デウスエクスとは，一言でいうなら「一人称視点3D SF/スパイ アクションゲーム」である。忍び足で歩きつつ，敵の気配を感じたらさっと物陰に隠れやりすごす。敵の話に聞き耳を立て有益な情報を得る。そっと敵の後ろから近づいて，物音を立てぬよう一撃で息の根をとめるなどなど，潜入・隠密・暗殺といった行動が重要視されるので，ゲーム全体を通じてかなりテンションの高い緊張感を味わうことができるのが特徴。
またキャラクターを自分の好みに合うように育て上げていくことができる点も見逃せない要素だ。その要素の一つが"スキル"と呼ばれる技術だ。スキルには，スパイ活動に欠かせない小火器・重火器の扱い方，コンピュータハッキング，開錠，水泳，爆薬の扱い方など11種類があり，スキルポイントを割り振ることで主人公の能力を高めていくことができるのだ。まさにRPGライク。
"育て上げる"もう一つの要素として，肉体のサイボーグ化が挙げられる。身体を頭・右腕・左腕・胴体・右足・左足の六つのパートに分け，そこに9種類のAugと呼ばれる強化装置をセットすることで身体能力を上げられるのだ。さらにセットされたAugは，Canistarと呼ばれる装置でレベルアップさせることで性能を引き上げることができる。人体の6つの部位に9種類のAugがあるので，当然すべてをセットすることはできず，また，一度セットしてしまったAugは二度と取り外せないので，どこにどのAugをセットするかによって，キャラクターの特性が大きく変わってしまう。ゲーム後半のキャラクターの性質を大きく左右するところなので，どこに何をセットするかは悩みどころ（そして面白いところ）の一つとなるだろう。
ゲームはMissionクリア形式を取っており，Mission前にはブリーフィングと呼ばれる作戦会議が行われる。ブリーフィングでは作戦の内容や，作戦の性質など非常に重要な情報が提示されるので聞き逃さないようにしよう。作戦遂行中は随時本部からの指令が無線により送られてくる。なお重要な会話や写真などの情報は，いつでも読み返したり見直したりすることが可能なのが便利。しかしそのときも，周りに気を配ることを忘れてはならない。立ち止まってぼけっと読み返すなど，プロのエージェント失格だ。日本語体験版は，もちろん会話や文字情報などがすべて日本語で表示されるので安心してほしい。
この体験版では，デウスエクス本編の導入部分でもある，Mission1「自由の女神像内部での仲間の救出作戦」がプレイできるようになっている。敵の数が多いので，派手に撃ち合ったりすると，いかにサイボーグ化されているとはいえツラいものがある。弾薬にも限りがあるし，クリアを目指すなら徹底した隠密行動をお勧めしておこう。最後になるが，敵の立ち話などには重要な伏線があったりするので，盗み聞きは非常に大切な情報収集の手段となっていることをお忘れなく。
