「天上碑」は,中国大陸を舞台に歴史上実在した中国の土地や建築物が登場するMMORPG。開発元の韓国はもとより,台湾や中国でかなりの人気を誇っている作品だ。forGamerでも以前から「ここ」に特設ページを設けたり,500名のクローズドβ参加枠をプレゼント用に確保するなどしてきた作品である。
世界の雰囲気に合わせて,プレイヤーキャラクターもすべて東洋風の戦士に統一。歴史上の武将や英雄を思わせる剽悍な男性キャラクターとチャイナドレスの妖艶な女性キャラクターが,4種類の職業(4系統の武器使い)と2種の属性(正と邪)となって冒険することになる。4系統の武器とは剣,刀,槍,爪のことで,すなわち全員が基本的に戦士系クラスであるのも中世中国を舞台とした「天上碑」らしい特徴の一つだ。このゲームの目的が"武を極めること"というのも,いかにも大陸らしい着想……か。
剣,刀,槍,爪の各職業には,それぞれ約50種類もの武器が用意されている。これらは単に攻撃力が異なるというものではない。「天上碑」の大きな要素である"武技"の源でもあるのだ。"武技"とは魔法や特殊スキルのようなもので,"職業武技"と"共通武技"とに分かれる。職業武技は職業に対応した武器(剣,刀,槍,爪)および属性(正,邪)によって習得できるものが異なり,また武技を秘めた特殊な武器を装備しなければならない。"共通武技"は,職業や属性に関係なく習得できるものだ。どういった武技を身に付けていくかが,キャラクターの個性と強さを形成していくことになるだろう。
ゲームシステムは昔からあるオーソドックスな2Dクォータービュータイプ。度肝を抜く突飛なオリジナル要素というのはないのだが,逆にシンプルさゆえに細かな点で何かと融通が利くようになっており,こまごまとしたユニークな要素がふんだんに盛り込まれている。 たとえば"結婚"という要素をシステムでフォローしており,異性キャラ同士は結婚式を挙げて夫婦になることができる。既婚・未婚はステータス画面に表示されるほか,夫婦だけが使える特殊武技などもあるという。結婚式にはほかのキャラクターも参列可能で,大勢から祝福を受けることになるのだ。 同じ志の下に集まったプレイヤー同士で結成される"派閥"という,いわゆる"クラン"の要素もシステム的にフォローされている。派閥内では新たな武技の開発やアイテムの開発・製造が可能になる。また派閥間での戦争が勃発することもあり,勝敗によっては相手の派閥を壊滅にまで追いやれるという。 街内には武闘場という施設があり,ここは街中でプレイヤー同士が戦闘を行うこともできる。基本的にはPKによって得るものも失うものもないため,プレイヤー間でのちょっとした腕試しのようなものは気軽に行える。ゲームマスターの呼びかけにより,ちょくちょく武闘大会が開かれたりもしているようだ。 期間限定イベントの類も頻繁に実施されており,公式サイトを覗くとメインページに"本日のストーリーイベント"を始めとするイベントの途中経過や顛末などが掲載されている。もちろん自分自身が参加して名を残すことも とにかくシンプルさ故に人が集まる催しを実施しやすく,事あるごとに大勢が集まって見知らぬもの同士がワイワイ楽しむという場が多いのが,このゲームの魅力といえる。
3幕10章からなる壮大なシナリオ,100ものクエストからなる「天上碑」。そのストーリーには推理小説的な技法が用いられ,単に高レベルであれば解き明かせるといった代物ではない作りとなっている。クエストの放棄が厳しく追及されることはなく,成功の暁には新たなアイテムや武技の入手,能力アップが得られる。また各クエストを最初に解き明かしたプレイヤーの名は,各サーバーの年代記(誰もが気軽に閲覧できる)に永遠に刻まれることになるという。
まだ発展途上であるため,RPGは高度で複雑なシステムこそ命! という人には物足りないかもしれないが,一度もMMORPGで遊んだことのない人や,面倒で長続きしないという人にはぜひオススメしたい。
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