「Colin McRae Rally」シリーズの国内販売元として知られるMYSTIX STUDIOSから発売中のRTS,「ベシージャー」(原題「Besieger」)のプレイアブルデモが登場。本作は,2004年3月11日に日本で早々とローカライズ版が発売されたが,北米での発売は6月までズレ込んだ。本デモ版はそのリリースに合わせて用意されたものと考えられ,260MB強というサイズに見合った大ボリュームの収録内容となっている。
RTS作品としては割とオーソドックスな作りになっているので,初心者も尻込みせずに試してみるといいだろう。
ベシージャーは,北欧のバイキング史をベースとしながらも,魔法やモンスターなども登場するファンタジーRTSだ。プレイヤーは,バイキングとキンメリアという二つの民族の全面戦争を背景に,両民族それぞれの将「バルマレイ」と「コニン」を主人公とした二章立てのストーリーを体験することになる。
"Besieger"(包囲軍)というタイトルから分かる通り,本作は「攻城戦」を一つのテーマとして扱っており,マップの高低差がユニットの移動速度や砲撃などに影響を及ぼすなど,キチンと物理法則をシミュレートしているのが特徴だ。
デモ版に収録されているのは,チュートリアルライクなシングルプレイモードの序盤ミッションと,スカーミッシュモード。ちなみにこのスカーミッシュモードが思いのほか贅沢な内容となっていて,収録内容は2マップで,Deathmatch(通常モード),Artifact(アーティファクト争奪戦),Siege(攻城戦:防御側のみ),Battle(生産要素のないバトルロイヤル)の4モードが楽しめる。
さて実際にプレイしてみて印象に残ったのは,非常に開放感のあるグラフィックスだ。ミニマップのフォグ部分にはカメラが直接移動できない仕組みになっているが,俯瞰にすれば常にマップの全景を見渡すことができる。木,岩,山など,個々のオブジェクトはズームインするとその粗さを露呈するものの,かなり引いたカメラ視点が用意されているため,ほかのRTSのような窮屈さを感じない。
一方,谷などで入り組んだマップになった場合は,その複雑なカメラ視点がネックとなり,3D RTS特有のインタフェースの悪さをみせる。ユニットの陣形なども組めて,さらに高低差を見越した遠距離攻撃ユニットの戦略的配置が可能なのに,慣れるまではそれを生かし切れないのが残念だ。
ただ本作のウリとなっている物理法則は,現実に即した形でキチンと実装されていて,矢を放つ場合は高所が有利になったり,下り坂でユニットの移動速度がグンと増したりする点は地味ながら戦略に影響してくる。弓型の陣形と組み合わせて,敵ユニットと一度も剣を交えることなく射手だけで勝負を決めることなども可能だ。
本デモ版をプレイするなら,なにはともあれスカーミッシュモードのSiegeをプレイしてみることをお勧めする。このモードは,防御側だけという制限付きではあるが,古典的な攻城兵器の数々も登場するし,見ドコロがすべて詰っているので,手っ取り早く本作のフィーチャーを体験するにはうってつけだ。(Gueed)
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