[E3 2002#41]世界を手玉にとって遊ぶ「CivilizationIII:Play the World」 - 05/25 09:40

 Civ3の拡張パック「CivilizationIII:Play the World」の最大の特徴は,「マルチプレイヤーモード」。まずこのマルチプレイヤーモードの新機能として気になるのが,"ターンレス"モードである。
 これは,AIの思考/ユニット移動時間を削ることで待ち時間を削減,ターンもプレイヤーの意思ではなく時間制にすることによって,大幅なスピードアップを望めるようになったものだ。内政や外交ウィンドウなど,ゲームを完全に留めてしまう場合に関しては「研究中」とのことだったが,最小マップ(4文明)なら1〜2時間程度でゲームを終わらせてしまうことも可能ではないかと,デモを行ったFiraxis社の担当者は話していた。
 ほかにも,彼が"Meta Games"と呼んでいたマルチプレイヤー専用のゲームモードもいくつか発表され,各文明のリーダーが登場し,それをチェスのキングに見立ててプレイする"レジサイド"は,そのリーダーユニット(ゲーム中に登場するユニットではない)が破れた時点で終わりとなる。逃げ回ることもできるが,敵に場所を察知されやすいなどのマイナス面もあり,スパイ活動も生きてくる楽しい遊びになりそうだ。一つの街でも攻略された時点で終わる"イリミネーション"なども予定されているらしい。もちろん,通常のターン制やメール交換による気の長いマルチプレイヤーモードも,トラディショナルなファンのためにサポートする。

 新しい文明は,ジンギス・カーンをリーダーとするモンゴル,そしてイザベラ女王を長に添えたスペインが公開された。モンゴルの特殊ユニットは,素早い動きで敵を攻撃するケシック弓馬兵(騎乗兵のアップグレード),スペインはガード犬を引き連れたコンキスタドール(騎士のアップグレード)となっている。ほかの6個の文明については,すでに発表された二つからも想像できるように,「CivilizationII」で取り残されたものになるらしく,その他二つについては完全に新しい文明となるだろう。開発者は,"日本の隣人"がスポットライトを浴びるであろうことを示唆していた。
 新しい要素としては,Fog of War(黒い未開拓部分)を押し広げる役目を担うアウトポスト(商業活動はできない)や,飛行機の発着を都市以外で可能にするエアフィールド,設置した付近の対空防御率を向上させるレーダーなどの都市外施設に加え,陸上や海上における複数のユニットを同時に動かすことができるスタック移動や,戦艦などの海軍ユニットにコマンドできる自動爆撃,敵都市の状態を把握しやすいように旋回コマンドを洗練など,細かい部分での調整も行われる。これらは,内政に走りがちなゲームの中期に,戦略的なプレイを行えるようなオプションを持ってもらおうと考慮されたことらしい。

 それに加え,Play the Worldではエディタに新しいユニットセットも加わる。シナリオとして,日本の中世マップと第二次世界大戦期が用意されているが,これらに合わせて17ユニットずつが考案されているのだ。残念ながら,日本の中世期に登場するユニットについてはとくに語られなかったが,さらにCivIIIにハマる言い訳ができてしまうのは間違いないだろう。
 またヨーロッパの地勢に特化した新しい地形タイルセットに加え,冬景色を表現したタイルも登場。MODコミュニティの育成にも力を入れていく方針で,ファンが制作した優秀なMODファイルを,「Best of Civ3」としてCD-ROM化して販売する計画もあるらしい。civ3.comも,ファンサービスを効率良くできるように新しく作り直すとのことだ。 Play the Worldは,今秋発売を目指して開発が進められている。一ファンとして,いまから楽しみで仕方がない。(Okutani)


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