[IGF2002 05]Age of Mythology - 02/28 22:27

[IGF2002 05]Age of Mythology

文・写真 奥谷海人

 歴史に忠実でもなく,それでいてファンタジーすぎることもない。ブルース・シェリー(Bruce Shelly)氏が監修するEmsemble Studios社の新作「Age of Mythology」(以下,AoM)は,そんな微妙なラインの上に,綺麗に乗っかっている印象がある。
 シヴィライゼーションの帝国建設の要素をうまく調合しながら,ユニットのバランスの良さで大きな支持を得たエイジ・オブ・エンパイア(AoE)が登場してから5年以上の歳月が経つ。AoMは,神話が現実の世界と関わり合いを持っていたギリシャ,エジプト,北欧の3文明をあしらった時代を描いてはいるが,実はAoEの血を脈々と受け継いだ作品なのだ。
 「Dungeon Siege」と同じく,日本でもすでにかなりの露出がある新作ソフトなので,こここで細かく説明する必要もないだろう。いままでの当サイトのAoMコンテンツは「こちら」を参照してほしい。実際に遊んでみた個人的な感想では,ゲームの根本的な感覚をそのまま残し,ビジュアル面が強化されているような印象を受けた。ユニットはAoEのようにアップグレードさせることができるが,新しい鎧を開発すると新しい鎧のテクスチャが登場するといったような3Dモデルの利点を生かした効果を狙った細かい変更もいくつか見られる。水辺に代表されるような,従来のRTSには少ない明るい色調の色使いも印象深い。

 現在のバージョンでは,さまざまな"パワー"も使用できるになっている。このパワーは,プレイヤーを神と位置付けたような,いわゆる"奇跡"のようなもので,各文明には4種ずつ用意されているが,1ゲームにつきそれぞれ1回ずつしか使えないようになっている。これらのパワーには,竜巻を起こしたり火山を勃発させたりという自然現象による破壊から,農民ユニットを食料にも使えるブタに変化させるような,いかにも神話的なものもある。文明によって異なるパワーが用意されているが,共通するのが"雨降らし"の奇跡だ。これは,雨を降らせて一時的な穀物生産の向上を狙ったものだが,自分の土地だけでなく,マップ全体に雨を降らせてしまう。つまりは,先にユニットを送り込んだり別のパワーを使ったりして敵の農地を破壊しておかないと,その効果が共有されるだけになるのだ。これらのパワーには,自然現象の起きる方向や規模などの偶然性もあるようで,プレイヤーによっては違和感があるのではないだろうか。
 AoMの開発は着実に進んでおり,欧米では「夏」の発売となっている。当然のことながら日本語版の開発も進められており,AoEの持つ誘惑が多くのプレイヤーに襲いかかること間違いない。


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