[ECTS総力レポート#04]「EverQuest II」の新事実が明らかに! - 2003/08/28 18:47


 Ubi Soft社のブースは,全体的にコンシューマ機が目立つ布陣になっていたものの,一番奥まったところでは,「EverQuest II」(以下,EQ2)と「Lords of EverQuest」の2本が公開されていた。
 今回は,リードデザイナーのウィリアム・トロスト(William Trost)氏に,キャラクターメイキング画面からクエストに至るまでを1時間近くに渡って説明してもらったので,早速その内容をお届けしよう。

■より詳細なカスタマイズが可能になった,キャラクターメイキング
 最初の情報は,キャラクターメイキングの詳細だ。
 基本的にプレイヤーが選択できる種族は,「EverQuest」に登場したものを中心に以下の16種類(*は,"2"で追加された種族)。

 ・Barbarian
 ・Dark Elf
 ・Dwarf
 ・Eludite
 ・Froglok
 ・Gnome
 ・Half-Elf
 ・Halfling
 ・High Elf
 ・Human
 ・Iksar
 ・Kerran(*)
 ・Ogre
 ・Ratonga(*)
 ・Troll
 ・Wood Elf


 なかでもとくに興味深いのが,ラットマンが進化したRatonga。ハムスター"もどき"からシマウマのようなラインのあるキャラクターまでを作成でき,またEvil系の職業に適した種族のようだ。

 キャラクター作成は,種族を選択すると次は顔のカスタマイズに入る。
 カスタマイズは,頭の形状(Skull Shape),目,耳,眉毛,頬,顎,唇,鼻,髪型,髭,肌の色,目の色,髪の色の13か所を,それぞれのバーを調節することで行い,そのパターンはほぼ無限。知っている人なら,「Star Wars Galaxies」のキャラメイクを想像してもらえればいいだろうか。これだけでも何時間も遊べてしまいそうだが,(そんな人はいないだろうが)面倒ならばランダムで設定することも可能だ。カスタマイズのあとは,名前を付けてゲーム開始という流れだ。

 興味深いのは,この時点ではプレイヤーキャラクターには職業(クラス)を設定しないという点。
 EQ2における職業は,スキルのように"枝分かれ"する仕組になっており,レベル6で最初のアーキタイプとなるファイター,メイジ,プリースト,スカウト,アーティザンの五つから選択する。そしてレベル15やレベル30で,新しい職業への道とそれに合わせたスキルなどのテクノロジーツリーが広がっていくわけだ。
 例えば,レベル6でファイターを選択したプレイヤーは,その後ウォーリアー,クルセイダー,ブローラー(乱暴者)が選べるようになり,さらにレベル30の時点でクルセイダーならパラディン,レンジャー,シャドウナイトのどれかになれるといった具合。
 この構造であれば,おそらくは拡張パックで新しい職業を組み込むのも容易で,開発者もそれを見込んでこういったシステムを採用したと思われる。

■巨大都市とプレイヤーハウジングの関係は?
 さてゲームのストーリーは,すでに発表されているようにEverQuestの舞台だったノーラスの500年後に設定されており,大惨事によって大陸が大小の島々に分かれてしまっている。残っているのは,キーノスとフリーポートの2都市のみで,すべてのプレイヤーはここから冒険を始めることになる。
 フリーポートは,アンデッド征伐の遠征ののちに街を統治したルカン・デ=リアが,アンデッドの魔力に魅せられパラディンからシャドウナイトへと堕落し,不死の肉体を得て現在も君臨しているという設定(もしかしてEvil系アライメントのプレイヤー向きなのだろうか……)。
 もちろんプレイヤーが探索を進めていけば,廃墟になった街の名残りや,今でも生活可能な状態で残された街も発見できるとのこと。またこの天変地異の名残りは,頭上を見上げればラクリン(ノーラスの月)が無残な形状になって浮かんでいることでも実感できる。

 今回確認できたのは,初期段階にプレイヤーに用意された"プレイヤーハウジング"の様子だ。デモで紹介されたキーノスとフリーポートは,それぞれ数階建ての大きな建築物を含んだ巨大な都市になっており,それぞれに特定の地域がプレイヤーハウジング専用の敷地としてあてがわれている。
 持ち家の大きさはさまざまなものになるが,大きなものはゲーム運営元(Sony Online Entertainmentだ)の許可が必要になるという仕組み。トロスト氏によれば,「特定のギルドは,その街に貢献するクエストをこなしたり,施設を建てて都市機能を改善したりすることで,ギルドハウス建設の許可が得られる」とのことである。

 ここで活躍すると予想されるのが,職業アーキタイプの一つ,アーティザンである。
 本作は,前作のように戦闘系の職業ばかりでなく,このアーティザンが用意されているのがユニークで,この職業は,レベルが上がると鍛冶屋や金細工,大工や裁縫士などへの道に進んでいくのだ。
 アイテムに関しては,EverQuestの世界に存在するほとんどの資源が登場する予定で,例えばアルマジロの皮で防具を作ったり,オークの皮で独特の壁紙を作成したりも可能になるという。
 今のところ,キャプチャしたScreenshotを壁に掛けられる絵にするなど,そこまでは自由にはデザインできないようだが,例えばギルドメンバーそれぞれの肖像画などは,顔グラフィックスがすでにデータとして存在するために,それほど難しくないとトロスト氏は語る。ここまで話が進んでいるだけでも,どれだけ開発スタッフ達が真剣にプレイヤーハウジングに取り組んでいるかが理解できよう。

■NPCの対応パターンが興味をソソる,EQ2のクエストシステム
 さて最後に,クエストについて。
 基本的にクエストは,街にいるNPCに呼び止められるなどして突然発生する。また会話は,チャットウィンドウばかりでなく,「Star Wars Galaxies」と同様にトークバブル(噴出し)でも行えるようになっている。
 EQ2における"会話"は,複数のものから選択する方式になっており,一人のNPCに依頼されるクエストも,数種類のパターンがあるようだ。
 今回見せてもらったのはシーンでは,キャラクターが街の盛り場にいた女性に呼び止められ,いくつかのパターンから「城門の外にいる輸出入業者が雇用しているので会ってみろ」と指示される。これをこなすだけでも一つのクエストが成功したことになり,経験値がいくつか上昇していた。
 トロスト氏によれば,高レベルのプレイヤーに対しても,このような人探しや物資運搬といった"戦闘しなくてもいいクエスト"が用意されるとのことで,純粋に街での生活を楽しみたいプレイヤーに配慮した設計になっていることが伺える。
 クエストは,大きなものになると,NPC同士が「聞いたかい?  ○○○○っていうプレイヤーが,あのモンスターをやっつけたんだって!」などと噂話をしたり,自分について語ってきたり,丁寧に出迎えたり,あいさつしてくれたりといった演出もあるとのことだ。

 また先ほどの例では,さらにその輸出入業者から複数の仕事を持ちかけられ,その中からこうもりを6匹倒して血のサンプルを収集するよう頼まれることもある。
 今回は街の近郊のシーンが主だったためか,確認できたモンスターは,アルマジロ,こうもり,ねずみなどの小動物が多かったが,ほかにも数種類のゾンビが確認できた(ゾンビはプレイヤーキャラクターと同じく,数種類の攻撃アニメーションをもっているようだった)。

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 EQ2の発売が"来年初頭"というのは変わっていないが,今回はプレイヤーにとってさらに重要な情報を入手
 実は,EQ2はDirectX 9専用ゲームとなり,ハードウェアでPixel Shader 2.0をサポートしていないシステムでは,稼動しないのだそうだ。これは,今後数年間に渡って継続するゲームを"グラフィック的に死なせない"処置なのだと,トロスト氏は語る。その言葉の裏には,こうして敷居を高くすることで,人気MMORPGの初期運営にありがちなプレイヤー超過の防止策でもあるというのが,暗に読み取れた。徹底的にコア向けにデザインされたEverQuestのコンセプトは,"2"でも健在のようだ。現在の43万人が移行するのは明らかだろう。(奥谷海人)

→当サイト内の「EverQuest II」特設ページは「こちら」

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