[ECTS 2002#15]ヨーロッパの名作AVG「Broken Sword」の新作が公開 - 08/30 20:37

 ECTS 2002の初日に行われたプレスカンファレンスの出し物は,ヨーロッパでは古参のゲーマーの記憶に刻まれている「Broken Swordシリーズ」の3作めにあたる「Broken Sword:The Sleeping Dragon」(以下,The Sleeping Dragon)だ。ゲームを開発しているのは20年もの歴史を誇るRevolution社で,昨年欧州で発売されてスマッシュヒットとなったBroken Swordのゲームボーイ アドバンス版に触発されて,今回の新作の開発と相成ったらしい。

 カンファレンスは,Revolution社社長のチャールズ・セシル(Charles Cecil)氏による
「ポイント&クリックのアドベンチャーゲームは死んだ。アドベンチャーゲーム万歳!」
という意味深な宣言から始められた。これは,これまでのSierra社LucasArts社を始めとするアドベンチャーゲームで主流だった,画面上の行きたい部分をマウスでクリックすることで移動するという方式は古臭く,3D世界では自由に動き回れる操作性を追及することが,絶滅危惧種に指定され始めたアドベンチャーゲームを救うという意味らしい。ここまで聞くと,もう数年前から「トゥームレイダー」や「バイオハザード」のようなゲームが主流じゃないかと思う人もいるだろうが,セシル氏は,"アドベンチャーゲーム"と"アクションアドベンチャー"や"ホラーアドベンチャー"と呼ばれるゲームは,まったく異なるゲームプレイや性質を備えていると主張する。セシル氏は,「ほかのゲームはアクションゲームにストーリーを盛り込んだものだけど,真のアドベンチャーゲームはその世界とストーリーが最重要だからです」と語っていた。

 さて,肝心のThe Sleeping Dragonだが,主人公となるのはアメリカ人旅行者のジョージ・ストボードと,フランスのジャーナリストであるニコ・コラードの二人で,マップによって交互に操作していく。ジャンルがジャンルだけに,ゲーム中のストーリーに関してはほとんど語られていなかったものの,天才発明家を尋ねて出かけていったストボードに大きな陰謀が降りかかり,途中で手助けをしてくれるニコと遭遇するという内容のようだ。
 The Sleeping Dragonとは,この陰謀に関わる秘密組織の名前であるらしい。前作や前々作のテーマを継承し,全体で3部作としてまとめあげる形になるらしいが,もちろんシリーズを知らない人でも十分に楽しめるはずである。

 とくにアクションアドベンチャーとの比較を嫌ってからか,The Sleeping Dragonではピストルのような発砲型の武器は登場せず,NPCとの会話やパズルの謎解きによってゲームを進めていくことになる。しかし,アドベンチャーゲームが陥りやすい,「難解なパズルが引き起こすフラストレーション」を解消するため,あまりにも謎解きに時間が費やされた場合は,コンピュータが自動的に判断して謎を解いたり,優しいヒントをくれるなどのサポートがあるという。
 本格的な開発は半年前に始まったばかりで,PC版とPS2版は2003年末に向けての開発作業が行われている。(Okutani)


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