[TGS2002 #10]「天覇光芒記」の日本語版プレイアブルバージョンも展示 - 09/21 00:12


 カプコンがこの秋発売する「天覇光芒記〜プリンス・オブ・シン〜」は,秦の始皇帝の息子を主人公にしたシングルアクションRPG。これまで英語版のプレビュー記事「こちら」や,同じく英語版のデモ版「こちら」,そして日本語版のScreenshots集「こちら」やムービー「こちら」で内容をお伝えしてきたが,東京ゲームショウ2002においてプレイアブルな日本語版が展示されていたので,その感想をお伝えしよう。

 2Dで表現されたグラフィックスやそのシステム,インタフェースから,しばしば"Diabloシリーズ"と比べられる本作だが,同時に複数のキャラクターを操作するためか,ファーストインプレッションでは「マイクロソフト ダンジョンシージ」に一番近かった。
 例えば戦闘では,指示する仲間を選択して攻撃目標を右クリック(マウス左ボタンにも戦闘用スキルを設定可能)すると,あとは半自動的に戦っていた。しかしマウスの左ボタンと右ボタンの両方に複数のスキルを割り当て,ショートカットで切り替えながら戦闘できるため,ダンジョンシージと比べると,よりアクション性が高いといえるだろう。

 逆に従来の同タイプのゲームと大きく異なっていると感じたのは,非常にストーリーを重要視している点だ。例えば,NPCとの会話システムが変わっている。
 プレイ中,町を出て歩いていると,一人の男に呼びかけられた。そのときのメッセージが
"「おい,若造!」中年の男が突然現れて,大きな声で私を呼んだ。"(原文まま)
となっていた。つまり,相手のセリフだけでなく,その場面の説明まで小説のように文章で表されているのだ。そしてその下のウインドウには,

1.<無視する>
2.<相手を見る>
3.私か?


と,主人公の行動(3番はセリフ)が選択できるようになっていた。試しに3番を選んで話を進めると,状況に合わせた三つの選択肢が。その中の一つを選ぶとそれに対する相手のセリフが表示され,さらに別の選択肢が登場し……と,なんと10回ほども繰り返してようやく会話が終了(相手のセリフはもちろん,選択肢まで毎回違う!)。まさにNPCと"言葉のキャッチボール"が楽しめたのだ。
 このため,NPCとの会話がまるで小説や映画のように豊かなものになっており,ぐいぐいNPCの話に,ひいてはゲームストーリーに引き込まれていく。始皇帝のほかにも項羽劉邦など実在の人物がたくさん登場する壮大なストーリーを持つ本作には,このシステムは非常に有効に機能しそうだ(選択肢には必ず"無視して立ち去る"タイプのものが入っているので,煩わしいときにはさっさと先に進むことができるという点も付記しておこう)。

 また本作がストーリーを重視しているというのは,「日誌」という機能からも伺えた。これは重要な出来事があるたびに主人公が自動的に書き込むもので,やはりこれも本物の日誌のように「○○の村を歩いているとき,後ろから(以下略)」といった風に主人公が一人称形式で出来事を記していた。
 先述したようなNPCとの長々とした会話も,重要なポイントは必ずこの日誌で確認できるので,忘れてしまう心配なし。例えしばらくゲームプレイできない日が続いても,この日誌を読めばすぐストーリーの流れを思い出すことだろう。

 ところで,説明するまでもないが,NPCとの会話も日誌の内容も完全に日本語で表示されていた。また今回見た感じでは,"直訳"っぽい変な文章もなく,比較的自然な文章で好感が持てた。

 いまのところ今秋発売としかアナウンスされてないが,プレイアブルなバージョンが展示されていたことから分かるように開発は終盤にさしかかっているようで,案外近いうちにリリースされることになりそうだ。(Iwahama)


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