モンスター収集&合体MMORPG「ミックスマスター」ついに日本上陸 - 2003/11/26 21:51


 2003年11月26日,オンラインゲームのサービス提供を事業とするブロードゲームが,新作MMORPG「ミックスマスター」日本国内展開に関する発表を渋谷エクセルホテル東急にて行なった。
 発表会にはブロードゲームの社長である崔正浩氏,開発元である韓国のサイメディア社長Lee,Seungsup(リー・スンジョフ)氏,さらにスペシャルゲストとしてテレビなどで大活躍中のアイドル若槻千夏さんが登場。今回集まった報道陣も,現在まさに旬ともいえるスペシャルゲスト嬢の影響か,いつものゲーム発表会とは異なる顔ぶれとなっていたのが興味深い。

 「ミックスマスター」のオープニングアニメーション上映に続いて,崔正浩氏とリー・スンジョフ氏が壇上でスピーチ。その後,ブロードゲームのゼネラルマネージャーである中川英明氏が,日本での「ミックスマスター」展開に関するスケジュールを発表(詳細は後述)。そしてオンラインゲーム事業部の北岡将長氏によるゲーム解説が行われた(これも詳細は後述)。続いて若槻千夏さんが壇上に現れて,北岡氏と共に実際のゲームプレイを披露してくれた。
 ここで初めて動いているゲーム画面を目にしたわけだが(いわゆる本邦初公開というやつか),実にサクサクと動いており,かなりアクティブなタイプの作品となるようだ。戦闘も大がかりでわずらわしいものには見えず,アクションRPGのようにライト感覚で次々と消化していた。

 さて,日本ではほとんど初出といっていい「ミックスマスター」。当サイトの「こちら」「こちら」でチラリとNewsには登場しているが,韓国では2003年上半期のオンラインゲーム大賞を受賞した,MMORPG界の大物ルーキーである。韓国ではすでに120万人の登録者数を誇り,中国ではクローズβの同時接続者数が5万人というから,数字の上でも大物の部類に属する。
 ミックスマスターは,日本でもポケモンなどで大きな市場を獲得している「モンスターの愛玩化」をテーマとしたMMORPGだ。モンスターを"仲間"にし,一緒に冒険して"育成"し,さらにモンスター同士を"合体"させることによって新たなモンスターを作り出していく。プレイヤーは3体までのモンスターを引き連れ,常にモンスターとのパーティを組んで冒険するというのが本作の基本スタイルとなる。
 ミックスマスターの世界設定およびキャラクターイメージは非常に可愛らしく,かつアニメテイスト。コアゲーマーはもちろん,女性や子供までがターゲットとして捉えられているのは間違いない。


 そもそも「ミックスマスター」とは,モンスター同士をミックスさせて強力なモンスターを従える者達の間で,最高の称号とされるもの。つまりプレイヤーは皆,栄光のミックスマスターを目指す者達ということになる。

 まずは最も気になるモンスター合体について解説していこう。フィールド上またはダンジョンにいる敵モンスターを倒すと,モンスターの核である"コア"という存在になる(コア自身は最弱の敵としても登場)。プレイヤーをこれを持ち帰り,"ミックストレーナー"なるNPCに復活させてもらうことで,仲間となるモンスター"メイト"を獲得できる。
 プレイヤーが直接呼び出して一緒に戦えるメイトは3体までだが,それ以外にもストックのコアやメイトを20体ほど持ち歩ける。また町には倉庫もあるので,収集癖のある人も安心だ。ただし,プレイヤーが引率できるメイトのレベルは,プレイヤーレベル+15まで。それ以上のレベル差があるメイトは,例え所有していたとしても呼び出すことはできない。
 モンスターはドラゴン,悪魔,獣,鳥,虫,植物,メタル,ミステリーの8系統に分かれており,それぞれが独特のスキルを所有している。このスキルの取捨選択(つまり引き連れるメイトの種類)がプレイヤーの戦術幅となりそうだ。つまり状況に応じてメンバーチェンジすることで,パーティの能力はガラリと変わっていくことになる。

 肝心のモンスター合成だが,メイトあるいはコアの男女(性別があるのだ)をミックスすることで,新たなメイトが誕生する。この合成の方程式は決まっており,特定のモンスター同士を組み合わせれば基本的には同じモンスターが誕生する。ただし非常に低い確率で,突然変異的なレアモンスターが生まれることもあるという。このへんは日本の「女神転生」シリーズの悪魔合体に通じるものがあるだろう。
 また,レベル15までのモンスターのミックス成功率は100%だが,それ以上のレベルになると徐々にミックス成功率が低くなっていく。失敗するとミックス料金(かかるのである)を失い,合成元の二つのモンスターは休眠状態となってしまう。高レベルモンスターは,レベルが高いというだけで既に希少価値が出てくるのだ。
 ゲームに登場するモンスターの種類は,現在のところレアを含めて約230種類。この数字は今後,アップデートと共に増加していくとのことだ。レアモンスターはミックスによる突然変異を待つ以外にも,クエストで入手できるものや,例えば期間限定イベントに登場するものも予定されているらしい。クリスマスにはサンタっぽいモンスターでも現れるのだろうか。
 コアやメイトの扱いがアイテム的になっていることからも分かるように,所有するモンスターのプレイヤー間の取り引きもとても簡単だ。ポケモン以上に活発なモンスター交換がサーバー上で行われるのは間違いなく,この要素こそミックスマスターのMMORPGとしての本質的なアイデンティティとなりそうだ。

 選択できるプレイヤーキャラクターは4種類。剣士のディト,格闘家のジン,弓使いのペンリル,ガン使いのポイとなっている。ディトやらジンというのはクラスの名前ではなく,そのままキャラクターの名前なのだが,もちろんプレイヤーが任意に変更可能だ。
 ここで興味深いのが,この4キャラクターには職業的な能力差をあえて設けていない点だ。ソロプレイを重視しているというのもあるかもしれないが,自分が選択した職業によってゲーム中の行動が制約されることを回避し,すべてのプレイヤーになんでも楽しんでもらえるようになっている。
 なお,プレイヤーキャラは1レベル上昇するごとに5のフリーポイントを与えられ,これを4種類の各パラメータに自由に振り分けられる。これと装備アイテムに付与される5種類の属性が,プレイヤーキャラの能力だ。偏った能力にしてしまっても,パーティ(メイトの選択)次第でどのような状況にも対応できるというのが,本作の魅力の一つだろう。
 ちなみにメイト達もプレイヤーキャラと同じ4種類のパラメータを持ち,レベルアップもする。ただしメイトのパラメータ上昇は自動で行われ,これは種族によって成長の内容が決まる。

 マップは33エリアが用意されており,今後アップデートと共に冒険の場は増えていくようだ。エリアは街,フィールド,ダンジョン,PvP用のバトルフィールドによって構成される。このうち街は,いうまでもなく冒険の起点となる場所。アイテム取り引きやミックスは,ここで行う。
 フィールド(地上)は旅の舞台。モンスターが登場するが,ここのモンスターはサプライズアタックしてこない。つまりプレイヤーから先に攻撃しない限り,向こうからは襲ってこないのだ。始めたばかりのキャラクターでも世界中を歩けるし,最強クラスのモンスターにも会いに行くだけなら可能とのこと。
 ダンジョンは本格的な戦闘のエリアで,ここのモンスターは自発的にプレイヤーへ攻撃してくる。つまり1対多数の戦闘が待っている。腕の立つプレイヤーのみが足を踏み入れる場となるが,当然得られる物も大きい。
 さて,興味深いのがPvPを行うバトルフィールドの存在。本作独特のモンスター育成要素を最大限に発揮する場として,PvPは非常に盛り上がるだろう。ご自慢のメイト達を披露して,その実力をぶつけ合う。これは「モンスター交換」と共に,本作の本質的なゲーム要素の一つとなるに違いない。


 そのほかの要素として,プレイヤー同士の取り引きを円滑かつ活発に行える「露天商システム」,属性を付与することでオリジナルの武器や防具を生み出す「オリジナル装備品作成」,さらに「ギルドシステム」などを搭載。また「クエスト」も仕掛けられており,現在はワールドクエストが三つ用意されているが,これはどんどん増やしていく予定のようだ。

 今後のアップデートとして,まずは"パーティシステム"の導入が予定されている。MMORPGのわりにはソロプレイ中心となりそうな本作品だが,今後はプレイヤー同士の連携を必要とした冒険の舞台やクエストも増えていくことだろう。ちなみに攻城戦の予定はあるかと聞いてみたが,これは今のところないとのこと。まぁ,そういうタイプの作品ではなさそうだが。

 スケジュールとしては,本日2003年11月26日から公式サイトがオープンし,テスターの募集も始まっている。日本でのクローズαが12月2日〜2004年1月6日まで行われ,その後クローズβが1月9日からスタート。オープンβのスケジュールは1月中にあらためて発表される。そして気になる本サービス開始は,2004年4月が予定されている。サービス料金は未定だが,多くのMMORPGと同じく月額1500円前後となるであろうとのこと。

 さて,ここでミックスマスターに関するさらなるプロジェクトとスケジュールを発表していこう。可愛らしいキャラクターで彩られた本作では,2004年夏に「トレーディングカード」,2004年秋に「地上波でのアニメ放映」,そして2004年末に向けて「携帯・PDA連動型ゲーム」「ファンクラブ設立」,さらに時期は未定だが「家庭用ゲーム機への移植」が決定または予定されている。いやはや,なんとも驚くべきビッグプロジェクトだったのだ。

 もともとミックスマスターは,最初から日本進出を検討し,存分に研究しつつ進められてきた作品。「日本でヒットした可愛いキャラクターで,韓国で受け入れられなかったものはない」と分析するリー・スンジョフ氏は,残忍で大人向けのMMORPGが好まれるという韓国市場で本作を成功させつつ,いよいよ日本に上陸させたわけだ。ちなみに韓国で現在人気のキャラクターは,4人の人間キャラの中ではニヒルな「ジン」,モンスターでは雲に乗ったドラゴン「ミトラ」だそうだ。

 先ほども書いた通り,クローズαのテスター募集はすでに始まっている。さっそく公式サイトの「こちら」から応募しよう。テスター枠は最終的には1万人らしいが,これは12月2日からプレイできる人数ではない。これに漏れてしまったら,次は来年まで待たねばならないので注意!(Kawamura)

ミックスマスター(MIXMASTER)
■サービス開始日:2004年4月予定
■メーカー:ブロードゲーム
■動作環境:Windows 2000/XP,PentiumIII/500MHz以上(800MHz以上推奨),メモリ 256MB以上,3D描画が可能なビデオカード,DirectX 8.1以降

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