[E3 2002#58]高性能エンジンを見せつけた「Everquest 2」の技術デモ - 05/25 23:19

 「Everquest 2」は2003年第4四半期にサービスが開始されるとのことで,詳細なゲームの仕様に関しては,まだオープンエンドといった状態だ。今回公開されたデモは,この作品のために数年前から開発されていたグラフィックスレンダリング技術の凄さを見せつけるためで,続編の発売を待ち続けるEQファンらへのご褒美と,力を付けてきたライバル開発者たちに対する牽制としての意味が濃かったのではないだろうか。
 EQ2のグラフィックレンダラーはDirectX 8.1に完全対応させたもので,GeForce 3ユーザーにはお馴染みのパーピクセル・ライティング(Per-Pixel Lighting),マルチ・テクスチャリング(Multi-texturing),バンプマッピング(Bump Mapping),スペキュラー・ハイライティング(Specular Highlighting)などのグラフィックス用語が,デモをしていた担当者の口から矢継ぎ早に漏れてきていた。これらの技術を,デモで見た映像から拾って説明してみよう。

・パーピクセル・ライティング
 ピクセルごとに照明具合を調節できる技術で,DirectX 8.0で導入されたプログラマブル・ピクセル・シェイダー(Programmable Pixel Shader)を使って,プログラマーが開発した照明技術だ。EQ2では,ラバのオレンジ色の発色と,クリスタルから発せられた青白い光が,ダンジョン内部を照らしていた。ピクセルごとに照明具合が異なっているため,一部はオレンジと青が混ぜ合わさったようにもなっている。また,隙間の多いスケルトンの体には,リアルタイムで自分の影を投射されているのも見受けられた。

・マルチ・テクスチャリング
 さらにダンジョン内部を進んでいくと,古い工場のようなくすんだ灰色の壁の部屋に到着。この壁には,湿度が高いのか下部から緑色のコケが生えてきているのだが,この壁はコケつきの壁テクスチャを用意しているのではなく,壁テクスチャとコケテクスチャの2枚を重ねたものだ。このため,壁によっては生え方さえ変更させることも可能にしており,同じ壁ばかりの退屈な部屋になることを避けている。

・バンプ・マッピング
 マルチ・テクスチャリング技術で表現できることの一つだが,ドラゴンの体のデコボコを表現するにはもってこいの手法である。以前なら,ウロコで覆われたドラゴンの体やレンガや石作りの壁,石畳や水面に至る凹凸の激しい表面をリアルに表現するのが困難だったのだが,たった一枚のバンプマップ・テクスチャを通常のテクスチャの上にかぶせることにより,フレームレートに負担を掛けることなく現実味の溢れる素材に見せかけることを可能にしたのだ。

・スペキュラー・ハイライティング
 光源に近い方向の鎧や皮膚の一部が,強く照らされて白く滑らかに反射している状況を作り出したのがスペキュラー・ハイライティング技術。パーピクセル・ライティングを応用したもので,テクスチャ単位でなく,ピクセル単位で反射具合を調節できる。今回のデモでは,モデルにばかりでなく床にもスペキュラー・ハイライティングを確認することができた。

 また今回のデモでは,ほとんど未完成ながらもキャラクター制作画面を見ることができたが,キャラクターは種族や性別,キャラクタークラスを選ぶくらいで,その他の変化はかなり省力されることになるようだ。キャラクターアニメーションはモーション・キャプチャ技術で取り込まれたデータを使い,やたらにスムーズな動きのソーシャル・ムーブ(挨拶などの仕草)も目玉の一つになるらしい。

 紹介されたキャラクターモデルは,ヒューマンの男女とオーガの男。ヒューマンの男の着込むチェーンメールは,どんなに目を凝らしても,光沢加減からしてメタルにしか見えない。女性ヒューマンは,白人女性に多い鼻の周囲のソバカスまでが表現されていたし,オーガの口元に光る牙も,ただ白いのではなく線状の模様がついたオーガニックで黄ばんだように見える。
 ヒューマンとオーガでは体格も相当異なっているが,アーマーセットや衣服は全ての体型に適応して伸縮する。キャラクターモデルはUnreal 2に匹敵するほどで,女性ヒューマンが着込んだレザーアーマーの肩からの吊りひも部分と,胸の部分には隙間があるのが確認できたが,これはキャラクターとアイテムのモデルは全くの別モノであることを物語っている。

 EQ2のリリースはまだまだ先のことに過ぎない"遠い話"だが,ご存知のようにEverquestには現在も42万人というユーザーがアカウント料を払い続けており,大きなファン層を獲得している。
 また,今回のデモはサンディエゴオフィスのテストサーバーとオンラインで結ばれていたものなのだが,1度たりともラグによる引っ掛かりを見ることはなかったと付け加えておく。1年半後の平均的なスペックのコンピューターなら,確実に対応できるのだろう。そもそもデモ機にしても普通のGeForce3を使っていたようだし。
 今後断続的に漏れ聞こえてくるであろう情報を心待ちにしよう。追ってUpする予定の,"テクノロジーデモムービー"もお楽しみに。(Okutani)


友達にメールで教えよう!
←Back to Daily News
←Back to News Archive