Bridge It[英](Auran)

 本作は,「Bridge It」(橋を架けろ)というタイトルを見ての通り,橋を作成するシミュレータである。それのどこが面白いのか? と思われるかもしれないが,まぁ,一度デモ版をダウンロードして遊んでみていただきたい。……すごく面白いでしょ?
 そう,本作は面白いのだ。ただ橋を架けるだけのゲームが,なぜ面白いのか? 説明すると難しいが,要は,良くできたパズルゲームなのである。
 ひと口に"橋"といっても,当然いろいろな種類がある。吊り橋,箱桁橋,鈑桁橋,トラス橋,ローゼ橋,ランガー橋,ニールセン橋,斜張橋などなど。本作では,30種類用意されたステージごとに違う"現場の地形" "予算" "使える材料"を考慮して,「どういった構造の橋にすれば耐性が強くなるか(壊れにくいか)?」を,パズル的に楽しめるのである。
 不適切な設計だと,橋はすぐに崩れ落ちてしまう。この橋が崩れるときの様子をじっくり見て,どこを補強するべきなのか,どこに無駄があるのか,を探り当て,少しずつ調整しては実験し,また崩れたら観察して調整し……。最終的に崩れない橋を造れたときは,かなりの感動ものだ。
 本作は建築学や力学などをかなり精密に活用したパズルだが,遊ぶにあたって専門的知識は実際には必要ない。それらの知識は本作の開発者には必要だったろうが,プレイヤーは感覚的に「ここを補強すればいいかな」程度で十分楽しめるのである。それどころか,パズルを楽しんでいるうちに,これらの知識が(ある程度)身に付いてしまう。なんとも知的なパズルなのだ。

 本デモ版では,三つのチュートリアルステージと,難易度「EASY」が2ステージ,「MEDIUM」が2ステージ,「HARD」が1ステージで,計8ステージを楽しめる。また出来るのは橋を設計し,自重で崩れないかを確認できるまでで,その橋の上にさまざまなものを通らせることはできない。……できないが,これでも十分に楽しい。繰り返しになるが,(要求スペックさえ満たせば)ぜひ一度遊んでみていただきたい。ちなみに,橋が完成しても祝福の文字が出たり,ファンファーレが鳴ったり花火が上がったりはしない。橋が完成したら「うむ」と一人納得して,次のステージに挑もう。
 ところでこのゲーム。内容から受けるイメージに反して,要求スペックが非常に高い。CPUは最低1GHz以上(2.2GHz以上推奨),メモリ384MB以上(512MB以上推奨),空きHDD容量500MB以上,そしてGeForce4 Ti以上を搭載したビデオカードが必須なのだ(GeForce FX推奨!)。
 その分,スペックを満たしたPCでプレイすれば,グラフィックスは(無駄かもと思ってしまうほどに)綺麗である。自分が架けた立派な橋を,さまざまな角度からうっとりと眺めていただきたい。正直,ゲーム的にGeForce4 Ti以上である必要があるかどうか甚だ疑問だが,まぁグラフィックスが綺麗なのは確か。ゲームとしても十分面白いし,GeForce4 Ti以上のユーザーならば,気軽に遊んでみていただきたい。(Iwahama)


キー操作

  • 橋を架ける マウス左クリック
  • 橋の撤去 マウス右クリック
  • カメラ移動 カーソルキー
  • カメラ位置リセット Spaceバー
  • 拡大 / 縮小 マウスホイール
  • エリア選択 マウス中央ボタンをドラッグ
公式サイト 177MB
ダウンロード
ダウンロード(nVIDIA)