[E3 2002#33]「Postal 2」のデモが見られた! の話 - 05/24 17:53


 実は,このE3特集の前情報でもお伝えしたように,Postal 2は某大手販売会社から発売されるものだと筆者は思い込んでいた。この販売会社の名を包む隠さずにいってしまえば,最近ではPCゲームから手を引いた感のあるAcclaim社のことなのだけれど,それもRunning with Scissors社が面会を指定していた場所が,Acclaim社のブースだったからである。困惑していたところへ,ようやく続々と開発メンバーが到着。中には,前作の販売を日本で手掛けたマイクロマウス社の福山社長を始め,ハリウッドで活躍する名脇役のゲーリー・コールマンなどもいる。コールマン氏は,Postal 2にチョイ役で登場することが決定したというプレスリリースが,数週間前に発表されている。
 そして,本誌取材陣は,Running with Scissors社に引率されて,E3会場でも人気のない裏道へと進んでいった。このあたりは,歩き疲れたE3参加者たちが,昼ともなれば地べたに座ってサンドイッチを頬張る場所である。そこへ,彼らは給仕係が使用するカートを10ドルで借りてきて,GeForce2 Go搭載のノートPCを使っての即席デモブースを作り上げたのである

 セサミストリートを題材にした子供向けの教育ソフトを作っていたRunning with Scissors社が,「Postal」で弾けてしまったのが1998年のこと。それから4年の歳月を経て,あの問題作が3Dになって帰ってくるのである。といいつつも,ゲームに関する資料や画像を入手することができなかったため,詳細についてはまだまだ分からない部分も多い。冒頭で説明されたことは,Postalがミッション制になっており,住居付近の市街地を中心にした広大なマップが再現されている。人々は街を行き交い,店には店主もいればネコは裏庭を歩いている。ミッション数は,前作のようにDAY 1からDAY15までの15マップ程度になる模様で,それらのマップが地域として組み合わさることで,一つの街を構成しているのである。
 ゲームは第1人称視点で行われ,プレイヤーはDAY 1で行わなければならないクエストを,一つ一つこなしていく。これらのクエストは,例えばミルクを買いに行くとか,しばらくサボっている会社に月給を取りに行く,とかいったものになる予定だ。ポスタルらしいのは,ミルクを買うには込み合ったマーケットで並ばなければならず,その列が進まないことに切れた主人公がミルクを持ち逃げして警察に追いまわされたり,前に並んでいる人に向かって発砲するなどさまざまなオプションが考えられている点だ。どのようにプレイするかは,完全にプレイヤーに委任されており,「もし暴力が嫌いで列に並ぶことに抵抗を感じないタイプのプレイヤーなら,最後まで銃を手に持つことなくプレイできるのです」とRunning with Scissors社社長のヴィンス・デシ(Vince Desi)氏は語る。もちろん,牛乳を買いに店に行って並んでお金を払って帰ってくることが,ゲームとしてどれだけ面白いのかは疑問なところだが。

 主人公(ポスタル・デュード,という呼称)は,実はRunning with Scissors社の社員だというのは小さな驚きだ。主人公は,ずうずうしく月給を取りに行った時点で社長(デシ氏のアバター)に解雇されてしまうのだけれど,突如として外で暴力ゲームに反対する抗議行動を行っていた団体がなだれ込んでくるという局面もある。武器は,初期装備がピストルになっているほか,自動小銃やガソリンなども登場。AIやキャラクターアニメーションに問題も見られたものの,Karma社のフィジックスエンジンを使用しているなど,妙な場面で凝った作りになっていた。
 発売元は,日本ではすでにマイクロマウスが決定しており,現在ヨーロッパの国々からもオファーが来ているという。アメリカでは,未だにアメリカ政府からゲームタイトルで訴えられていることから,Webサイトで販売する方式を取ることになった。販売は,2002年の11月を予定している。(Okutani)


友達にメールで教えよう!
←Back to Daily News
←Back to News Archive