[E3 2003#081]Diabloの香りがするMMORPG「Exarch Online」 - 05/19 15:12

 NC Soft社は, 日本以外のアジア圏を基盤とするメーカーとしては, これまでにないほどのブース面積をE3会場のサウスホールに確保していた。期待された「Tabula Rasa」のお披露目はなかったものの,7本ほどの新作MMOGの実況放送をするなどしており,その中の一作が,今回が初公開となる「Exarch Online」である。
 開発元のRealm Interactive社は,2000年末に設立された若い会社で,アリゾナ州都のフェニックスをベースにしている。アリゾナのゲーム開発はそれなりに盛んで,デモを見せてくれた開発者の話では,Realm Interactive社は「Motocross Madness」のRainbow Studios社や「Revenant」のCinematix社の元メンバーを中心に構成されているのだという。リード・デザイナーのデイビッド・アダムス(David Adams)氏は,知る人ぞ知るファンタジーRPG「Demise」の開発者だ。そんな彼らの処女作は,2001年にリリースされた「Starcraft」の拡張パック,「Starcraft:Brood War」だった。

 そのような経緯からも想像できるかも知れないが,「Exarch Online」は,「Diablo」や「Dungeon Siege」の雰囲気を持ったMMORPGである。大きめのキャラクターがスクリーン上で暴れまくるというアクション重視のロールプレイングゲームで,プレイヤーはヒューマン,ノーム,レイス,ゴーレムの中からキャラクター種族を選んでプレイする。各種族には,それぞれ異なる3つのクラスが用意されているが,まだ具体的にどのクラスになるのかの最終的な決定はされていないようだ。
 「Exarch Online」のストーリーは,中世ファンタジー世界にSFのエッセンスを加えたもので,銀河のはずれにある惑星の未来の物語。戦争によって崩壊した帝国を再建するために,元々の支配階級である"エックス・アーク"と呼ばれるヒーロー達が立ちあがるのである。

 SF風味が混ざっているだけに,登場する武器には剣や魔法の他に,銃器や電気系統の兵器,肉体改造用のインプラントなどが含まれている。デモで紹介されたレイスの男性キャラクターも,剣とショットガンの両刀使いだった。プレイヤーキャラクターの1つであるゴーレムは,ロボット系の種族であるというのもユニークだ。
 開発者が言うところでは,「MMORPGの欠点は待ちすぎること」なのだそうだ。強力なアイテムを落とすモンスターのためにキャンプしたり,体力を回復するために座って休んだりと,ゲームプレイとして意味のないペナルティが,プレイヤーに常に課せられており,そこから起こるフラストレーションを解消するために,「Exarch Online」では様々な工夫が行われているのだという。実際にデモを見ていても,敵を倒しながらもグングンとヘルス値が回復していくのが確認できた。

 「Exarch Online」は,ソロプレイでも楽しめるもののパーティプレイを基本としている。その1つが,「Warcraft III」の特定のヒーローユニットが持っていた"オーラ"の概念で,プレイヤー同士が一定の範囲内でプレイすることで,各キャラクターの持つ特定の能力を享受できるのである。このゲームの場合は,1人1人のキャラクターが特殊オーラを持っているため,パーティ人数が増えるほどオーラの範囲も広がっていくだけでなく,プレイヤーキャラクターやモンスターに影響を与える能力の数そのものが増えるのである
 クエストは,内容がランダムに変化するようになっているのも面白い。デモの担当者に,村の老人が娘を救出してくれるようにとプレイヤーに懇願してくるクエストを教えてもらった。あるプレイヤーは,実際に娘を救出して老人の元に送り届けるというものになるかも知れないが,他のプレイヤーだと救出時に娘が悪霊に取りつかれてしまって戦わなければならないということも起こり得る。このように,1つのクエストには分岐点が複数存在しており,1人1人のプレイヤーやパーティにとって,ユニークなものになるわけである。

 リリースはまだまだ先になるようだが,現在開発されているMMORPGの中では,最も初心者にやさしいタイトルとなりそうだ。Diabloの耳狩りのような殺伐とした空間でなく,プレイヤー同士が気軽にパーティを組んでクエストに出かけられるようなコミュニティを作ることができれば,多くのゲーマーに遊ばれることになるのではないだろうか。(奥谷海人)


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