トム・クランシーシリーズゴーストリコン
完全日本語版（ユービーアイソフト）

　Red Storm Entertainmentが開発する特殊部隊シミュレーションの最新作，「トム・クランシーシリーズゴーストリコン」のデモ版が登場した。
　周知のとおり，Tom Clancyといえば「レッドオクトーバーを追え」や「パトリオットゲーム」を世の中に送り出したベストセラー作家。本作は，Tom Clancyが描いた"近未来のロシアで発生した国粋主義者達による近隣諸国への侵略を阻止する"という物語を題材にしている。Red Storm Entertainmentといえば，特殊部隊シミュレーションを看板ソフトとしており，「ローグスピア：ブラックソーン」や「レインボーシックス」なども多くのマニアから支持されている作品を提供し続けている。
　ではほかの作品とどこが違うのか？　上記に挙げた作品は（もちろん本作も含めて），徹底してリアリティを追求しているのが特徴で，一見遊び方やストイックなゲーム性はどれも同じに見える。しかし，本作は"戦略"の組み立てをより単純化し，ゲーム面を重視した設計にするなど，より一般層にも間口を広げた作品となっている。また，ほかのシリーズに比べてマップを約1.5倍程度広くしたり，兵士一人一人に耐久力やリーダーシップなどのパラメータを設け，各兵士の個性を際立たせていることも見逃せない点だ。

　本デモ版では，クイックミッションモードとマルチプレイヤーモードを楽しむことができる。マップは一つしか選ぶことができないが，マルチプレイでデスマッチを楽しむには十分すぎるほど広大なマップなので，不満はないだろう（ロビーサーバーを利用したマルチプレイもなかなか快適なので，ストレスなく楽しめる）。
　戦略性を排除して親しみやすく設計されている本作だが，そのリアリティと臨場感は健在。兵士達の息遣いや，遠くの銃声を聞きながら慎重に歩を進める様は実践さながら。屋内での銃撃戦では，映画のワンシーンのような緊張感を味わえること請け合いである。もちろん登場する武器も，すべて実在するものをリアルに再現。美麗なグラフィックスで描かれているので，やはりコアなユーザーにもたまらない魅力を秘めた作品に仕上がっているといえよう。