「Broken Sword 3：The Sleeping Dragon」は，イギリスのRevolution Software社が開発を手掛ける3Dアドベンチャーゲーム。世界観の雰囲気や物語の"ノリ"は，ちょうど映画「インディ・ジョーンズ」のそれを彷彿とさせるもの。The Sleeping Dragonと呼ばれる謎の組織の秘密を追いながら，主人公George StobbardとヒロインNico Collardの二人の活躍が描かれていくという内容だ。

　3Dで構築される世界をキャラクターが歩き回るという，オーソドックスなアクションアドベンチャーのシステムを基本としながらも，アクション性を重視しない簡単な操作システムを搭載している点が本作の大きな特徴。アイテムや仕掛けがある各ポイントごとに表示される"アクションパネル"を選択していくだけで，キャラクターが多彩なアクションを行ってくれるのは非常に楽でいい。
　 3D ADVの金字塔である「アローン・イン・ザ・ダーク」（いわゆる"バイオハザード系"などの元祖）以来，"アクション性重視のADVが全盛を極める昨今だが，本作は，謎解きや仕掛けに注力している純正のアドベンチャーゲームだといえる。
　 "見る" "話す" "取る" "ジャンプ" "登る" "降りる"などの基本アクションに加えて，"壁に張り付く" "ぶら下がる"など，体験版だけでも非常に細かいアクションが用意されており，キャラクターが生き生きと動き回る様子はなかなかに見物。古い話になってしまって申し訳ないのだが，その演出の細やかさという意味では，昔LucasArtsから発売されていた「Indiana Jones」（邦題「インディ・ジョーンズ/アトランティスの秘宝」など）シリーズ，同じくLucasArts制作のSF ADV「DIG」などといった，2Dアニメーション全盛期の今や古典ともいえる作品群を彷彿とさせるものがある。画面の中を駆け回るキャラクター達を見ているだけで楽しくなる……そんな感覚が，このBroken Sword 3：The Sleeping Dragonからも感じることができるのだ。

　ちなみにこの体験版では，主人公が乗った飛行機が断崖絶壁に不時着，今にも落下しそうな機内から脱出を図るという，物語の序盤のストーリーを楽しむことができる。序盤だけあって謎解き自体はさほど難しくないが，本作の演出の素晴らしさやキャラクターの躍動感など，作品のクオリティの高さを十二分に感じ取ることができる内容なので，アドベンチャーゲームファンの人はぜひダウンロードしてみることをお勧めする。
　 ただ元々PlayStation2やXboxといったコンシューマを軸に開発されてきたという経緯があり，そのためかPC版では操作性に若干の問題がある。ストレートに「面白そう！」と感じさせてくれる希有なタイトルなだけに，これだけは非常に残念でならない。
　 とはいえ，映画「インディー・ジョーンズ」ばりのアクション活劇をモニタ上で楽しめる本作。ダウンロードしてみる価値は十分にある。作品を隅々まで楽しむためにも，ぜひとも日本語化してほしいタイトルだ。（TAITAI）

DreamCatcher Interactive Inc. (c) 2003
Revolution Software Ltd (c) 2003

キー操作