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"自由"かつ"複雑"なゲーム性とサイバーな世界観,そしてキャラクターの成長要素などで人気を博したFPS「Deus
Ex」の続編,「Deus Ex:Invisible War」のデモ版が登場。"早くても12月中"といわれていたデモ版の突然のリリースということで,クオリティや本原稿の執筆(2003年11月26日)直前にマスターアップしたGold版との差異が気になるファンも多いだろう。今作はXbox版との併行開発作品なので,コンシューマユーザーも視野に入れたプレイフィールやインタフェース周りの使い勝手などを含めて,ぜひチェックしておきたい一本だ。
まずは簡単にストーリーと背景を説明しておこう。
時は前作の20年後となる2070年。つまり世界が崩壊してから20年後が舞台で,プレイヤーは対テロリスト組織であるTarsus Academyに属するクローン兵士「Alex
D」に扮し,シアトルをスタート地点に各地を転戦することになる。
本作でパッと目を惹くのは,やはり画面中央を円で囲むインタフェースだろう。これは,主人公の眼球そのものにインタフェースが埋め込まれているという設定のためで,左がアイテムを管理するツールベルト,右が人体強化アイテム「Biomods」のスロットとなっている。
このインタフェースのおかげで全体的に画面が狭く感じられ,景色がめまぐるしく変わってしまうというデメリットがあるが,馴れればショートカットとの組み合わせで迅速なアイテム操作が可能になる。
アイテムについてもう一つ触れておくと,今作では武器のAMMO(弾薬)が一つに統一され,武器の種類によって消費量のみが変化するように変更された。またインベントリのスロットから"大きさ"の概念がなくなり,プレイヤーはアイテムの"数"だけを管理すればいいように変更されている。
今作には,上記を始めとして随所に前作からの大胆な"簡素化"が見られるが,これはコンシューマユーザーを意識したものというよりも,より本作のメインフィーチャー(=自由度)にプレイヤーの労力を注がせるという意味合いが大きいようだ。しかしこのあたりは,アイテム管理を含めて複雑なプレイを望みがちなコアなPCゲーマーには賛否両論あるかもしれない。
もう一つ気になるのが,物理/グラフィックスエンジンの出来。かねてよりの評判通り,ズバ抜けてはいないものの,リアルタイムシャドウの生成は見事だし,Havokエンジン改良版による物理処理も違和感なし。ただ,それらすべてのテクノロジの集積だけあって,快適なプレイにはかなりのマシンスペックを要求していて,(ちなみに筆者の環境は,CPU:AthlonXP
2500+,メモリ:512MB,グラフィックスチップ:RADEON 9600XT)1024×768ドットの解像度でも,グラフィックスオプションによってはかなり重い。RADEON
9700以降やGeForce FX以降には影の生成技法であるステンシルボリュームシャドウのアクセラレート機能があるので,グラフィックスチップの世代差が顕著に出るタイトルになりそうだ。
デモ版では,要所でポップアップされるチュートリアルをチェックしながら,三つのオブジェクティブを含むミッションが楽しめる。自由度という意味では,"オブジェクティブの解法をプレイヤーが複数選ぶ"というフィーチャーがこのデモ版でも体験できる。
前作からのファンの注目は,「前作のシステムをどれだけ継承しているか?」に集約されてきたと思うが,このデモ版をプレイした限りでは,"システムの複雑さは半減,ステルスに加え銃撃戦もある程度楽しめるようになった作品"という印象。人体強化アイテムのBiomodを駆使してのステルスは理屈抜きに楽しいし,登場するあらゆるオブジェクトにインタラクトして戦術に盛り込める(例:コンテナを積み重ねて高い場所に上る,銃撃戦のときに盾にする)という点は,期待通りのプレイフィールといっていいだろう。
登場キャラクターの会話など,かなりのスピードで流れていく英語のテキストに四苦八苦する人もいると思うが,10種類以上の武器と基本Biomodなどが収録されているので,まずはゲームの雰囲気を味わいつつ,プレイしてみてほしい。(Gueed)
Deus Ex: Invisible War. (C) 2003 Eidos Inc. Developed by Ion Storm.
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