ヨーロッパからの勇敢な入植民達が新大陸を西へ西へと目指し,屍を乗り越えて西の果てに辿り着くと,そこにはあれま,金が待っていた。こうしてアメリカは,あっという間に西部劇に代表されるような,荒くれ者のガンマンの時代に突入するわけだ。
「Dead Man's Hand」は,まさに西部開拓時代,ウエスタンを舞台としたFPS。主人公はかつて9人組の盗賊団を率いていたガンマンで,自分を裏切った8人の部下への復讐劇というのがテーマだ。裏切り者を一人ずつ追い詰めて,葬っていくというストーリーが展開していく。詳しくは,「こちら」のプレビューを参照しよう。
FPSといったら現代の軍隊か未来の宇宙戦士と相場が決まっており(偏見?),ウエスタンFPSというのは意外と少ない(あるにはある)。"西部劇らしさ"を出し,それを面白さと結びつけるのがいかにも難しそうだというのが,ウエスタンFPSが少ない要因だろう。
本作は西部の雰囲気作りに苦心しているのが伺える。物理エンジンは西部劇にはあっているらしく,酒場に入った途端にワルどもがテーブルを蹴り倒したり,馬車が勝手に動き出したり,樽やビンが転がったりするといった細かい(?)演出が,本作の"西部劇らしさ"を盛り立ててくれる。
ゲームを開始すると,トランブの絵と「50」という数字が目に入るだろうが,これは50枚のトランプを武器として戦えという意味ではなく,単に体力である。武器は拳銃,ライフル,ショットガンがメインで,プレイヤーは常にこの3種類の銃を持っており,状況によって使い分けることになる。肝心のゲーム性は,かなりアーケードライクだ。
また,各ミッションを開始する前に,ポーカーをプレイすることになる。役が揃えば,その役の高さに応じて初期弾薬などが与えられ,5回まで続けてプレイできる。ただし途中で役なしを引いてしまうと,すべて没収されてしまうので注意。どうやら,それなりに高い役が揃いやすいアルゴリズムとなっているような気がする。
ファイルサイズが随分大きいと思ったら,本デモは2時間制限のトライアル版。内容は製品版とまったく同じで,マルチプレイも製品版と同様に楽しめる。レベルエディタなどもしっかり搭載している。2時間なんてあっという間だが,その気があるなら19.99ドルでライセンスを購入すれば,制限解除して製品版として楽しめる。ぜひ購入しよう! とは言わないが,とりあえずプレイしてみる価値のあるタイトルだ。(Kawamura)
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