「Northland」は，北欧神話をベースとした，ドイツ生まれの人気RTS「Cultures」（カルチャーズ）シリーズの第3弾にあたる作品。ゲーム内容はどこからどう見ても「Cultures3」そのものといった感じで，いかにも欧州っぽい色遣いとコミカルなキャラクターはもちろん，画面デザインや細かいルールまで前作を踏襲している。
　生産と戦闘の要素も持っているが，どちらかというと街作り＆生産が中心となる，ほのぼのムードの本作品。スピードもゆったり気味で，のんびりと牧歌的な雰囲気を楽しめる。
　しかし見た目とは裏腹に，お手軽プレイからは程遠い凝ったゲームシステムとなっている。キャラクターの一人一人に気を配り，細かく職業設定や行動管理などを行っていくのがプレイヤーの主な作業だ。最初は面倒に感じられるかもしれないが，慣れてくると各人に対して愛着も湧いてくるようになる。

　デモ版では七つのチュートリアルと二つのミッションを収録しているが，初めてこのシリーズをプレイする人はチュートリアルから始めること。既存のRTSよりもコマンド体系が凝っているため，あらかじめ身に着けておかなければならない基本要素が多いのだ。

　まず操作方法についてだが，このゲームはマウスの右クリックで命令を実行させる場面が多いことを覚えておこう。メニューやアイコンなどを選択する場合は左クリック，地図上でポイント指定する場合（キャラを建物に移動させる，建物の設置場所を選択する場合など）には右クリックで命令実行となる。

　とりあえず，キャラクターに男女が用意されていることに注目。このゲームは，男女を結婚させて子供を生ませることで，新たな人手を獲得していく。未婚のキャラクターがいたら，片っ端から"Marry"命令で結婚させて家に住まわせていこう（家の前の旗に二つの丸が描かれていたら夫婦，無印だったら独身者が住んでいる）。
　ちなみに男性はさまざまな職に就いて労働全般を請け負い，ほとんどの建物を機能させるために必要となる。一方の女性は子供を生むことと，食料を家に溜め込むことが主な役割だ。男女の生み分けが可能なので，効率良く殖やしていこう（生々しい話だが）。
　男性キャラクターは"Change Proffesion"コマンドで，一人一人に職業を設定する必要がある。職業は最初から選択できる基本職のほか，ある職業で一定の経験を積むと転職できるようになる上級職，"School"に入れることで選択可能になる専門職がある。また，"barracks"に入れると兵士になるので覚えておこう。
　また，各キャラクターは行動範囲が決まっている。自分の青い旗を中心にある程度の範囲でしか作業を行わないので，例えば"Extractor-Wood"（木こり）の行動範囲内に木が生えていなかったら，"Assign Work Place"コマンドで森のそばに旗の位置を移してやる必要がある。なお採集したリソースは旗の付近に置いていくので，街の近隣に蓄積されるよう考慮するか"Carrier"を用意しよう。なお，長区間の移動や未踏領域の探索を行うなら，一人"Scout"を用意しておくといいだろう。
　多くの建物は，"Builder"が建築したあとで，建物に見合った職人を配置する必要がある（職人が配置された建物には盾が表示される）。建物のアップグレードが可能になったら，任意の建物を右クリックすると表示されるメニューから実施できる。

　ゲーム中のミッションを確認すると英文がズラズラ出てくるが，箇条書きされたオブジェクティブだけをチェックすれば英語が苦手な人でも難なく楽しめるだろう。とっつきは悪いが，一度基本を覚えてしまえばずーっと遊べてしまう魅力を持っている。ぜひトライしてみてほしい。（Kawamura）

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