[E3 2003#131」βテスト開始直前のMMORPG「Dragon Empires」の詳細が明らかに! - 05/23 18:55

 E3 2002では,クネクネと入り組んだ一風変わった完全クローズドブースを構えていたイギリスのパブリッシャーCodemasters。今年も基本的にはフルクローズドでのタイトル出展だったが,Tyson氏のHelpもあって無理やり潜入(?),ポツリポツリと情報だけが流れてくる同社のフル3DMMORPG「Dragon Empires」の開発状況をチェックしてきた。

 さて説明してくれたのも,Codemasters Dragon EmpiresチームでCommunity Liaisonマネージャを務めるPeter Tyson氏だ。なぜかプロデューサKazuhisaの個人的知り合いで,こないだもLinux Zaurusの話で盛り上がっていた。
 非常に気さくな人ではあるが,なにせマシンガンのようにしゃべり続ける人なので,我々の貧弱な能力では英語を聞き取るのが必死。だが,いくつか気になるフィーチャーを聞いてきたので,ここに紹介しておこう。

■昼夜の概念について
 今回のデモは,"システム的な"というより,むしろグラフィックス周りのクオリティチェック用のものであったといえる。DEのグラフィックスは"超美麗"とはまではいかないものの,霞みがかった幻想的な風景は美しく,時間の遷移による情景の変化などは素晴らしい出来栄えだ。というより,MMORPGでここまで風景にこだわらなくても……。木が,近づいてもちゃんと木に見えるというのはなかなかにすごい。また昨今ではとくに珍しくもないかもしれないが,夜間には夜間専用のmobが出現したりするという。

■戦闘について
 昨年に引き続き映像で見られなかった戦闘シーン。それだけに,我々がとくにしつこく(?)聞いてみたところでもある。

 基本的にはEQなどと同様に,ターゲットを定めた後はフルオートの戦闘となる。既存のMMORPGでは,どのタイトルに一番近い雰囲気ですか? との質問に対しては「う〜ん,DAoC(Dark Age of Camelot)かなぁ」とのこと。
 というのも本作の戦闘(とくにPvP)においては,リアルタイムな"武器の切り替え"が重要な要素となるようだ。DAoCではPvPのとき,敵対する勢力のアーマータイプにより武器を選択する必要があるのだ。またキャスターの場合は,使用するスペルの属性により,増幅効果(フォーカスボーナス)をもつ装備に変更することなどが(それほど頻繁にではないものの)行われているからだろう。とにかく「Attackキーを押したらあとはそのままなんてつまんないだろ?」との言葉がすべてを表しているかもしれない。
 とはいうものの「部位によるHit判定とかってどうなってます?」と聞くと「うーん,まだちゃんと決まってないんだよねぇ」とのこと。すべてがロックされるのはまだまだ先,か?

 また氏は,「タンククラス・キャスタークラス共に"stamina"のマネジメントが重要になる」とも(しつこいくらいに)言っていた。重い武器で一撃ダメージを増やすのか,軽い武器をブンブン振り回すのか,Castタイムの短い呪文で小刻みにダメージを与えるのか,一撃でManaを使い切るくらいの大ダメージを与える呪文で瞬殺を目指すのか,状況に応じてプレイヤーにゆだねられるというわけだ。

■PvPについて
 戦闘システムについて質問したとき,氏から出るのはPvPについての話ばかり。実装方法はβテストの結果次第で,大いに変更の余地があるとしていたが,気になるペナルティについてはいくつか決定しているようだ。ペナルティは,
 ・若干の経験値を失う
 ・再スタートに1,2分を要する
 ・所持品の一部を相手に取られる

と,基本的なもの。またエリアによって経験値のペナルティを変えるなども考慮されているとのことだ。

 ……とここまで聴いたところで,我々が「UOなんかの例もあるし,日本人はPvPがそんなに好きじゃないかもしれませんよ」と発言してみると,氏は,

「DEは決してPvPオンリーのタイトルではないし,僕らもそうなることは望んでいない。プレイヤーは,DEの美しいフィールドを見たり,ダンジョンで胸ワクワクする冒険をしたり,また特徴的な生産や貿易などを楽しんでほしいんだ」

と語ってくれた。

■その他
 既存のMMORPGに存在する機能として単純に「DEにはあるのかな?」と思うところをいくつかぶつけてみたので,以下に列挙しておこう。
Q1:馬などの乗り物はあるの?
A1:現状では存在しないかな。きっといつかは。でも移動手段がないというわけじゃなくて,僕らとしては「船」優先で開発してるんだ。これは相当大きなものにするつもりなので,船内でPvPなんかもできたりすると面白いだろうね。たぶんβテストの初期段階で実装されることになると思うよ。

Q2:家はあります? あるとしたら,装飾や家具の配置はできるのか?
A2:日本人が家好きなことも知ってるし,我々もぜひ導入したいと考えてはいるけど,なにしろ時間がなくて(笑)。ちょっと製品版稼動までには間に合わないかもしれないなぁ……いまはキャラクターに関する修正を加えるのがメインの作業なんだ。UOみたいな家になるのか,それとも単なる倉庫なのか,そのあたりの仕様もまだ全然決まってない。

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 ちなみにDEのβテストは,取材時点での予定ではなんと2003年6月開始! とはいえPhaseが細かく分かれているようで,最初はほぼ内部テストに近い100人規模からの開始となるようだ。Phaseが進むに従って,参加人数も1000人,1万人,3万人……と順に増やしていくとのこと。
 おそらくforGamer枠ももらえることになると思うが,「できればちゃんとゲームになっている形で遊んで,いろいろな感想を教えてほしい」とのことなので,Phase2〜3くらいの話になるかも。

 ところで,最後にTyson氏は気になることをいっていた。それは……

「MMORPGを運営するなら,やはり日本は無視できない市場だよね。僕らは日本人向けのローカライズバージョン(またはそれに近いもの)を用意する準備がある。日本におけるディストリビュータの動向によっては,日本のファンに日本語版をプレイしてもらえるかもしれないよ。ホントは自分達で乗り込んでいって自分達で売りたいんだけど(笑)」。


 ……期待しよう。(Gueed)


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