[E3 2002#14]新時代のコミュニケーションツール「The Sims Online」 - 05/23 21:08


"The Sims"(日本版は「シムピープル」)の世界がそのままオンラインゲームになったら……。そんな夢のゲーム「The Sims Online」(以下,SO)が,今年中にも発売される予定だ。SOは当サイトでこれまでにもたびたび紹介してきたが(「こちら」参照),ついに本年のE3において,実際に動いているところを確認し,触ってきたのでその様子をお伝えしよう。

 マーケット担当ディレクターのEric Hartness氏がゲームを立ち上げると,モニター上に彼のキャラクターの家の様子が映し出された。どんな様子かというと,大勢のシム人が,上半身裸で木馬にまたがったり,一心不乱にピアノを弾いてたり,怪しいダンスを踊っていたりと,思い思いの行動を取っていたのだ。しかしそれだけでは,ちょっとキャラクターの多いThe Simsといえなくはない。
「もちろんここにいるキャラクターは,全員実在の人間が操っていますよ」
とEric。今回のデモンストレーションで使用した世界に登場するすべてのキャラクターは,アメリカのあちこちに住む誰かが操作しているとのこと。タイトルを見るまでもなく,SOがオンラインゲームだというのは知っていたのだが,正直にいって,ちゃんと説明されるまではNPC(というか本来の"シム人")がただたくさんいるものだと思ってしまったほど,すべての動きはなめらかで,不自然のないものだった。動きに関しては,後ほどこの取材時のムービーをUpする予定なので,もうしばらくお待ちいただきたい。

 しばらくEricのプレーを見て感じたのは,SOはThe Simsの延長上の作品というよりは,The Sims風の味付けをした大規模コミュニケーションツールである,ということ。とにかく大勢いる「PC」達と,いかに楽しく過ごすか? を徹底的に追及したゲームといえるだろう。
 それは例えば,お金を稼ぐ手段からもうかがえる。SOでもっとも一般的な収入は,「家賃」なのだ。キャラクターが誰かの家に遊びに行くには,その家の持ち主にお金を払う必要がある。逆に,プレイヤーが自分のキャラクターの家にいろいろと面白い家具や設備を購入して,それを目当てに多くのキャラクターが遊びに来れば,その分,収入を得られるというわけだ。
 ただし,ほかのキャラクターといってもどこかの誰かが操作しているわけで,ただボーっとしていては,誰もお金を払ってまで遊びに来てはくれない。そこでSOが持つ豊富なコミュニケーション機能(キャラクターの頭に吹き出し状に表現されるチャット機能,登録したキャラクターが現在オンラインであるかが分かる機能など)はもちろん,個人のWebサイトやオフラインで積極的にアピールして,多くのキャラクター(というかプレイヤー)を家に招いて稼いでいこう。ほかにもお金を稼ぐ手段はあるが,ギャンブルはともかく,普通はお金をくれる相手も誰かが操るキャラクターというのがユニークだ。例えば,バーテンの仕事をすることで,お客であるキャラクターからお金をもらう,といったようなことがしばしば起こる。つまり現実世界と同じ経済の流れが,SOの世界でも成り立つのである。

 最後に,今回聞くことのできた数字をまとめておこう。
 シム人達の行うアクションは100以上用意されており,身につけることができるアイテムは1000種類以上,そして家に設置可能なアイテムも1000種類以上あるとのこと。これらをうまく利用して,誰もが楽しめるようなすてきな部屋を作り,毎日パーティを開いてついでにお金持ちになろう! それこそ現実世界では夢のような話だが……。(Iwahama)

・2001年E3での記事など当サイト内「The Sims Online」に関する記事一覧は「こちら」

(C)2002 Electronic Arts Inc. All rights reserved. All trademarks are the property of their respective owners.


友達にメールで教えよう!
←Back to Daily News
←Back to News Archive