No One Lives Forever 2：A Spy in H.A.R.M.'s Way
（Sierra Entertainment）
Sierra Entertainmentの「No One Lives Forever 2:A Spy in H.A.R.M's Way」（以下，NOLF2）のフルバージョン正式デモが，ようやく公開された。
FPSというベースに，古き良きスパイ映画を髣髴とさせる数々のフィーチャーを詰め込んだ「NOLF」。イギリス政府の諜報機関UNITYに所属する美人スパイのケイト・アーチャーが，世界征服を目論む秘密組織H.A.R.M.の計画を打ち砕くべく，数々のスパイミッションに挑む。ハデに撃ちまくって進むだけのシューティングとは一線を画しており，さまざまなスパイ道具と機転を駆使した隠密行動を再現。レトロでオシャレなファッションとBGMが彩りを添え，まさにスパイ活劇アクションと呼ぶにふさわしい作品だ。
「NOLF2」は“隠密行動”や“スパイ活動”といった要素がさらに特化されているとの話は以前からあったが，今回のデモではその辺がバッチリ証明されている。ステルス主体のFPSは苦手という人もいるかもしれない。しかし「NOLF2」のステルス要素はプレイヤーにとって重荷や締め付けではなく，“活用”できるよう配慮されている。たとえば建物の影や小路など特定の場所には目玉アイコンの表示されるHiding Placeがあり，この場に一定時間とどまることで主人公は姿を隠すことできる。従来のFPSのように，身を隠すことに成功しているのかどうか，よくわからないという事態は解消されているのだ。また倒した敵の死体を探って武器や情報を奪ったり，死体を運んで隠蔽するといったことも可能。またスパイ活動を行なうたびにスキルポイントが蓄積され，主人公の能力値を成長させるといった要素も追加されている。
今回収録されているのは，女忍者相手に戦う日本ステージや潜水艦ドッグなど計4レベル。日本ステージの内容も8月にリリースされたバージョンのデモとは異なる。単に敵と戦って突き進む戦闘オンリーの内容ではなく，コンパクト型の暗号解読装置を使って機密情報を集めるなどのスパイミッションを実際に体験できるようになっている。ただしデモ版では，4人までの協力プレイが可能というマルチプレイモードはサポートされていない。
外国映画の中に登場する日本といえば，目にあまる誤解と偏見に満ちたトンでもない描写が非常に多いもの。だが「NOLF2」の日本の描写は意外にもしっかりしている（まぁ変な所もあるが）。これがまた今の日本には滅多にお目にかかれない古風な町並みで，逆にノスタルジックな感傷に浸らされてしまうほどだ。LithTech Jupiterエンジンの採用により，前作とは見違えるほど美しくなったテクスチャや三次元処理も存分に堪能できる。またボウガンで敵を壁に貼り付けたり，コインで誘き寄せスタンガンで打ち倒す，日本刀同士による剣戟（火花が散る！）など，「NOLF2」ならではの戦闘も楽しめるのだ。数が減りつつあるシングルプレイFPSの中で，高いクォリティと豊富なアイデアを求め続ける「NOLF2」を，あらゆるFPSファンにぜひ堪能してもらいたい。
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