[E3 2003#078]「Matrix Online」がE3で初公開! - 05/18 00:18


 「Matrix Online」は,巨大な世界の中でプレイヤー同士でカンフー技で戦い合おうというネットワーク専用のアクションRPGである。開発を手掛けているのは「No One Lives Forever」のMonolith Production社で,これまでとはまったく異なるゲームエンジンで制作されている。LithTech系とは完全に異なるプログラミングで,ライセンスも考慮していないのは,映画「マトリックス」がワーナーブラザーズに帰属するためだろうか。
 Matrix Onlineは,第3篇がリリースされる来年以降のリリースとなり,ゲームの世界が第4篇として位置付けされている。ゲーム好きのウォシャウスキー兄弟だけに,このMMORPGにも本格的に関わっているようだ。ただ,本来なら我々の知る現実世界は実在しないという物語なのに,マトリックスがコンピュータの中に再現されるというのは,なんとも皮肉なことでもある。

 しかし残念ながら,現時点で第3篇のストーリーが漏れてしまうことを嫌ってか,Matrix Onlineがどのような背景にあるのか,誰と誰がどのような理由で戦い合っているのかはまったく語られず仕舞いだった。今回のデモの目的は,「本当にマトリックスのような映画の動きをMMORPGの環境の中で実現できるのか」を証明するためにあったのかもしれない。ブースでは,都市に点在する4人の女性キャラクターと順番に戦っていくというデモが紹介されたのみであった。

 結果からいってしまえば,バレットシステムはMMORPGの世界の中で実現されている。さらには,映像で複数の残照が重なり合うように弾丸をよける様子も確認でき,マトリクスのファンの期待には背かない仕上がりになるかもしれない。
 面白いことに,バトルシステムはほかのMMORPGとは全く異なるものになっている。プレイヤーは,自分のレベルに合わせたムーブのセットを持っており,攻撃や防御などに分かれている。これらは,あらかじめ用意しておくのか自在に使用できるのかは判断できなかったのだが,そのムーブは左下の円状のインタフェースにあるPower,Speed,Defenceの三つのボタンを押すことで,敵から身を守ったり,相手を攻撃したり,回転しながらのキックや壁で反転しながらの移動ができるようになっていた。防御は身を縮めるだけでなく,足を開脚して避けたり右や左に振るなどするので,2体のキャラクターが十分戦っているように見えるのだ。

 ほかにも,キャラクターには通常のファンタジーRPGのように重厚なアーマーを取りつけることはないので,より衣装がカッコ良くなっていくというようなことで差をつけることになるだろう。世界としては完全な現実世界として稼動する見込みで,その衣装に飽きれば買いかえれば良いのである。ただ,銃などのアイテムは保有することができることは明らかにされている。
 Matrix Onlineには,昼夜の表現はもちろん天候もリアルタイムで変化し,降雨は場所に限定されているのではなく,雨雲が移動する場所に影響される。まだ,ゲームの実態は見えてこないが,これまでにはなかった派手なアクションが楽しめるようになりそうだ。
 会場の"表側"に流れていたイメージムービーではあるが,撮影して動画ファイルにして「こちら」においたので,気になる人は見てみてほしい。(奥谷海人)

The Matrix Online is currently being developed for PC only. TM & C 2003 Warner Bros.


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