオススメする。どのステージも難度設定は可能なので,初心者は"EASY"で始めるといいだろう。
攻撃にランダム性はいっさいないので,各ユニットの攻撃が与えるダメージは一律計算できる。このため,詰め将棋並に緻密なユニット運用が必要となり,なかなか頭を使うゲームとなっている。
ユニークなのが,各都市を取り囲む国境の存在。国境線の色を見れば,どういう勢力図となっているかが分かる仕組みだ。緩衝地帯のようなものはないらしく,通常はお互いの軍が国境の内側から撃ち合ったりしている。迂闊に越境すると,ゲリラが出現して思わぬ抵抗を受けたりといったことが起こる。このような細かい独特のルールが多いため,チュートリアルは必ずプレイしておこう。
なんせ,ストラテジーというと最近はもっぱらRTS。たまにターン制ストラテジーがリリースされても,マニアには垂涎かもしれないけど素人には手も足も出ないようなゴツいものばかり。その点,この「Massive Assault」は今どき珍しいライト感覚を持ったターン制ストラテジーなので,難しいゲームは嫌い! という人もぜひ遊んでもらいたい。ただし"ワールドウォー"はさすがに手ごたえアリなので,覚悟は必要だ。(Kawamura)
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