「E3 2002」のCodemastersブースで,「Colin McRae Rally 3」に並んで注目を集めていたレースシミュレータ「TOCA Race Driver」。本作の題材は,英国で開催される"排気量2000ccの4ドア公道使用車"を使用した「TOCA TOURING CAR Championship」(TOCA)。フォードやアウディなどの海外車種から,日産やホンダなどの国産車が思う存分ドライブできるという,クルマ好きなら無条件で食指が動くようなタイトルである。
ところで,Codemastersのプロダクトには「Pro Race Driver」という作品もある。レースシム好きならご存知のように,この二つは別名の同一プロダクトで,"TOCA"は英仏などで,"Pro"は米国での正式タイトルになるようだ(そのためか,ゲーム中のタイトル表記はすべて"Race Driver"になっている)。
ゲームは,主人公Ryan McKaneのオフィスから始まる。彼の目の前には一台のPCがあり,そこへ仕事(レース)の依頼がメールで送られてくるのだ。 メールを確認すると,彼が正式にチャンピオンシップの出場権を得るために必要なテストのスケジュールが届いている。このテストドライブは,ストレートが多いコース「Monza」を5分以内に1周するというもので,いわばプレイヤーの腕試しといったところ。かなり時間に余裕があるので,初心者でも簡単にパスできるはずだ。
テストドライブを終えると,ガレージでマシンのセッティングを行った後,チャンピオンシップ本番へ。7台のマシンでの壮絶なバトルに突入する。 セッティングは,ギアレシオやダウンフォースなどの全6項目と,それほど多くない。しかも各セッティングはすべてLow/Middle/Highという幅の広いデジタルな設定なので,マシンの微妙な挙動をコントロールするといったシビアさはない。 そのセッティング項目の数に表れているとおり,ドライブフィールもいたってアーケードライクだ。車体には重量感がなく,ステアリングに合わせてスイスイとよく曲がる。瞬時に加速するマシンは,ボンネットビューだと爽快感満点だ。
さて本作のウリといえば,車体のダメージや衝突時におけるクルマの挙動をリアルタイムに処理する「Finite Element Modelling Damage Engine」である。このエンジンのお世話になること(?)は多く,レース中にはかなりの頻度で他車と接触してしまう。ボンネットがひしゃげる音や"ガッシャーン"とフロントガラスが割れる音をしっちゅう聞くハメになるが,その分,うまく走れたときは非常に気持ちがいい。アーケードライクなレースゲームの基本をおさえた作りといえるだろう。
デモ版では,テストコース「Monza」と,チャンピオンシップで走行する起伏の激しい「Brands Hatch Indy」の2コースがドライブできる。デモ版起動時のメッセージに"Demo version 80% complete"とあるとおり,ちょっぴり動作は不安定だったりするが,本作のレーシングフェーズのデキはチェックできるし,実はしっかり作り込まれているRyan McKaneを中心としたバックストーリーなども垣間見られる本デモ版。2003年3月の製品版リリースよりひと足先に,本デモ版で腕を磨いておいてほしい。(Gueed)
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