Codemastersの「Indy Car Series」は，インディカーレースを題材にした数少ないレースシミュレーションゲームだ。NASCARと共にアメリカンモータースポーツの最高峰として多くのレースファンに愛されてきたインディカーレースは，1996年からIndy CARTとINDY RACING LEAGUE/Indy Car Series(IRL)に別れ，互いに独自のレギュレーションでシリーズ戦を展開するようになった。
　この「Indy Car Series」はINDY RACING LEAGUEを忠実に再現しており，当然ながらIRL公認を得ているのでチーム，ドライバーともに実名で登場している。

　本体験版ではマシンセッティングを煮詰める"TEST DRIVE"，予選〜決勝レースを楽しむことのできる"START RACE"の2つのゲームモードが用意され，ペンゾイル・パンサー・レーシング（＃4 サム・ホーニッシュJr.）とレッドブル・チーバー・レーシング（＃51 エディ・チーバーJr.）の2台のマシンを駆り，ハイスピードオーバルコースのテキサス・モーター・スピードウェイを走ることができる。
　マシンセッティングでは，一通りの調節が可能となっているので，セッティングによる挙動の違いやタイムへの影響などを試行錯誤できるだろう。またスキルレベルを"Pro"にすると予選からレースを楽しむことができる。最高速をマークした順にグリッドが決められ，決勝レースは10周だ。
　マシンの挙動は，アーケードとシミュレーションの両方を兼ね備えているといった印象で，簡単でもなく難しくもなくといったところ。Indycarを再現した名作でもある「Papyrus Indycar Racing」や「Nascar Racing」シリーズなどの，ガチガチのシミュレーション派の人には物足りなく感じられるかも知れないが，逆に幅広いプレイヤーに楽しめる味付けになっているといえる。AIカーの走りなども大変良くできているため，時速300km/hオーバーで，ドラフティング（スリップストリーム）からインに飛び込み相手を抜き去ったり，逆にラインを外しアウト側に流されイン側から追い抜かれたり……，リアルなエンジン音や走行音なども手伝って，他のレースカテゴリでは味わえないハイスピードでのバトルを味わってみよう。
　なお本体験版は，開発側いわく"70%の完成度"ということこもあり，グラフィックス面では評価できる段階にも達していないが，今後どの程度まで完成度を高めて発売されるか楽しみなゲームではある。（UHAUHA）

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