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AMショー直撮り「Half-Life 2 SURVIVOR」プロモーション映像
2005/09/02 23:30
 大作FPSの「Half-Life 2」をタイトーがアーケードゲームに移植するというニュースが伝えられたのは,200411月のこと(記事は「こちら」)。それからほとんど続報がなかったわけだが,アミューズメントマシンショーのタイトーブースでは,アーケード移植作「Half-Life 2 SURVIVOR」の情報がアナウンスされていた……といっても,筐体が出展されて実際のゲーム画面が見られたわけではなく,大型スクリーンによる1分半ほどのプロモーション映像と,システムに関する大まかなアナウンスのみであった。
 まずは「こちら」からムービー(41.0MB・1分26秒・MPEG-1)をダウンロードして確認してみてほしい。最も注目していたインタフェース部分,筐体デザインに関する具体的な情報がほとんどなかった点にはややガッカリしたが,ネットワーク対戦や新要素について,いくつか判明した事柄がある。そうした部分について,かいつまんで説明しよう。

 まずシステム基板はタイトーの大型筐体レースゲーム,「バトルギア4」で採用されていた「TypeX+」になる。PCアーキテクチャを採用したお馴染み「TypeX」を,さらにチューンしたものだ。
 PCからの移植に当たっては,独自の要素がいくつか追加されている。現在判明しているゲームモードは,シングルプレイでストーリーを楽しむ"ストーリーモード"。店舗間でリアルタイムの対戦プレイが楽しめる"バトルモード"。ミッションを一人もしくは複数で攻略する"ミッションモード"の三つである。
 ストーリーモードとバトルモードは,それぞれPC版でいうところのシングルプレイとマルチプレイ(Half-Life 2:Deathmatch)に当たるのだろう。
 気になったのはミッションモードだ。会場でのアナウンスによると,ストーリーモードとは別モノらしい。つまりシングルプレイ(ストーリーモード)を複数でプレイするCo-opとは違い,オリジナルミッション(特定のモンスター討伐やマップクリアなどか)が用意され,それを攻略する独自モードのようだ。

 PC版と大きく異なるのが,"ジョブ"システムである。選択できるプレイヤーキャラクターには複数のジョブが用意され,各ジョブならではの能力を戦闘で発揮するらしい。
 重装備重装甲のジョブや軽装でスピードの速いジョブ,狙撃系のジョブなど,持てる武器や身体能力にある程度特徴を持たせるようだ。これはPC版ではなかった要素である。
 仮にシングルプレイでこのジョブシステムを採用してしまうと,ゲームバランスが大きく変わってしまうため,おそらくはバトルモード,およびミッションモードでの話と思われるが,詳細については不明だ。
 ネットワークに関しては,バトルギアシリーズでも採用されていたNESYS(ネット・エントリー・システム)に対応する。NESYSとは各店舗からインターネット経由でタイトーの専用サーバーに接続させる,ネットワーク管理システムのことである。
 このNESYSによってつながった全国の店舗間ではリアルタイム通信バトルが可能であり,またNESYS対応カードでプレイヤーのオリジナルキャラクターを作成し,各モードの戦歴や全国ランキング,専用サイトのカスタマイズもできるようだ。



 大型スクリーンで流されていたプロモーション映像に関しては,前半はお馴染みのシングルプレイのワンシーンがちりばめられ,グラフィックスのレベルの高さをアピールしていた。後半になるとバトルモードと思われる対戦シーンが流れ,そこにはいくつかPC版と異なる部分も見受けられた。
 まず画面下部の<体力や弾薬などのステータス部分は,PC版の数値表示からよりグラフィカルになり,洗練された印象。画面上部にはチームのスコア,制限時間(アーケードゲームなので当然あるだろう),味方キャラを示すとおぼしきアイコンが表示されていた。
 マップはdm_lockdown(刑務所)のシャワールームと思われる場所で3 vs. 3のチーム戦を行っており,対戦中のキャラクターにはPC版にはいなかったcombin_super_solder(敵側の白い特殊兵士)女性モデルらしきものも登場していた。

 開発状況や発売時期について具体的な情報は皆無。現在鋭意開発中で,発売まで少し時間がかかるというアナウンスだけだった。この様子だと筐体デザインが公開され,実際にプレイできるバージョンが出るまで,もうしばらくかかりそうだが,デモ映像を見る限りグラフィックスのクオリティは高く,期待できそうな内容だった。
 日本語へのローカライズはどの程度なのか? 吹き替えか字幕か? ストーリーモードはPC版のものがまるまる入っているのか? バトルモードはデスマッチ系のみなのか? 気になる点はまだまだたくさんあるものの,はたしてキーボードとマウスでプレイするのが一般的なPCのFPSが,シューティングといえば受動的なガンシューティングが一般的であるゲームセンターにどう導入されるのか,そのあたりも注目しながら続報を待ちたい。(三須隆弘)

「Half-Life 2 SURVIVOR」
 →プロモーションムービーのダウンロードは「こちら」(41.0MB・1分26秒・MPEG-1)


ハーフライフ 2 日本語版 / コレクターズエディション 英語版
■開発元:Valve Corporation
■発売元:サイバーフロント
■発売日:2004/11/17
■価格:日本語版 6825円(税込),CE英語版 9240円(税込)
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2005.09/20050902233008detail.html