[E3 2002#51]「Ghost Master」で,お化けを操り人間達を驚かせ! - 05/25 19:30

 Empire Interactiveが2002年末に発売を予定している「Ghost Master」は,「SHADOW RUN」や「DISCWORLD」を手がけたグレッグ・バーネットの最新作。本作もまた,とびっきりのセンスでユーザーを楽しませてくれそうだ。

 ニューイングランドの片田舎,グレーブンビルの町には「シムピープル」ばりに高度なAIに基づいて生活する人間達が住んでいる。ここまではいかにも平和そうな話だが,主人公がちょっと……いや,かなり変わっている。Ghost Masterの主人公は,謎の事件を追ってグレーブンビルまでやってきた,「呪って委員会」のゴーストマスター。そう,主人公はゴーストなのである。手下のゴーストを操り,人間達の行動をうまく誘導してこの事件の謎を解くのが本作の目的となる。

 具体的なゲームの流れを紹介しつつ,システムを説明しよう。最初のステージの舞台は,女子寮だ。ここはチュートリアル的な意味合いを持つステージで,ステージクリアの条件も,「女子寮の全員を追い出す」といった簡単なもの。最初から操れる6体のゴーストを使って,彼女たちをひたすら怖がらせまくるのだ。ちなみにゴーストを召喚したり,ゴーストの持つ特殊能力を使うと,「プラズム」を消費する。このプラズムは,人間を驚かすことによって増えるから,とにかく人間は驚かせまくるのがこのゲームの基本なのである。なんて愉快な基本なんだろう。ただ,世の中には図太い神経の持ち主も多く,後半のステージではなかなか驚いてくれなくなるだろう。そのためにも,多くのゴーストを集め,強力な特殊能力が使えるようになるべきである。

 人間達を驚かしてその建物から追い出す,というのはイメージ的に理解しやすいが,では「人間達の行動をうまく誘導して事件の謎を解く」とは,具体的にどういったことを指すのだろうか? この質問をグレッグ本人にぶつけてみると,以下のようなデモンストレーションを見せてくれた。
 とある屋敷の屋上に一人のゴーストがいる。しかし彼は,何かに縛られたようにそこから動けず,主人公の仲間になってくれない。話を聞くと,彼はこの家に住む女性にえんとつへ落とされ,殺されてしまったらしい。その死体――すでに骨だが――がいまだにえんとつの中に詰まっているのが,彼をここに引き留めている理由というのだ。そこでプレイヤーは,彼の骨を見つける方法を考えるわけだ。例えばとあるゴーストの特殊能力を使い地震を起こす,なんて手もあるのだが,この時点でそのゴーストを召喚するのは不可能。そこでグレッグは,下っ端のゴーストを使って暖炉のある部屋の気温を下げたのだ。しばらくすると,その家に住む女性が寒さを感じ,暖炉に火をつけたのだが,えんとつは詰まっているため,部屋中煙だらけに。次に彼女は煙突掃除屋に電話をかけ,いざ煙突掃除屋が仕事を始めると……。そう,こうやって無事に骨を発見でき,また一人のゴーストが仲間になったというわけだ。
 つまり,一見つながりのない方法で,うまく人間を操り思い通りの行動を取らせることで,徐々に謎を解明していくというわけだ。

 登場するゴーストは50種類,その特殊能力は150に及び,ステージは20用意されている。1ステージは短いもので20分,長いものでも2時間で終わるというから,毎日1ステージずつ,ああでもない,こうでもないと考えながら人間達を驚かすのも楽しそうだ。「シムピープル」のようであり,「ダンジョンキーパー」のようでもあり,パズルや謎解きの要素まである,とにかくいろんなゲームのエッセンスを集めて凝縮したGhost Master。これなら,期待するなというのがムリというもの。最終的にどういうゲームに仕上がるのか? いまから非常に楽しみだ。(Iwahama)

(C)2001 Empire Interactive Europe Ltd. Game concept and creation by Sick Puppies, a studio of Empire Interactive Europe Limited. Ghost MasterR and Empire(R) are registered trademarks, and the E logo is a trademark of Empire Interactive Europe Ltd. All rights reserved.


友達にメールで教えよう!
←Back to Daily News
←Back to News Archive