このところRTSの元気が大変よろしいようで,またもや新たなRTSのデモがリリースされた。
「Cold War Conflicts」は,第二次世界大戦が終結して冷戦が始まる,1950年から1973年という年代を取り扱ったミリタリーRTS。実にニッチな時代を狙ってきたものだ。ちなみに製品自体はヨーロッパでは2004年3月26日に発売済み。
冷戦時代がテーマということで(?),登場する陣営はアメリカ,イスラエル,エジプト,北朝鮮,シリア,ソ連,中国,そして国連軍の8勢力。4本のキャンペーン(アメリカ編5ミッション,イスラエル編18ミッション,エジプト編9ミッション,北朝鮮編5ミッション)が,本作のメインとなるゲームモードだ。戦後ではあるが最新鋭ではないという,実に微妙な各国の兵器を50種類以上収録している。
ゲーム内容は,俗に"硬派"と評される「サドンストライク」的な2D RTSだが,なんというか作りは古めかしい。2D RTSというジャンルは職人芸的な進化を続け,決して3D RTSにひけをとらない美しさを誇っているが,本作のグラフィックスやアニメーションは正直いって美しくも緻密でもない。森から聞こえる山鳩の鳴き声や,戦車が鉄条網を踏むSEなどのチャチさからも,本作があまり見映え/演出などにはこだわっていないことが分かるだろう。プレイする人は,そのへんをあらかじめ覚悟しておこう。
デモ版では,"North Korea"と"USA"のキャンペーンの一部を収録。テーマはどちらも朝鮮戦争だろう。
North Koreaキャンペーンはゲリラ的な内容で,戦車を奪い,空港を奪い,航空機を奪うという奪ってばかりのミッション。まずはスタート地点にあるT-34を奪い,空港を目指す。途中の橋を破壊し,空港内を制圧しよう。重要なのは,自軍の兵士のうち何人かが操縦手であること。パッと見はほとんど違いが分からないが,彼らが殺されないように気を遣わねばならない。
USAキャンペーンでは上陸ミッションをプレイできる。最初に多数の揚陸艇で多数の兵士を上陸させるわけだが,兵士達は自動で船から降りてくれないので,降車/下船コマンドで一つずつ降ろさねばならない。揚陸艇は海岸全体に到着するが,急いで処理していかないと敵車両が次々と船を沈めてしまうので注意。
気の毒な兵士達をうまく降ろせただろうか。あまりにも多い兵士数に一瞬心が躍るが,ぼんやりしていると結構簡単に全滅する。基本的には,敵の砲台とバンカーを一つずつ潰し,奪いながらマップを制圧していく。マップ上には敵車両が多く展開しており,有効な対抗手段として,とにかく敵の大砲を奪っていくしかない。砲台の周りには弾薬を補給できる箱が結構あるので,見逃さないように。
ヘリ(戦艦の上にいる)による偵察や空爆支援,空挺部隊などを上手に使っていかないと,本当に苦労するという難しいミッションだ。
両ミッションにいえることだが,とにかく戦闘の決め手は砲撃。兵士の豆鉄砲は戦車相手に役に立たない。素早く砲台を発見して奪い取り……を繰り返しながら,慎重に進んでいくこと。それにしてもテーマは独創的なのだから,肝心のゲームシステムをもう少し丁寧に作ってもらいたかった。(Kawamura)
■2004.10.27 ダウンロード停止
デモ版が正常に作動しないという状況が確認されたので,ファイルのダウンロードを停止しました。

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